|
昔から何度も読んでるのに、アレ?と思ったりするシーンがあったりしませんか?
僕が最近「アレ?」と思ったことを書いてみます。
1)「野性の七人」冒頭の金塊強盗犯とのバトルシーンで、強盗犯は一発も発砲していない。
自分のイメージでは東本昌平版トリビュートみたいな「激戦」でしたが、実際はほぼ一方的にワイルドによって殲滅されていますね。
これは意外でした。ふてぶてしさ、アウトローっぽさが強調されていると感じました。
(東本版にはこれがない。「強さ」「コンビネーション」のみ)。
2)「俺の新選組」に「尊王攘夷」という言葉が出て来ない。
すべてを完全に読み返してはいないのですが、出て来ないんじゃないですかね?
史実の新選組の、少なくとも初期の行動目的は「尊王攘夷」だったはずですが、そうした政治思想面をスッパリ切り捨てているところがステキだと思います。
「俺の」新選組にしているんだな〜と思いました。
3)秘熊玄一郎の内面がまったく描かれていない。
ラスボスなのですが、非常に抽象的に描かれていますよね。
秘熊個人のプロフィールや内面が分らない。
これは怖いです。
「ラスボス(本当の敵)は個人としての悪ではない」みたいな感じで、「魔像の十字路」のテーマを強調する効果があると思います。
4)「魔像の十字路」のラストは、結局何も起きない。
ワイルドは秘熊にまみえることすらできないし、スゴイ迫力で描かれてきたクーデター計画は何ひとつ実行されないうちにストーリーは終わってしまいます。
これ、すごいですよね。この終わり方がとてもリアルに感じられるのです。
水木しげるの「悪魔くん」(貸本版)も、予定されていた大戦争がまったく起こらずに、主人公があっけなく撃たれて終わります。
打ち切り作品に多い展開ですが、こういう終わり方は、後に引くんですよね〜。
今では、ワイルド7のラストは「あれしかない!」と思っています。
当時は「ええ〜っ!?」でしたけど(笑)。
|
|