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望月マニ也

第3回

飛葉ちゃんのCBが出来るまで

執筆者:   2008 年 9 月 1 日

緻密でハイクオリティなワイルド7のバイクイラストを制作しているランシオさん。その制作工程を初公開!

クルマやバイクが好きである。 ヒーロー物が好きである。
一人の主人公ではなく数人のキャラクターが一つの目的を持って活躍する。
そして、それぞれ違った個性を持ち、その個性に合った武器を持ち、個性に
合った乗り物に乗る。小さな頃からそういう要素に魅力を感じていた。
私にとってそんな集大成、それが「ワイルド7」だった。

幼少の頃、実写版の「ワイルド7」、アオシマ教材社から出ていた「ワイルド7」
のプラモデルに夢中なり、年を重ね原作の「ワイルド7」に出会い、男心を
くすぐる要素満載の内容に益々惹かれた。
いくつかの時が流れパソコンでイラストを描く作業をする機会に出会う。
そんな時期、ケーブルテレビで放送されていた実写版「ワイルド7」をとても懐かしく観ていた。
そして、改めて原作の「ワイルド7」を読み返す。私の中で魅力を一番感じたのが7人が乗るバイクである。
バイクのイラストも描いていた私は、無性に7人が乗るバイクをイラストにしてみたかった。
・・・と、ワイルド7のバイクのイラストを描くに至る簡単な経緯です。細かな経緯は、私のサイトをご覧ください。

さて今回は、自分のサイトでも紹介していない「どんな工程でイラストになるのか?」を今回特別に
このコーナーで紹介したいと思います。(笑)
今回の素材は、もちろん飛葉ちゃんのHONDA・CB750Four。

最初の作業として左向きのCBの画像を手に入れる事です。
イラストレーターがイラストにする一つの手段として、画像をトレースするという作業があります。
ただトレースするだけでは、実際イラストが完成した時に妙にバランスが悪かったり、フォルムが歪んでたりします。今回私の作業は設計図風、解説図風に描くので真横のアングルになります。
しかし、写真というものは、いくら真横から撮ったとしても距離感や微妙な遠近感があるので、イラストを完成させるにあたってバランスをとっていかなくてはなりません。
この事を頭に置きながら作業を進めていきます。
また、今回は解説図ということで、輪郭線は均一の幅で描いていきます。漫画のようなペンの筆圧で輪郭線の太さが変わるような描き方やグラデーション、明暗をつけるという作業はやりません。そうなってくると雰囲気が違うものになってしまいます。下の左のホンダCB750Fourと右のスズキ・カタナの雰囲気の違いがわかりますでしょうか?



アドビのイラストレーターを使って描きます。
単純にただトレースしていく作業だとシンドイですし、バランスも悪くなるので、図形を並べたり合体させたり、
削ったり変形させたり・・・と、パズルを組み立てる要領で描いていくと作業的にも楽しくなります。
まずレイヤー1に元となるCB750の真横の写真を貼り付けます。
そして、その上にレイヤーを作りバイクの基本であるフレームから描いていきます。写真をトレースし、
線のみを描きます。



上の写真左では、レイヤーがいきなり沢山ありますけど、最初からパーツごとに作っておくのも良いですが、
パーツを増やすごとにレイヤーを作る方がやりやすいと思います。頭の中でパーツ分けし、パーツごとに
作業を進めレイヤーを増やしていくのです。フォトショップだとレイヤーを増やしていくとかなり容量が多くなり
ますが、イラストレーターの場合大して容量は増えませんので、後で作業しやすいようにどんどんレイヤーは
増やしましょう。
話は逸れましたが、
トレースした線を写真のフレームの大きさに合わせてそれぞれ線の太さを変えていきます。
そして、下の図のように「太さを変える」→「パスをアウトライン化する」→「合成する」の順番で作業します。



最後に付属するパーツをトレースしてくっつけていきます。ネジ等は丸と六角形の図形がそのまま使えるので、1個ネジを作ってしまえば、後はコピー&ペーストでネジがある位置に配置していきます。

さて、フレームが完成したら、フレームに様々なパーツを載っけていきます。順番は好きな順で描いていけば
良いと思います。この時パーツの重なり具合、レイヤーの順番に気をつけてください。
ここでは、まず図形を並べても描けないパーツをトレースする作業から始めます。下の図のようにトレースしていきます。



この中で、チェーンの描き込みが大変そうですが、冒頭で言ったように図形を並べて下図のように描きます。



円二つと四角一つを並べ合成して小円を二つ加え、それをグループ化してチェーンをコピー&ペーストを
繰り返して並べていきます。
ディスクの部分は円の組み合わせなので簡単です。ディスクのチェーンに噛み合う部分実際は見えていない
ので今回は省きます。
さあ、ここから主要なパーツであるエンジン等に移りますが、これからはパズルを組み立てるように図形の組み合わせで描いていきます。イラストレーターの機能の中に「パスファインダ」というのがあり、これは図形を合成したりカットしたり重なり合う部分を合成したり等々便利な機能です。この機能を使いながら円や四角や角丸四角形、楕円や多角形を組み合わせながら下図のように描いていきます。



マフラーはフレームを描く際に使った線をアウトライン化する要領と図形の組み合わせで描いていきます。
そして、一番大変そうなタイヤのスポークの部分ですが、線をアウトライン化して作ったスポークを一つのパターンでまとめます。それをコピーする数と角度を出して円状にコピー&ペーストしていきます。



線のアウトライン化、図形の組み合わせ、トレースを使い分けながら作業を進めていき実車の部分を
完成させます。
チューブやパイプ類は線のアウトライン化を使えば簡単に出来上がります。
残るは、実存しないパーツとエンブレム類です。架空のパーツは自分で浮かんだアイデアをスケッチし、
それをトレースして描きます。原作の雰囲気に合うよう最終的に大きさや形のバランスをとっていきます。



エンブレム類ですが、実物の画像をトレースして仕上げていきます。それぞれ出来上がったら規定の位置に置いていきます。そして、プレスラインや継ぎ目の線を入れて雰囲気を出します。ここまでくれば99%完成です!



色付けは、作業の度にしてください。残り1%は、全体的な形と色のバランスを整えていきます。この作業は感覚的なものなので、文章では説明し難いですが、自分が「良し」とすればOKです。(笑)

という事で、非常に簡単に説明してきましたが、イラストレーターを触った事のある方には少しでも理解していただけたでしょうか?細かく説明すると、かなり、かなり長くなるので大まかな流れを書きましたが、少しでもお役に立てたら幸いです。
実際私が仕上げるのにかかった時間は、5日間の日程の中で、1日約3~4時間程度費やし18時間くらいでしょうか。
レイヤーの数は、ワイルド7のメンバーの中では一番少なく15のレイヤーで構成されています。



最後にどれだけの線を引っ張ったか、アウトラインの画像を添付いたします。

■ランシオさんのHP 「HobbyRoadCafe」


望月先生のコメント

私、アナログ人間もいいとこ。
メール打つのに、とてつもなく時間がかかる。指が速く動かない、というより、考えすぎなんでしょうか。
原稿用紙に向かうとスラスラ出るのにネ。相手が機械だと、たとえケータイでも苦手意識が先に立つ。決して指が動かないわけじゃなく、ピアノを一曲だけですけどマスターしたし、古くはウクレレなんてものも弾けるんだけどね。当然、ゲーム機も縁がない。はじくだけのパチンコすら、やりません。機械は、手描きなら4号戦車でもバイクでも、走らせられるんですけどね。

だから、機械使ってバイクの図を起こしたり、デザイン画を計算して描いてくれたランシオさん(執筆者)は、天才だと思う。そういう天才が、私のホームページのデザインまでやってくれてるのは、まことに有難いし、うれしいね。
飛葉バイクの画面でも、よくまぁ、スポークの描き方、チェーンの造り方なんて思いつくもの。ランシオさんは天才です。

近頃では、モンキーパンチさんなんかはコンピューターで作品つくるって時代に、相変わらずペンタッチにこだわってる私ですが、紙のニオイが好きってことも否定できませんが、ただ、不便は感じます。
表紙描いてて、服の色やバックが出来上がった時、気に入らない時なんか、切り貼りですからね。時間のかかる事。ヘタすりゃ、一巻の表紙、丸々三枚描き直す事もある。
そんな時、コンピューター扱えれば、色も簡単に変えられる。うらやましい技ですよ。
といって、今さら憶えられない機械オンチの私。あらためて飛葉のバイクの出来るまでを見てると、うらやましい、見事としかいいようがない。

ついでですが、この先も八百やヘボのバイクも描いて見せてくれたらうれしいね!!



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