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作品紹介

第88回

熱砂の帝王

執筆者:   2026 年 2 月 8 日

生原稿バージョンの発売が迫るアメリカを舞台に飛葉単独ミッションで挑むバイク族との死闘。
曲者揃いの用心棒たちも魅力です。

1975年当時……

前作「運命の七星」が終わり、次回はどんな活躍をしてくれるのか楽しみにして、新連載開始号の少年キングを書店で手にしたら「熱砂の帝王」というサブタイトルが眼に入ってきました。
ページをめくると西部の町のような風景。
今回はアメリカが舞台なのだと思いました。

奇しくも連載直後には1976年7月4日はアメリカ建国200周年記念日が控えていた頃。
それに合わせたかのようにアメリカを舞台にした新章の「熱砂の帝王」がスタートしたのでした!

 今回のあらすじは、アメリカ人と結婚してしまった飛葉ちゃんの母親(「灰のとりで」で登場済!)を、兄貴(日出丸:やはり「灰のとりで」に登場済!)に頼まれ日本に連れ戻すべく遠路はるばるアメリカくんだりまでやって来た飛葉ちゃん。
途中でバイク族との争いをしている町にたどり着き、いつものようにやっかい事に巻き込まれてしまう。
果たして母親を見つけて無事日本に連れ戻す事が出来るのか?
そしてワイルド7としての本当の目的、指名手配中のゲリラカイザーこと秋戸十次郎を退治する事は出来るのか?

……と、ここである疑問が。
どうして今回の舞台はアメリカなのか?
アメリカは治外法権でいくら飛葉ちゃんが警視正でも簡単に手が出せないはず?
アメリカの悪党は『ダーティハリー』や『ブリット』に任せとけばいいのでは?
もしかして丁度アメリカ建国200年だったので、望月先生はそれに併せて舞台をアメリカにされたのではないか?
そう最初は思いましたが、改めて読み読み返しているうちに、これはもしかして望月先生の連載デビュー作である『ムサシ』のような役周りを飛葉ちゃんにやらせたら、話が面白くなる……と、閃めかれたのかな?と感じました。
※『ムサシ』についてはリンク先をご覧下さい。

さて、今回の登場人物は
都会から来たやくざの
キーファー3人組
元スタントマン
ハリー・ケイン
カンセン兄弟用心棒
レーザー
町を牛耳る将軍(ゼネラル)
の配下で、腕の立つ
二人組の女兵士
町娘のローラ
バイク族側は、リーダー、副リーダー、バイク族約900人


今回のウェポンは、今回飛葉ちゃんが、ウッズマンの代わりに町の若者ジェフから奪って最後まで使用したリボルバー拳銃ですが、当時から少し変わった形の銃だなとは思っていましたが、実はこれビリー・ザ・キッドが愛用していたコルトM1877 サンダラーだそうです。
西部開拓時代の無法者達が愛用した銃を登場させるとは流石望月先生、ウッズマンばりに大活躍していました。

次にバイク族を攻撃する為に将軍の家から持ち出したオードナンス QF 25ポンド砲
第二次世界大戦中に主力野戦砲として活躍し、かのエル・アラメインの戦いでもドイツ戦車隊を撃退するのに使用され、映画『遠すぎた橋』にも登場していました。
タミヤ1/35MMシリーズで発売されていたクォードガントラクターで牽引して運搬しているのが有名ですね。

町の住人たちがバリケードで使用していたライフルはウインチェスターM73レミントンショットガンM97
MGCからモデルガンが発売されていたので、私も所有していました。
余談ですが、M97は当初買うつもりはなく飛葉ちゃんが愛用のM31ライアットショットガンを買う為に、どんこ(各駅停車)の列車に乗って遠路はるばるわざわざMGC広島店まで行ったのに、売り切れで買う事が出来ず、手ぶらで帰るわけにもいかず、仕方なくM97を購入しました…。
当時はあまり好きになれませんでしたが、その後いろいろな映画に登場している事を最近知り、急に好きになりました。
例えばショーン・コネリー&キャンディス・バーゲンが主演の『風とライオン』で、劇中バーゲンが手にしているのがM97でした!
おっと!話がだいぶ逸れたので本題に戻ります!

ウェポンでは有りませんが、用心棒の募集でやって来たハリウッドのスタントマン崩れのハリー・ケインが乗って来た月賦で買ったばかりの車アメリカンモーターズ(以下AMC)のペイサー(pacer)
1975年当時に公開された映画『007/黄金銃を持つ男』のAMCホーネットハッチバックよろしく360度回転して藁人形を切り刻むシーンがありますが、多分全く同じの車でさせると映画のパクリと言われてしまうので、同じAMC製のペイサーに変えてさせたのではないかな?と推察します。

因みにピクサー映画『カーズ2』にも登場していましたね。
ネズミのような顔立ちで小回りが利きそうです。

今回は飛葉ちゃんがバイクに乗って活躍するシーンが最初にちょっとあるだけで、中盤以降は、馬に乗るか、ベッドで寝てるか…(笑)、正に西部劇のヒーローのような活躍の仕方でした。

そうそう、一番大事な事を忘れていました!!
1975年10月6日41号で『ワイルド7』は、連載300回を迎えました。



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望月先生のコメント
日本を離れた飛葉ちゃんの活躍というシチュエーションがいつものワイルドの世界とは違った醍醐味のある一遍。
物凄い数のバイク族集団が一気に襲い掛かってくるクライマックスは、何度読み返しても迫力がありますね。
eddy-sさん、いつも詳しい解説をありがとうございます。

(事務局/yazy)

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