今回、望月先生より、「W7」執筆裏話としてお応えいただきました。
久々、楽しんでます。
プラモファンが夜が明けるのも気が付かずに熱中するように、というか、サンダーマウンテンのスリルに何十回も連続して乗り続けるというか、本来は職業でしょうが、趣味です。趣味だから、ペンも筆も放したくない。
ストーリーもまた、ゆっくり昇るかと思えば急降下、さらにいきなりカーブ、しっかりベルトしてないと振り落とされるよって読者に思ってもらいたいから、凝りに凝る。当然、肩も腰も凝る。
夢中になり過ぎないよう、今回は机に向かう時間を設定しました。一時間たったら、一度机を離れ、横になれるソファでTVを15分見る。そこで筋肉の疲労を取る。どんなにノリにノッてても、これは守る。それが、描く時間をのばすコツなんです。計算なんです。
私は夢中になりやすいタイプ。夢中になると前後が見えない。レーサーには向いてない。そこんとこ自覚して、いつも楽しいという精神状態キープ、腰痛こらえて汗流していては楽しめませんから。
成功ですねぇ。一日が、目一杯楽しく作業出来る。
その結果が、皆さん、喜んでくださったコメントに表れてます。
うれしいねぇ。楽しさを読者と共有、理想ですよ!!
特に今回、力いっぱい楽しんで、ここのカット、どうだ!!俺じゃなきゃ描けないシーンだろ、と秘かに自負してたところ、見事とらえてくれたようで。
実は夕日の中のシルエットのジャンボが飛ぶシーン、自信あったのですよ。
この作品、紙の上の表現と違うのは、バックライトがあるということ。「光」をとことん意識しました。
それが、あのシーンに一番表れてると思ってます。
それを見抜いてくれたコメント、ハートとハートがつながった!!
作者にとって最高!!
実は、あのシーンのバック、二枚描いてます。
恥ずかしながら、一枚目はどうしてもライティングが気に入らず、〆切間際に完成してた原稿ですが切り貼りしました。アシスタントに切り貼りさせるのは当然のようにやってきましたが、今回は本人が、それでいいのか!!って自問自答。
「スイマセン、描き直します」って具合。
そんなシーンがかなり多く、いちいち恥ずかしいから発表出来ませんが、裏から原稿見たらツギハギだらけ。長いこと作画してくると、ますます欲張りになってくるんですねえ。人に見られること、それが発表されたら永久に残ること、それを考えたら、「これでいい」ってページ、ないんですよねえ。
長崎へ到着したシーンの夜景、ここも一部、塗りにこだわり、三回の直し。どうにも、色には昔から手を入れたくなるタイプで、何とも計算違い、〆切、一週間のびてしまいました。
情けないねぇ。待ってくれた編集さんに感謝。
さらに、のびたのがページ数。約束では50頁なんですが、どうしても、キメで一話完結という計算すると、4頁のびてしまう。
普通、紙モノの連載でしたら、宿命の紙のオリというものがあり、台割を編集部で造る時、何折というキメごとがあり、いきなり進行中に3枚だ4枚だって増えることはありえないのです。そこが電子ブックのいいところ、ぜんぜん作業手順に狂いは出ないのです。
編集さん、いとも簡単に、のびてもいいですよ、4枚といわず20枚のびても気にしません、だって。
驚いたね。いや、私のように、ここも大画面とりたい、見せ場も、もうワンカット、と考える人間にはね。今まで紙モノでは、そこがネック。大ゴマとるため、ページやカットをやりくりし、どこかを小さなカットにしなければいけないって作業があったのですが、今回はそれがない。いや、うれしいねえ。
二回目もまた、4頁オーバーしてしまいました。
こうなったら、大迫力シーンの連続で20頁オーバー、一回70頁の作品ってやつ、やっちゃおう!!
〆切があるから、どこまで可能か分かりませんが、二回目もまた、どっと制作日数オーバーしてますから。
これは予告。
二回目の追っかけシーンもまた、迫力あるタッチと色の表現に凝ってみました。
そこんとこ、どう見てくれるか。
また、うれしいコメントお待ちしてます。
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