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作品紹介

第38回

Oh!刑事パイ

執筆者:   2011 年 12 月 11 日

天真爛漫でセクシーなスタイルの持ち主の新人刑事と、その仲間が巻き起こす異色の「警察コメディ」。お馴染みのキャラも多数登場する人気のシリーズです。

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お色気いっぱい振りまいて、難事件・珍事件に立ち向かう!ズッコケ騒動なんのその、ピンチにめげず女の腕が冴えわたる!警察の内情を面白おかしく描いたナンセンス人情ポリスアクション漫画、ビッグコミックコメディーシリーズ第5弾!!それが「Oh!刑事パイ」です。

これまでも警察を舞台に描いた「Oh!刑事パイ」の原型とも言える漫画が、過去にありました。同じ小学館のビッグコミックオリジナルに単発で掲載された「三丁目のサラダ」という作品。

こちらも主人公は女性で、偶然でしょうが、「三丁目警察署」という同じ名前の警察署が舞台でした…。

一見全然関係ないと思われていた事件が伏線となり最後には事件を無事解決させる絶妙なストーリー展開は、望月先生お得意のアイデアですね。


【メインキャラクター】

さて、今回の登場人物の紹介ですが、主人公の「盃珠(さかずきたま)」は、正義感はあるが、どこか思考回路がちょっと普通の人と違っていて、いつもドジばかりするので、出世欲しか頭にない「署長」に殺したいほど憎まれっぱなし…。それにもめげずに捜査に全力で取り込む三丁目警察署の新米刑事!それが、「刑事(デカ)パイ」!!トレードマークはアフロヘアーにサングラス、バストはDcupかFcupはあろうかというグラマー美人!!スタイルも抜群、潜入捜査もお手のもの。でも、本当は強気をくじき弱気を助ける正義の味方、時にはほろりとする望月漫画お得意の人情シーンも。もちろんセクシーシーンも毎回満載です!!

三丁目警察捜査一課課長

顔が、「へい、お町!」に登場した「狸奴」に瓜二つですね!!似ているのは顔だけじゃなくて、趣味がサッカーというところまで一緒。
当然、サッカーネタが随所に登場します。犯人を取り調べ中でもサッカーの事が気になってしょうがない性分。 生で試合見たさに、とうとう勤務中に競技場まで駆けつけてしまう時も…(苦笑)

三丁目警察捜査一課係長 甘口警部

所内一の堅物。口うるさいのは顔が、「ワイルド7」最終章「魔像の十字路」に登場した「扇秘書官」に顔が瓜二つで、性格までそっくりでどうゆう展開になるか期待していたのですが、途中から出番がなくなったのは、ちょっと残念です。

三丁目捜査一課署員たち

個性あふれる愛すべき男たち。刑事たちに当時の三菱重工サッカーチームの選手の名前が多く混ざっていたようです。

三丁目警察署長

デカパイを殺したいほど憎んでいる、出世欲しか目がない典型的な官憲の代表的なキャラクター。この署長を黙らせる殺し文句は「出世に響きますよぉ~」(爆)
この署長ですが、連載当時他の望月作品にも登場してます。「ワイルド7」魔像の十字路の終盤に、本牧署の署長として登場。しかも草波隊長と警視庁の入庁同期という設定でした。

その後「新・ワイルド7」では、今度は「飛葉」の上司の署長として登場!!途中からは、飛葉を暗殺しようとまでする始末。まるで映画「ピンクパンサー」シリーズで部下の「クルーゾー警部」をいつも殺そうとする「ドレフィス主任警部」のような、出世欲しかない憎たらしい上司の役で、ストーリーを盛り上げてました。

新米刑事 松橋登巡査

刑事はどんな服装でもいいという事で、長年なじみの応援団の学ランで登場!!でかい体に似合わず結構繊細な性格が可愛いかったです。終盤、アフリカで村の娘たちに拉致?されてそのまま一人残ってしまった模様?!

【ゲストキャラクター】
ハイジャック犯

三丁目管轄内で、クリスマスイブの日に、よりによってとんでもないものをハイジャックして、日本中の注目を浴びちゃいます。例によって刑事パイが人質になるのですが、段々いつの間にやらドタバタに…。


東北署三上署長

キザでダンディな東北署署長。バイオリンが趣味。三丁目署長とピアノの演奏で
かなり低レベルな争いを二週にわたり繰り広げます?!

警察本部長

検挙率の成績が悪い三丁目署の現場を視察する為に来るたびに、とばっちりを受けているかわいそうな方です…。
警察会議の場所設定をデカパイに任せたばかりに、とんでもない目に…。ご冥福をお祈りいたします…?!


検事局職員

顔がどう見ても「ワイルド7」の「草波」ですね。「ワイルド7」連載終了直前のコラボでした。一緒にいる職員は、どうやら「土山しげる」先生がモデルのようですね。


アフリカのナンデア国の警察署長

一見発展途上国の時代錯誤の野蛮な警察を装っていたが、実際は最新の設備を
完備した自宅に住んでいた。
交換研修で日本にやってきて、母国の内紛でそのまま日本に永住?


【メカニック等】

前衛的芸術ペイントを施した三丁目署パトカー

これを見たら犯罪者も怖くなって逃げ出し、少しは犯罪が減るかも?(苦笑)
そういえば、1978年の「ビッグコミック増刊」で、「暁の狂走」という、交通課と暴走族の戦いを描いた
作品があったのをこれを見て思い出しました。

キャノンA1一眼レフカメラ

「Oh!刑事パイ」連載中の1978年に発売されたマニュアル
フォーカス一眼レフカメラです。
私も1980年に購入しました。今も押し入れで眠っています。
あはは。
本作品では、1979年4月から初登場してしばらくカメラネタで物語が続きます。望月先生もしくはお弟子さんのどなたかが当時お持ちだったのでしょう。
この「A1」は発売当時としては画期的な機能を搭載してました。ピントだけ自分で合わせれば、後はAE機能で自動調整してくれるというすぐれもので、さらにモータードライブを装填すれば最高5コマ/秒の連写も可能でした。ちなみに以前の「望月マニ也」の「ワイルド7ゆかりの地を訪ねて」で使用した1980年の「氷川丸」の写真はその「A1」で撮影したものです。

「ビタミンI」からスタートした望月三起也爆笑コメディシリーズは、この「Oh!刑事パイ」で一旦終止符を打った形になっています。
出来ることなら、また腹を抱えて笑えるコメディ漫画を描いてもらいたいものです。

データ
小学館「ビッグコミック」連載1977年9/25号~1979年12/25号

単行本
朝日ソノラマ サンコミックス



★追記★
現在「Oh!刑事パイ」は電子書籍・eBookJapanで購読する事が出来ます!
http://www.ebookjapan.jp/ebj/title/6427.html

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是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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望月先生のコメント

名編集者に出会うことがどれほど幸せか、そう思わせるのがこのシリーズです。
「ビタミンI」から続く一連のお色気ギャグ路線、私にこういうもの描けると思っていなかったね。そもそも女性を描くのは苦手で、出来るだけ女性の出て来ないストーリー考えて描いていたしね。

ワイルド7初期の頃のイコなんて、いま見ると恥ずかしい、酷いもんだと思います。 が、ビッグコミックの担当編集さん、凄いね、偉いね、「ギャグと女、絶対描ける」と言い切ったのですよ。
本当はビッグコミックで得意の活劇物をシリアスにやりたかったのですがね、担当編集さんにそのことを話すと、「今はゴルゴ13があるからその内ね」と、取り合ってもらえず、とうとう“その内”は来ませんでした。
ってのが楽屋内のハナシ。

描いていて楽しいってのは、このシリーズが一番だったと思います。
次々と「こうやりたい」「これまたどうだ」と次々にアイデア、頭に浮かんでくるんですね。ノリなんでしょうか。
更には女性を描かせたら一品と評価され、これまたノセられ、色っぽいシチュエーション考え、裸にならずセクシーにって、絵を楽しんでました。

いま読み返すとまるで他人の作品見てるよう。
ストーリーを忘れてますから一読者としてウケてるわけで、笑っちゃうね。よくまァここまでバカバカしいことを考えるねと。
更に言えば、趣味のサッカーバカをそのまんま作品中に入れまくる図々しさ、若いって怖いもの知らず、そこがウケたんだと思いますけど。




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