
第18回港のライオン
執筆者:事務局ハマの友情に日本人も外人もない
国が変わっても友情に変わりはないチャン
事務局がオススメする「ひとこと作品紹介」のコーナー
今回は全編を勢いで突っ走る、望月ワールドを純粋に楽しめる痛快アクション『港のライオン』
【あらすじ】
米軍基地内を自由に出入りし、警察を尻目に今まさに仲間の少女に制裁を加えようとしている不良グループ。いたぶられている少女の名前は浅乃。
彼女は二歳の息子を抱えながら暮らし、父親である昔の恋人(雷音寺:通称ライオン)が三年ぶりに帰国したと聞いてグループを抜けようとしていた。
間一髪のところで団長の腹心キツネが、足を洗う条件としてある仕事を持ち掛けてくる。
それは弾薬補給の列車の爆破。
友好的な関係の米軍に対するテロ行為を不審に思うものの、それがキツネが仕組んだ罠だとは気付かない浅乃だった。
場面は変わり、中華街の店でグループの面々と顔を合わせるライオン。この三年で街の勢力図も両者の関係もすっかり変わってしまい、団長は国会議員である父親の威光を笠にグループを拡大し傍若無人に振舞っていた。
東大出身のキツネは家庭教師として団長に意見できる立場でグループ内にその地位を築いている。
対するライオンの方は都落ちしたと悪態をつく者さえいたが、実はヨーロッパで活躍する有名なサッカー選手となり、フリーとなった現在は高額の契約金で引き入れたいと躍起になる各チームのスカウトたちから追いかけられる日々を送っていた。

これが団長の反感を買い、左手に大やけどを負うハメに。
この街はもう自分を必要としていない……帰ってきたのは間違いだったのかと後悔するライオン。
その後、昔の仲間眠眠から得た情報により浅乃が巻き込まれたキツネの悪だくみを知り再び闘志に火が付き、銃を手に敵が待ち受ける中に乗り込む決意をする!!
……とはいえ、銃を揃えるにも先立つ物は金。
果たしてこの勝負の行方は!?
| 【掲載誌】 1983年「週刊少年マガジン」(講談社)11月30日(50)号 【単行本】 1984年「愛ダンサー」(交通タイムス社)2巻 1988年「新ワイルド7」(徳間書店)9巻 ★それぞれ電子書籍版にも収録されています |
【作品解説】
ノリにノッて繰り広げられる本作は、35ページを一気に駆け抜けるテンポの良さが最大の魅力。横浜(ハマ)、不良、サッカー、改造バイクに銃撃戦と、お馴染みのワードやアイテムが随所に散りばめられていて、どこを切ってもどのページも望月マンガそのもの。
小難しい時代背景や状況説明がいらないので解説のナレーションも無く、軽妙な不良たちの会話と、斜めにズバッと割られ不規則なコマであったり枠に収まらずコマからはみ出すキャラといった大胆な描写でスピーディに展開していく。

不良ながら悪事を許さず人情深い真っすぐな性格が、スターになっても昔と変わらない主人公:ライオン兄貴分思いで大事なことはハッキリと言えるライオンの弟分:眠眠
裏家業が板についている山手の武器商:ハンス
幼稚な言葉遣いにお飾りっぷりが表れている権力者の息子:団長
他人を犠牲にして成り上がろうとするズル賢い卑劣漢:キツネ
そういった各々の性格が、ちゃんと会話の中から感じ取ることができる。
それは脇を固めるキャラクターも同様で冷たい態度が一転、スターだと知ったとたん手の平を返す:眠眠の伯父さん
弱みに付け込み契約を結ばせる:スカウトの男
彼らは不良たちほど暴力的ではないものの、それ以上にいかにも大人らしい汚さがにじみ出る形で描かれている。
そんな中で、幼い子供を育てながら必死で生きてきた元スケバン:浅乃が抱えていた秘密も明かされることになる。
真実を知ったとき、ライオンの心は……?
敵対する団長率いるグループの名称が不明であったり、ライオンと浅乃の関係が詳しく描かれていないなど、ページに入りきらず端折った部分も非常に多いが、突き進む圧倒的な勢いによって問答無用でストーリーに引き込まれてしまい、少々のことなど気にならなくなってしまう。反面、敵の襲撃に遭いベレッタM93Rに折り畳み式ストックを取り付け、フォアグリップとともに広げてフルオートで交戦する一連の手順は、取扱説明書よりも分かりやすいのではないかと思えるほど詳しく描かれている。
撃たれて「ビキビキ」と引きちぎれる体で、フルオートの凄まじい威力も表現されている。
喋り口調で多少の細かいコトはすっ飛ばし、見せたい(描きたい)ところはジックリ描いて読者の心を掴む。
その連続によるリズムの良さで、この作品はまるでメロディを奏でるかのようになめらかに進行していく。
サビの部分はピンチに駆けつけた仲間たちのこのセリフ!

ノリのいい曲を聴くような興奮と爽快感があります。
(yazy 記)
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2025 年 8 月 5 日 固定リンク | トラックバック(0)

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