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望月先生にとって吉田竜夫さんがどういう存在であったか、というのは重要な研究テーマのひとつだと思っています。
望月先生には「自分は絵が下手だから、色々と努力した」という過去を振り返ったご発言がありますが、ここで絵の比較対象として念頭においているのは、吉田竜夫さんではないかと思っています。
吉田竜夫さんの絵って特にキャラクターが完璧過ぎるくらいだと思いますが、それに対抗するために望月先生はストーリーを重視し、ダイナミックな画面構成を考案したり、リアルなメカニック描写、ミリタリー描写とか、色々と工夫を重ねられたと推測しています。
だから、望月先生はとっても「努力の人」だと思うのです。
先日のイベントで「飛鳥次郎などに見られる瞳のハイライト(四角がふたつ)の由来」を尋ねる質問がありましたが、僕は「吉田竜夫さんのキャラクターの瞳との差別化」があったのではないかと思っています。
ワイルド7は「脱・JA」であると同時に「脱・吉田竜夫」が試みられた作品だと思います。「悪は処刑」「政治に曲げられる正義」といった少年誌ではあり得ない苛烈でリアルなストーリーなどです。
ただ最初期の頃は、絵の面では試行錯誤されてますよね。特に女性キャラクターは非常に苦労しながら描かれている印象があります。しかし70年代中盤以降、望月作品の魅力のひとつに「色っぽい女性キャラクター」があげられるようになり、完全にブレイクスルーしましたね。
女性キャラクターが巧くなったのは青年誌で経験を積まれたからだと推測されますが、苦手を克服して得意技にしてしまう努力は本当に素晴らしいと思います。
今回eddy-sさんがアップして下さったユキのカラー扉絵(下記URL)ですが、これは1971年の作品ですか。この絵を見ると、女性キャラクターへの苦手意識はすでになく、服飾の細かい部分とかポージング、服の脱げ方とか(笑)、楽しみながら描かれているように感じます。
ワイルド最初期の頃のイコの絵は吉田竜夫さんの影響が強く感じられますが、その後わずか2年でブレイクスルーし、影響を脱した感があります。そういう意味でも重要な一枚だと思います。
http://wild7.jp/bbs2/file/%94%9A%94j105%94%E0%8AG.jpg
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