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望月マニ也

第67回

ビッグコミックの館

執筆者:   2013 年 11 月 11 日

目的に向かってひたすら頑張って集め続けた、その成果がここに!200冊を超えていよいよコンプリート目前、きっかけとなったのは、あの出来事でした。

構想3年、ついに目標達成直前、ビッグコミックをこんなに揃えてしまいました!

「ワイルド7」にハマり、10代の頃はとにかく書店で望月作品を見かけたら、手当たり次第に雑誌・単行本を購入していました。社会人になってもそれは続けていましたが、転勤族の悲しい宿命で、転勤の度に荷造りをしてダンボール箱に詰めては持ち歩き、しばらくは手元に持っていたのですが、結婚して子供が生まれてからの転勤は流石に荷物が多すぎて、ついに泣く泣く全ての本を処分せざるを得ない時がやって来ました。(悲)

それから約10年が過ぎた2010年4月に行われた【望月三起也トークライブ ワイルドナイト】で、尊敬する望月先生にお会いして、眠っていた野性の血が再び騒ぎ始めもう一度望月作品を読みたい!という気持ちが芽生え始めました。
まずは過去に所有していた1974年の「週刊少年キング」の「地獄の神話」巻頭オールカラー掲載号をもう一度見たいという気持ちからでした。
(くわしくは「eddy-s Collection`s vol.1」をご覧になって下さい。)
探索は困難を極め、なかなか探すことは出来ませんでした…。
しかし探索する途中で他の色々な望月作品に出会う事が出来、その中の一つが「ビッグコミック」でした。

「ビタミンI」、「うるとらSHE」、「ごくろう3」、「へい、お町!」、「Oh!刑事パイ」と、連載当時何度か目にしていましたが、ほとんど一度見たきりで詳しいストーリーはあまり知りませんでした。そのうち1冊、また1冊と手に入れていくうちに、段々とストーリーの面白さに引き込まれていき、どうせなら最初から連続して全部読みたい、手に入れたいという気持ちが徐々に芽生えていきました。

それはまるで、あの「ワイルド7」第9話「緑の墓」との出会いで「ワイルド7の虜」になった時と同じような感覚でした…。

そして、その気持ちを決定的にする出来事がついに起きました!それは、私が作品紹介させていただいた「ビッグコミック」に連載されていた「うるとらSHE」と「へい、お町!」の原稿が行方不明であるという衝撃の事実を、望月先生自らコメント欄で述べられた時、これは全て揃えよう、いや揃えなければいけないんだ!と何とも言えない使命感に燃えて集め始めてました。(苦笑)
ある時は神保町、またある時は大阪梅田の古本屋街など、知り合いの力も借りて探索を続け、ビッグあるところ、たとえ火の中水の中、ビッグ求めて三千里…、ちょっと大げさですね。(苦笑)。でも、本当にそんな感じで時間さえあれば探し回っていましたねぇ…。
あれよあれよと時間が過ぎハッと気がついたら、この約3年間で、1969年の「ビッグコミック」月2回発行開始号から「Oh!刑事パイ」最終回掲載号のビッグコミックを約200冊以上も集めていました。(苦笑)

そんな中でいくつか気付いたこともありました。
サブタイトルには雑誌掲載時には無かったものが単行本で付いていたり、変わったりしているケースが数多くあります。

たとえば「ごくろう3」の第3話までは連載時は作品タイトルのみで、小学館ビッグコミックスで発売された際に、それぞれサブタイトルがついたようです。

また、「うるとらSHE」では、雑誌では前後編で掲載された作品は、単行本時に合体した為サブタイトルが変更になっていたりします。

また「Oh!刑事パイ」では非常に珍しいケースですが、雑誌掲載時より単行本の方のページ数が増加しているというパターン。通常は雑誌掲載時のカットやページが単行本化に当たり変更もしくは削られるという事は、編集の都合上たまにありますが、増えるというのはあまりないのではないでしょうか?
左が「ビッグコミック」、右が「単行本」です。上下半分づつのカットが1ページ分増えてます。

次に「うるとらSHE」の第31話の5ページ目から最終話までが、単行本未収録で、その理由が原稿行方不明ということは前述しましたが、これがその未収録部分の扉絵です。
「ラブ素通り」の5ページ目からが単行本未収録部分です。そういえば「電話いそげ!」というキャッチコピーの広告見たことがありますねぇ~。こっちの方が何年も前ですが…。

2013年現在で全「211冊」中「210冊」を所有しています。残すはあと1冊!
この内「ビタミンI」と「ごくろう3」、「へい、お町!」、「Oh!刑事パイ」掲載号は全話所有しています。
なんとか全て揃えたいですね。
また今回は、ビッグコミックに連載されたシリーズの(ほぼ)完全作品リストを作ってみました。
詳しくは作品紹介のコーナーをご覧になってください。

ちなみにこんな感じで保管しています。上にチラッと見えているのは「ワイルド7」掲載の「少年キング」です。

最後に、現在未所有の以下の号を探しています。
このビッグコミックの情報をお持ちの方はご連絡ください。
お待ちしております。
1972年 9月10日号









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clearfile_01「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。

「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!

是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp

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望月先生のコメント
【望月三起也先生より】
長い人生、自分のことは自分が一番よく知っている・・・・・ と、思っていましたが、他人様(ひとさま)の方が本質を見抜くンですねぇ。
「頑固だ」と言われると、「信念を曲げないンだ」と言い返し、「アナログ人間」と言われれば、「機械にゃ頼らない!」と、未だスマホが使えないという結果。これだって現地取材にこだわるといういい面でもあると思っているんです。
コンピュータ画面から取り出せば机の上で済むものと言う人もいる。でも、そこから草の匂いがしますか?足元の土、踏みしめた感じ、味わえますか?
ストーリーは現地でその場に立つと膨らむのですよ。
だからこれまでも、たかが短編などと言わず京都へも行き、ヨーロッパへだって。
金に置き換えたら、ドイツ、レマゲン鉄橋の一本は大いなる赤字でしたが、ついでにブンデスリーガでドイツサッカーを観戦しましたから納得。というよりリーガ観戦の合間にレマゲンまで行ったと言う方が正しいでしょうが。

話は戻して、自分のことを編集のひとの方がよく知っていると思えたのは三回。そのうちの一回がビッグコミック(小学館)のシリーズを始めるときなんです。

私としては活劇漫画が得意、自信もありました。そんなところへビッグコミックからの依頼、いやァ嬉しかったですねぇ。憧れビッグ、ゴルゴ13のビッグですよ、それが編集が言った言葉に「えっ?」ですよ。
作品内容聞くと、『舞台は団地』『主人公は子持ちの女性』・・・・・ という「人情話をよろしく」と来た。
「ウソだろ?私ァ活劇ならいささか自信あるし、それを認めてくれたから依頼に来たんじゃないの?」 そんな内容、まったく考えたこともない、無理、活劇描かせて!
「活劇はゴルゴ13があるから結構、充分間に合ってます」と、編集さん。
しかしですよ、私としては広い舞台が得意なのに、狭く団地にするってのはねぇ。しかも女性なんてのは避けて通るくらい下手、描けない。そのうえ人情話?自分の欠点だけで勝負するってことでしょうが。
しかし編集さん、一歩も引かず「あなたは描ける!」と言い切るじゃありませんか、なんたる自信。
タマネギ、ピーマン嫌いな人間に「あんたは好きなんだ、絶対喰える」って言い切られたようなものですよ。

結局シブシブ引き受けたって訳ですが、いやァ、その後はご存知の通り。まさかそういう新しい分野が開けるとは思わなかったものねぇ。人の言うことは素直に聞くもんですねぇ。
その後『おんな』描かせたら一流なんて嬉しいこと言われるようのなったのも、ここがスタートですから。




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コメント/トラックバック

  • eddy-s :
    本日、残る最後の1冊(1972年 9月10日号)を無事GET!いたしました。
    いつか何らかの形で、皆さんにお見せしたいですね。

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