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コラム:言いたい放題

第75回

こだわりの継続

執筆者:   2014 年 12 月 9 日

001ついに出ました!!
お化け? じゃない、オールカラーバージョンの単行本です。
『W7』

実は発行企画が実業之日本社の山田さんから発信されたときは2通りの売りのどちらの案で行くか、揉めたンです。
安い値を付けないと売れない。オーソドックスに部数で勝負案。一方、豪華バージョンでファンを驚かせ、価値観高めて入手意欲掻き立てるという作り。私としては断W7然、豪華な作りの方です。
安く売ろうとすれば紙質を落とす。すると色の発色が悪くなる。せっかくの着色原稿、原画に忠実に色を再現し良さを引き出して作者も読者も納得するって方向が望ましいわけで、読者に申し訳なくも5000円の定価になってしまったわけで、出版社としては中味豪華を判って欲しいと、発売前に数種類のポスターを書店に配布、販促協力をお願いしたり、世の中に知って貰おうとあの手この手を考えたのです。そんな手段のひとつに全国の書店さん向け配布色紙。まさに今回初、私、色付けした色紙を何十枚も描いたのですよ。
更にその発売日には神田神保町の書泉グランデという書店でサイン会も。これは事前予約者というものでしたが、なんと当初予定の「50人を越え、今70人まできてます」って中間報告があり20人をお断りするのも申し訳なく、100人までお付き合いしますと返事をしておきました。
いやァ、嬉しいですよ、断れません。当日は雨にも係らず、開始時間前から会場へ来てくれているファン、ありがたいねぇ。遠くは大阪や静岡、千葉からと・・・・・ 私のファンはこうも熱心かと頭が下がります。

ここでも10名に直筆色紙が当たるというくじ引きを設けまして、当たった方の嬉しそうな顔を拝ませてもらい、こっちまで嬉しくなっちまうね!
サインに会話にと夢中になってたら、トイレに行きたくなったころはすでに1時間半を過ぎてました。長くお待たせしているファンの前で中断って辛いンですが、私も我慢は辛い、トイレ行かせてもらいました。
ああいう時って逆の立場を思うと、長い行列立って待って、やれやれ次は俺の番・・・・ って思ったところに「待った」を掛けられる。その気持ち、ズッコケどころじゃないだろうからね。でもトイレ我慢も辛いンです、ご理解ください。
そして中には2冊を買ってくださる方も。いやァ、熱心なファンはまだまだ健在、嬉しいなァ。

978-4-408-61285-02今回このイベントの会場となった書泉グランデの店次長さんなども個人的にお買い上げ。書泉のユニホーム脱いで一ファンとしてお客の列の最後尾に並んでくれました。
カッコいいねぇ、公私を分けるところ。私としては、こういうファンはとっても嬉しい。

さらにはyazy君はじめ、月刊望月三起也事務局の面々もお手伝いに来てくれて心強い。感謝。
2時間を超えるサイン会も無事終了。書店さん、喜んでくれました。何度もこういうことやってますが、今回出版本を普通価格にすると1000冊ほどが売れた計算になるそうで、中々の記録とか。嬉しいねぇ。
そうして全国の本屋さんが売り上げ延ばして喜んでくれたら言うことないよね。
一冊の漫画本が読者をはじめ、みんなの笑顔を運ぶっていいな。

さァて、本の内容の方ですが読後感、いかがでしたでしょうか?
私としてはストーリーよりも着色の凝りを見て欲しいところ。そりゃなんたって時間を掛けました。1ページ辺りの原稿料に見合わない仕事って人生初です。でも、いいんです、楽しめましたから。
ただ、本として改めて見直すと反省というか・・・・・ ああしたかった、ここ、もう少し時間を掛けて、だとかが出てくるンですね。いつになったら満足のいく出来にたどり着くンでしょうかねぇ。100歳越えてからかなァ。

サイン会後、出版社の編集氏お二人と月刊望月三起也事務局のyazyくん、ゴキッチくん、アスカ、いつも大阪からバスで駆けつけてくれるお馴染みのちっちさん等と近くの居酒屋で軽く食事をしながら馬鹿話に盛り上がり、腰痛に板敷は少々キツイと思いつつ、楽しい時間を過ごしました。
その折にアスカ、書店さんや出版社さんから宣伝用ポスターや販促品、素早く入手したと得意気に語る。次回ファンイベントのときなど、オークションかジャンケンで皆さんにと。いや、手が早いというか抜け目がないというか、変に感心させられます。
ということで、みなさんお楽しみに。

・・・・・楽しめなかったのが、浦和レッズジュビロ磐田
私、何十年もの間レッズのサポーター。一ヶ月前には今年こそは優勝と充分な可能性があった。最終週でもガンバ大阪が引き分けでレッズが勝てば目の前に優勝って御馳走が来たのに、テーブルから盛った皿を落として食べそこなったァ~って始末。
ジュビロはJ2へ落ちる前からの戦力ダウンのままの一年間。これじゃ監督を何人替えても強くはならない。ボール蹴るのは監督じゃないンだよねぇ、一番の原点、判ってないなァ。
暗いです。心は闇だ・・・・・

同じレッズでも浦和レッズレディースの日本一は素晴らしい、心は青空。
女子の良さはプレーとして充分見られる。何しろ男子のように背後でボール回して様子をみるってのがない。ボールを持ったらいつでも前へ!即攻!!動きっ放し。その上男子と違いファールに繋がる“技”を使わない。罵り合い、掴み合いもしない。コケようが突き飛ばされようが即、起ち上がってプレー。これが爽やか。
クラブ世界選手権では外国勢同士の決勝となり口惜しい思いでしたが、いやァ女子のレベルが高くなりました。見ていて充分迫力伝わってきます。ぜひ一度はナマを見てやってください。“ただひたすら”という言葉、爽やかに伝わって心洗われること間違いなしです。

と、いうわけで今年一年、このコラムおつきあいいただき、ありがとうございます。
好きな漫画だけに手抜きが出来ない内容にはトコトン拘って今日も明日も原稿に向き合う・・・・ 幸せです。
ノーベル賞受賞の赤崎教授も言ってました。
「これはと思ったものにこだわり続けることが大切だ」と。
同感!私も漫画一筋、これからも更にこだわろう!!
ノーベル賞は無理でも読者の笑顔が何よりの賞ですから。

来年もよろしく!!









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コメント/トラックバック

  • 西園寺ちーむ :
     読後感・・・ヘビー級爽快感ですね! 
    二世部隊の話しの混入とかも洒落てますよね。このまま実写映画なら(多分無理?)良いですね。
    二冊買う方も居るなんて凄いですね。

     着色があると違いますよね。
    緻密な着色もいいのですが、スピード感のある荒いタッチの着色の方が視的には迫力あります。
    なんて言うか、もうマンガと言う表現は超えてますよね・・・超越超絶コミック。
    でも、これだけの迫力の内容を載せた本自体にも迫力のあるコミックは今まで無かった気がします?。

     続・ワイルド7・Rを出されるなら、最配本(少し廉価させた版とか)もいいのでは?
     失礼しました。
  • パイソンのダンナ :
    一人で2冊買った者です。1冊は観賞用、もう1冊は永久保存用と考えていたのですが、先生にそれぞれ違うサインを頂き、勿体なくてどちらも読めません。抽選会は残念ながら2回ともハズレでしたが、小学生の頃からウン十年(?)も憧れた先生と並んで写真も撮れたし、握手もできて感激至極です。先生の手は分厚くしっかりしていて、とても力強かったのが印象に残りました。先生が「検査で脳スキャンしたけど全く隙間が無かったよ」と言っておられましたが、ボケ防止には頭や指先を使うのが一番とのこと。先生の創作活動は正に一番のボケ防止対策なのでしょうね(失礼?)これからも益々お元気で胸躍る魅力的な作品を生み出し、私達に生きる活力を与え続けて下さい。リターンズも期待してます!!
  • K.TAKA :
    Amazonで購入し、カスタマーレビューも書かせてもらいました。
    勿論評価は5つ星です。
    JAやムサシの頃から知っている巨匠が、これだけの凄い仕事を紡ぎ出すとは!。450超の全頁カラーなんてあの手塚氏だってちば氏でも出来なかった偉業です。
    これからもお元気で、私たちの世代に元気を見せて下さい!。

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