
久しぶりに作品紹介させていただきますeddy-sです。
今回は
14話「棺桶七つ」と
15話「運命の七星」を
併せてご紹介させていただきます。
「運命の七星」が連載されていた1974年は、色々な事件が日本国内で起きました。
3月に小野田寛郎陸軍少尉がフィリピンルバング島から帰還。(望月先生が『生還』という作品で描かれました)
8月にはコンクリート・ゲリラさながらに丸の内の三菱重工ビルで爆破事件が発生!
そして『ワイルド7』第14話「棺桶七つ」の作中でも事件が起きていました。
事もあろうか我らの飛葉ちゃんが殺人罪で警察に逮捕されるという事件が……!!

しかも草波隊長は一向に保釈の手続きをしようとせず、ついにやけになった飛葉ちゃんは金庫破りと共に脱獄し宝石店を襲うが、場所が「肉鉄王国」内だった為、警察ではない肉鉄ガードマンに捕まってしまう。
ここで肉鉄について解説すると
正式名称は「肉玉鉄道株式会社」略して「肉鉄」。
関東近郊で最大の電鉄会社で、その沿線には東洋一の団地を持つ。
さらに領土を広げる為にあくどいやり方で拡張していく。

果たして軍師の正体を暴き見事退治出来るのか?
ここまでが第14話「棺桶七つ」のあらすじです。
そして続く第15話「運命の七星」で、いよいよ飛葉の活躍が開始すると読者の誰もが思っていた矢先、ワイルド7のメンバーが次々と肉鉄の魔の手に落ちて行く。
しかも、草波隊長は非情にも「おまえたちがいつ死んでも代わりならいくらでもいる。敵と刺しちがえてこい」と冷くあしらい、仲間の救出にも行かせない。
八百が…ヘボピーが…ユキ、オヤブンそして両国までも次々に命を落としていく。
「ついに……ワイルドはおれ……ひとり…となったか……」

当初日本で採用されたのはF-4EJですが、1974年にRF-4Eを14機購入したそうなので、八百がテスト飛行を兼ねて操縦していたとしても不思議ではありません。
私も1990年に横須賀にある米国海軍空母ミッドウェイの甲板でファントムの実機を観た事があります。

肉鉄ガードマン使用の装甲車と高射砲搭載フォルクスワーゲンなど、車輌面でも望月ワールドが全快です。
クライマックスでは軍師専用のUH-1イロコイスのスキッドに仕込まれた刃で局長に化けた両国が襲われます。

肉鉄王国から抜け出す為に、ユキがわざと金持ちのドラ息子にガールハント(死語!)されたふりをして乗り込むスポーツカー。
肉鉄ガードマンが乗るポルシェパトロールカーとカーチェイスを繰り広げました。

肉鉄の次長、通称トシさんが手にしているのは、ベレッタとペッパーBOX。
その彼が、ガードマン部隊の新隊長に就任した飛葉ちゃんの為に武器庫からチョイスしてきたのは、彫刻入りコルトガバメント1911。
軍師を仕留める為に肉鉄のパーティに潜入した両国が構えるのはブローニングM2重機関銃。
21世紀に入った今日でも採用されている最強のマシンガンです!!

映画館で襲ってきた殺し屋集団が使っていたのは、PPSh-41通称「ペーペーシャ」と南部14年式後期型。
肉鉄の近藤局長のパーティ会場でガードマンが手にしていたのは、両国から奪ったエンフィールドNo.2 Mk.I。
イコと志乃ベエが乗った飛行機をハイジャックした犯人が手にしているのはS&W44マグナム6インチ……etc.
話は変わりますが、連載中にとんでもない事件が起きました。
それは1974年49号での事。
少年キングの表紙には『ワイルド7』の文字がしっかり印刷されているにもかかわらず、パラパラとページをめくっても見当たらない。
あれ?見逃したかともう一度ページをめくるがやっぱり無い?!
しばらく放心状態でした。
もしかして印刷所のミスで収録するのを忘れてしまったのかと思いました。
書店で取り替えてもらおうと思い別のキングを見せてもらいましたが、やっぱり無い!
別の書店で発売されているものなら大丈夫かと思い足を運び調べましたが、結果は同じでした。
当時はネットも無く誰かに簡単に聞く事も出来ず、仕方なく諦めて1冊購入して自宅に帰りました。
ベッドに横になり他の漫画を順番に読んでいたら、いきなりこのページが目に飛び込んできました。

【ワイルド7休載のお知らせ!
漫画界ナンバーワンのタフガイ 望月三起也先生、ついにダウン!!】
そこには望月先生が布団の上で腰には包帯が巻かれた痛々しい姿のイラストが描かれていました。それでやっと事情がわかってきました。
雑誌は製本の工程で表紙と中身を別々に作る為に印刷所では表紙だけが先に刷られたが、急遽作品が掲載されない事態となり今回のような事が発生してしまったのだと……
これは大事件だ!
ワイルドのメンバーの事よりも心配でした。
なにしろ作者である望月先生が倒れられてしまっては、この先がどうなるかわかりません。
当時中学生だった私は、このまま『ワイルド7』が途中で終わってしまうのではないかと真剣に考えました。
同じように少年キングの読者の中には『ワイルド7』はこの話で終わってしまうのかと思った人もいたはずです。

しかし次の少年キング50号には「野性の七人誕生編(1)」(再録)として連載第1回が収録されているだけで「運命の七星」はありませんでした。
カエルぷろニュースでは完全復帰には時間がかかる為の苦肉の策だと書かれていました。
そして次の51号も「野性の七人誕生編(2)」が収録され、52号で無事に再開されました。
この号のカエルぷろニュースには望月先生と編集部の担当記者のお詫びのコメントが掲載されました。
後から聞いた話では、望月先生が倒れた事を聞いた元アシスタントの田辺節雄先生とつちやましげる先生が直ぐに駆けつけて、昔のように作画をお手伝いされたそうです。

草波が新ワイルド7のテスト生を調達中と言っていた場面で誰も22口径の拳銃を使用しているように見えなくて「22口径が得意な浅野」が見当たらないのですが、私の勘違いでしょうか?

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「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
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是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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eddy-s さんのプロフィール

これまで何度も読む者を楽しませ唸らせてくれたeddy-sさんの投稿。
様々な作品の紹介もしてくれていますが、とりわけワイルドに関しては
「コンクリート・ゲリラ」
「黄金の新幹線」
「千金のロード」
「灰のとりで」
「緑の墓」
「首にロープ」
「谷間のユリは鐘に散る」
「地獄の神話(前編)」
「地獄の神話(後編)」
と実に多彩。
そして遂に、肉鉄王国でメンバーたちが一人また一人と倒されていく絶体絶命の『棺桶七つ』『運命の七星』を語ってくれました。
ストーリーや登場メカの詳しい解説だけでなく、連載時の出来事やうんちく等々も交えて毎回安定の充実した内容がとても素晴らしく心から感謝!です。
常にいろいろな方面にアンテナを張り巡らして情報を探知していくeddy-sさんのスタイルには、紛れもないワイルドeye(愛)を感じます。
いつも本当にありがとうございます。
(事務局/yazy)
様々な作品の紹介もしてくれていますが、とりわけワイルドに関しては
「コンクリート・ゲリラ」
「黄金の新幹線」
「千金のロード」
「灰のとりで」
「緑の墓」
「首にロープ」
「谷間のユリは鐘に散る」
「地獄の神話(前編)」
「地獄の神話(後編)」
と実に多彩。
そして遂に、肉鉄王国でメンバーたちが一人また一人と倒されていく絶体絶命の『棺桶七つ』『運命の七星』を語ってくれました。
ストーリーや登場メカの詳しい解説だけでなく、連載時の出来事やうんちく等々も交えて毎回安定の充実した内容がとても素晴らしく心から感謝!です。
常にいろいろな方面にアンテナを張り巡らして情報を探知していくeddy-sさんのスタイルには、紛れもないワイルドeye(愛)を感じます。
いつも本当にありがとうございます。
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2025/02/07 at 5:55 PM