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コラム:言いたい放題

第20回

男の生き様って・・・・

執筆者:   2010 年 3 月 1 日

人間、欲に眼が眩むと正常にものが見えなくなる。欲張っちゃァおしまい。

日本代表に残りたい。
それも欲。そういう気持ちが強く出ると自分の持っているいい物が消えてしまうのです。
たとえば自分で打てば(蹴れば)1点になったかもしれないシーンで、監督の方針通りパスを選択する。そのパスを受けた選手がシュートミスしても、自分は監督の方針守ったことになる。
そういうシーン、ここ代表3連戦で何度となく見た。これじゃ得点は遠い。
上司に言われたことを守ってりゃ好かれるってサラリーマンみたい。一流サラリーマンは上司にも楯突き、喰いつき自己主張をします。

私の狭い社会での付き合いの中でサラリーマンは編集者ですが、後者の咬みつき型のタイプは少なくとも編集長になっています。特に自信を持って上司にものを言う人は重役になっています。
私の担当はそういう人が多いのです。社長になった人も・・・・・
今の少年画報社の社長さんは、大学卒業し入社、最初の担当が私『秘密探偵JA』だったのです。あたりは柔らかいのですが芯は頑固、自分の信念貫くタイプ。
喰いつくばかりがいいって訳じゃァない、要は人がどう自分を見ようと正しいと思った信念貫く。
そう、人目を気にしないことなんです。

監督がどう見ようが自分の思った道は曲げない、そのため代表から外されようが、その選手を見る眼を持った人は大勢います。
岡田監督の意に沿わない、戦略に合わないってだけで代表外れたから二流という意味ではないのです。そこんとこシッカリ考えてプレーして欲しい。
特に平山選手(FC東京)、外国でハットトリック決めてきた時どんな気持ちで戦ったか思い出して欲しい。
相手のレベルが低い? じゃ香港は高いですか? ドッコイドッコイでしょ。
更に言えば、香港戦は日本フル代表です、若手中心じゃァないのです。

言いたいのは、代表に残りたいって欲が先に立ち、監督の眼をあまりに意識するからチャンスでもシュートミスが起きるのですよ。平山選手の良さは天性の勘働き、ある意味どう批判されようがシュートすることが楽しいというゴール前の我がまま、それも優等生のように型に嵌まった方針通りの動きしちゃ結果としてゴールは遠くへ去るのです。
まして以前気になっていた走り、地を摺るような足運びがすっかり変わり、地を蹴るようなダイナミックさになって、これは相手をチェックする時の素早い寄せになり、守りでも効果的になって進化しています。それだけに惜しいって気になるんです。
私「平山優等生」より「平山ガキ大将」の方を見たい。
世界のストライカーを見ても、監督と揉め事起こす選手は非常に多い、それは自分に自信のある表れなんです。それを使いこなして監督も一流と思う。
小笠原選手(鹿島アントラーズ)も自分でチームを動かすタイプ、フィールドに立ったら自分が監督なんです、そこでは自由にやらせたい。
ポジション取りからパスの動きまでベンチから指示したら、彼の良さは消えます。

この二人を使わなかった対韓国戦に岡田監督の欲が出たと見ます。
最初の方針で香港戦は新戦力試しの場だったはず、それを急に方針変えてのメンバー起用、もうここで最初の方針からブレてます。ワールドカップ前のテストなのか東アジアサッカー選手権優勝なのか、途中から監督の考えが変わっていたら、着いて行く選手も集中力が落ちます。そういうプレーしていれば韓国に勝てる訳がない。
優勝って欲に眼が眩んで正しい判断できなくなったんでしょう、岡田監督。
岡田監督も信念の人のはず、ワールドカップ4強が最終目的なら途中はすべて勝ち負けの前に、その方針のための試合とハッキリさせていい。
ファンの眼を意識することが逆にファン離れ起こす結果になるのです。
誰がなんと言おうと方針にブレがあっちゃァならない、監督はそういうもの。
失敗したら引退する覚悟で臨む、それが責任の取り方、男の生き様だと思うのです。
でしょ、岡ちゃん。



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