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望月マニ也

第76回

ワイルド72時間/3日で北海道日本最北端ツーリング

執筆者:   2014 年 8 月 7 日

ワイルドの装備で、あの漢が北の大地に向けて疾走する!昨年夏に往復わずか3日の強行軍の中で、日本最北端を目指して敢行したマニ也の軌跡がここに明かされます。

2013年8月13日~15日

毎年恒例、夏休みの北の大地ツーリング。

家庭の事情で例年のように丸一週間とか家を空けられなくなってしまったので、今回はハマの街から北海道、いや日本の本土最北端に位置する宗谷岬までの往復を3日間、72時間と時間を限定してのWILDなツーリングを敢行!

13日0000時、「本事案は我々に権限が移譲された、これより作戦を遂行する!」!
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ゲリラ豪雨の降りしきるハマの街。

毎度のことなのだが、胸弾むワクワク高揚感で仕事終わりの夕方から寝るも結局一睡も出来ずに蒸し熱い中、WILD装備に身を包み、更にカッパを着て出撃!

ベイブリッジから湾岸線、首都高速から常磐道でまずは青森県の八戸港を目指す。
北海道へは本州から、九州や四国と違い、橋で道路がつながっていないので、カーフェリーに乗らないと行けないのである。
M002 そしてここで今回のミッション、最初からクライマックス!
200Km過ぎ地点で給油予定だった中郷SAのガソリンスタンドが夜間閉鎖!?

仕方なく次の安達太良高原SAのスタンドを目指すが・・・ 
0330時、真夜中の高速道路上、SA約10km手前で人生初のガス欠STOP!

北の大地で夜間走行中にガソリンスタンドが開いていなかった時に備えて、数日前に購入したばかりのガソリン携行ボトルに1.5リットルのガソリンがある! ガソリンの一滴は血の一滴、何とか事なきを得る。

NEXCO東日本、夜中でも50kmごとにきちんとガソリンスタンド開けておいて欲しいところだが、放射能汚染の影響で夜間は通行量も少ないだろうから仕方ないといったところか。

1030時、八戸港に到着。
30cmはあった、大きなほっけ定食を退治!してからフェリーに乗船!
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上陸まで寝台ベットで熟睡するつもりだったのだが、ここでもまた高揚感と、となりのベットのへボピー級のイビキにより、結局1時間くらいしか熟睡出来なかった。



そのおかげで津軽海峡に沈む太陽と夕焼けを拝むことが出来たのだが・・・
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2040時、苫小牧港に上陸、ワイルドのモトジメとラスカル、北の大地へリターンズ!
今回は16年前、某バイク誌のレポートのにぎやかしに連れて行ったラスカルも同行。
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M008 いつものように苫小牧港出てすぐのコスモ石油でバイクと心も満タンにして、少し肌寒かったのでメッシュジャケットの下にウインドストッパーを着込み岩見沢方向へ発進!

そして岩見沢から滝川、旭川へと日本一の直線道路が続く夜中の国道12号を北上。

「涼しい!いや、肌寒い!?」真夏に凍えるこの至福感♪
首都圏では30度以上の熱帯夜が続いているというのにこちらの路面温度15度!旭川手前で防寒の為にカッパを着込む。

旭川市内で給油後の0150時、予定通り士別の24時間営業のガソリンスタンドで給油。
これで宗谷岬まで給油せずに到達可能!
今年は満天の星空と天の川、そして天空を切り裂く流星群の下、真っ暗な道を疾走るつもりだったのだが、空がガスっていて残念ながらダメであった。

そして美深から音威子府経由で浜頓別を目指すが、中頓別で睡魔に襲われ道路脇の無料パーキングの端のアスファルトの上で1時間ほど直に横になりワイルドに熟睡。

ここ24時間で、1時間くらいしか眠っていなかったからなぁ・・・

0450時、短い時間で熟睡しての覚醒後、空が明るくなる頃にはクッチャロ湖畔のキャンプ場に到着。
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M010 毎年テントを張る場所で記念撮影して、白鳥の湖のBGMの流れるトイレで用を足す至福の時間のトイレ休憩。
しかし、なぜかクッチャロ湖で一夜を明かしたような錯覚が・・・!?

オホーツク海の海岸線を北上する途中「猿払エサヌカ線」を今年初めて走破し、月刊望月三起也のヘッダー画像用にとワイルド7リターンズロケを敢行!



35mmキャノンの調子が悪く、全てピンボケ気味になってしまったのが残念無念。

0730時、今回の旅の最終目的地の日本最北端にある宗谷岬へ2年ぶりの到達!
ラスカルにいたっては1997年8月10日以来、16年ぶりの日本最北端へ到達である。
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最北の地に住み、ガソリンスタンドを営む友と15分程歓談し、帰路につく。
また数年後、生き残れたらここに来る・・・

M013 宗谷岬を後にして0900時、ノシャップ岬の行き着けの店でいつもの生うに三色丼(生うに丼に、いくら・かに・ほたて)を退治! 今年の生ウ二はいつもよりかなり鮮度よく、サイコー!の美味しさでした♪

そしてノシャップ岬の道路脇の「無事カエル」に見送られ、オロロンラインを南下。
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当初、羽幌、留萌の海側ルートで南下予定だったが、日本海側からの横風が強かったので走行困難と判断し、来た時と同じ内陸の音威子府、名寄ルートに予定変更。

途中から本格的な雨降りになり、時間も押し始めていたので士別から掟破りの道央自動車道を使い岩見沢までイッキにワープ!

1915時出航の船で1400時にまだ旭川手前の知る人ぞ知るピップエレキバンのCMでお馴染みの比布近郊にいたので、どれだけ時間が押していたのか北海道好きツーリングライダーの皆さんはわかると思います。

1700時過ぎ、バイク乗船開始前に何とか東苫小牧港に無事到着。
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万感の思いと思い出を乗せフェリー出航・・・

結局、道内には24時間近くしか滞在していなかったのだが、何か3~4日いたような妙な感覚というか、うれしい錯覚が・・・???

船内でサッポロクラッシック片手に「贅沢」な晩餐を済ませ、朝まで8時間目を覚ますことなく完璧に熟睡。
翌日はフェリーの中で夕方まで、のんびりゆったりまったりと元締的に豪華客船の旅を満喫♪
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日本海海上で退治する海鮮丼、これぞ真の日本海海鮮!
1540時、新潟港上陸。

飛ばせば東京まで3時間程の距離ではあるが、その時刻はちょうど関越道の都心近郊の渋滞が激しい時間。

途中、「へぎそば」退治!したり、信濃川を眺めたり何だかんだ各所のSAで休憩する度に30分以上ノンビリしていたら、予想通り渋滞には一度も遭遇せずに首都圏へ突入!
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M021そして2222時、総走行距離2007.1km70時間20分かけての宗谷岬への往復、ハマの街へ己自身、バイク、免許証、無事帰還のミッション、任務完了!

青い空、白い雲、緑の大地、真っ直ぐな道、太平洋、オホーツク海、日本海の三つの海、そして美味しいモノ退治!

短いながらも充実のWILDな時間であった。

ところで帰還後、雨が強くなって来たので北海道の道の駅 音威子府でバッグの中に入れておいたハズのラスカルがいなくなっていることに気付く。

ラスカル、北の大地で達者で暮らせよ・・・(泣)

17回目の北の大地WILDツーリング 完。

今回の走行ルート&ヘッダー撮影用スーパーウッズマン

今回の走行ルート&ヘッダー撮影用スーパーウッズマン




追伸:今年の初め、命に係わるということでWILDに胸を切り開いて心臓にメスを入れましたが、現在では1200ccのマシンで全国どこへでも疾走って行けるくらいに回復しています!

俺もWILD、ただじゃ死なねぇ!




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望月先生のコメント
【望月三起也先生より】
『Tough(タフ)』という字を日本語にすると『元締』と出てくる字引があるかもね。
いや、なんとも読み進み楽しませてもらって、一緒に行ったような気になってしまった。素晴らしい!!
ただし間違っても私にはムリ、無理。なんともハード。クルマだって眼は霞む、尻は痛いと三時間で文句言い出す私からしたら、いきなり三日間北海道へ行って来まァ~す。なんて、気楽な行動力は羨ましい。
しかも大手術したのがわずか半年前とは、ほとんどスーパーマンも裸足で逃げ出しそうってくらいなタフの見本だね、実に羨ましい。やってみたいよねぇ。
また肉体的だけじゃなく精神的にもタフ!ガス欠トラブルやガス・スタンドが閉まってたりなど、予想できないアクシデントにケロッとして対応してるとこ、まァ 飛葉も真っ青。こんなひと、現実にいるんだねぇ。多分元締さんって弾丸の二、三発喰らっても大笑いしてる、そんなキャラクターなんだろうね。
真似できないだけに、羨ましい!

しかも私の“食道楽”、刺激してくれる。行く先々の食レポ、これも上手く書かれていてヨダレ落ちそう。一度は私もそういう旅してみたい!
無理だけどね・・・・・

それに目的がただ三日の旅と最北へ行って来るってことだけ。バカバカしいと思うひとが何パーセントか、存在すると思うけど、私は100パーセント判る。なにしろ28歳って若いころ、ヨーロッパの一番北の端まで行ってみたい、ただそれだけが目的でたった一人、ノルウェーはベンゲンという町まで汽車、バス乗り継ぎ、言葉も通じないのに何とか地元の方の親切のバトンタッチ味わって行った、あの時の海岸線から黒い海、真白な波を見たあの感動、思わずポロッと頬を伝うものがありましたねぇ。
くだらねぇ! と、思うひともいるでしょうが、価値ってそのひとにしか理解できないンですよ。
時間と金を使ってバカだねぇ、同じ金使うならパリでエッフェル塔、昇る方がいいってひともいるでしょう。それでいいんです。百人百様。
ただ元締さんの三日で最北まで行って帰る・・・・・ それだけ。
そこがいいのです。

ラスカル、悲しいねぇ。



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