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望月マニ也

第57回

名作の魅せ方

執筆者:   2012 年 12 月 9 日

いつの時代も多くの人から愛され続ける名作がある。
最近ワイルドの魅力にハマった若い世代の代表が、ハリウッドのヒットシリーズに例えて語ってくれました。

「月刊望月三起也」読者の皆様、はじめまして。丸山清貴と申します。
まずは簡単に自己紹介を。
自分は現在34歳。仕事は、インターネット関連の知見・経験・技術を武器に、面白プロジェクトをどんどん立ち上げること。…わかりにくくてすみません。つまり、いろいろやってます;-) 経歴・実績はこちら

そんな自分が望月作品に触れるきっかけとなったのが、ここ月刊望月三起也です。5年ほど前の立ち上げ時に月刊望月三起也のサイト構築(デザインを除くシステムの部分とコーディング)を担当させていただいたのですが、その話が来たときには正直驚きました。「もう何十年も前の作品なのに、いまからファンサイトをつくるのか!」「これほど支持される作品を描く望月三起也先生とは一体どんな人物か?」

この驚きと好奇心をきっかけにワイルド7を読み始めました。
大胆な構図でみせるアクション、当時としては画期的であったという銃やバイクへの細かなディテールへのこだわり、飛葉大陸をはじめとする魅力的なキャラクター。ワイルド7がこれほどの人気作となった理由はいろいろあると思います。
その中で個人的にもっとも惹き付けられたのは、ワイルド7の作品としての「力強さ」。この作品には現在の漫画作品にはない強烈な生命力があるなと。
原作を読んでからはとても気になる作品となり、映画化されたと聞けば劇場に足を運び、ときには望月先生のトークイベントにこっそり参加させていただいたりするようにもなりました。


先日、久しぶりにワイルド7の実写版映画を見直しました。近所のレンタルDVDにワイルド7が並んだときにランキングで1位になっていたのを見ていたので、もう一度見たいなと。
最初に実写映画化すると聞いたときは、ちょっと厳しいんじゃないかな?と思いました。正確には、この作品を実写映画にするのはちょっと怖いなと。月刊望月三起也に集う望月ファンの文章を読むたびに、この作品はものすごく愛されているなと感じます。この熱い思いを、(日本製の)実写映画という形でちゃんと受け止められるのかと。

実際に観てみた感想としては、個人的にはとても楽しめる作品でした。これでシリーズ化でもすれば、原作に興味を持つ人もどんどん増えるだろうなとも。
ただ、ちょっと残念なこともありました。ストーリー的に、ボス以外のいわゆる雑魚敵を問答無用で「退治」する感じではないことです。ワイルド7の設定を活かすのであれば、敵は極悪人集団の方が良かったのかなと。100分の中で登場人物それぞれの魅力を十分に表現したり、凝ったストーリーを語るのは難しいですね。

逆に良かったところはたくさんありますが、特に好きなシーンはオープニングです。とてもかっこいいですね。不気味な能面をつけた凶悪な犯罪者集団が、問答無用で「退治」されるシーン。ぐいっと作品に引き込まれました。ラストサムライのオープニングのようです。
アクションも良かったと思います。ガンアクションと言えばハリウッドな感じがありますが、日本の実写アクション映画でもここまでできるのか、と。キャストの方も実力ある人が揃っていましたし、バイクや銃器へのディテールへのこだわりも感じました。

実は、ワイルド7のDVDといっしょに「ダークナイト」も借りてきました。お気に入りの作品で、続編の「ダークナイト ライジング」も公開時には観に行きました。「ダークナイト」はジョーカー役の故ヒース・レジャーの演技が素晴らしく、何度観ても引き込まれます。
バットマンの映画は、だいぶ前のティム・バートン版と、今回のクリストファー・ノーラン版のどちらも観ています。バットマンという同じ素材なのに、監督や出演する俳優によってまったく違う作品になってますよね。バットマンという作品の魅力を、才能あふれるクリエイターが独自の切り口で再構築し、それがバットマンの新しい魅力になっている。
個人的には、ワイルド7という作品もバットマンのような展開になっていったら面白いだろうなと思います。ワイルド7は魅せる切り口がものすごくたくさんある作品だと思うのです。
ワイルド7は私のような30代でも、ちょっとしたきっかけで読み始めれば、こんな風にハマって応援したくなるパワーのある作品。多くの人に長く愛され続けるのも納得です。
これからますます月刊望月三起也がきっかけとなって、若い世代にもどんどんワイルド7や望月作品について知って欲しいですね。

ところで、最初に簡単なプロフィールを述べましたが、自分には現在ライフワークがあります。それは、日本の働き方を一新すること。20代の半ばで起業してはや7年。会社を飛び出したあの日から七転び八起き。なんとか生き残っていますが、この社会の働き方はかなりおかしいぞ、と感じるようになりました。もうそろそろ根本的に仕組みを見直さなきゃならないんじゃないかと。
ということで、自分の会社とは別に「挑戦する人を地域で支える仕組み作り」を行うプロジェクト「吉祥寺ポートロイヤル」を立ち上げ、東京・吉祥寺を拠点に活動してます。目標は、「多様性が尊重され、挑戦する機会が平等に開かれ、失敗することに寛容な社会」を実現すること。近い将来、地方政治にも挑戦して新しい社会づくりを目指したいと考えてます。

同じように若い世代のワイルド7ファンの中からも、この強烈な生命力のある作品を進化・発展させながら新しい可能性を見つけて、さらに次の世代へとつなげていくための挑戦をする才能あふれる人たちが現れてきたら、サイト作りに関わった者としても、望月作品の一ファンとしてもとても嬉しいです。



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月刊望月三起也ではみなさんからの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由、採用者は「月刊望月三起也」で掲載。
また掲載された方には、望月先生書き下ろし特製ポストカードをプレゼント!


是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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望月先生のコメント

ヒース・レジャーだって?
いいですねぇ、あのスクリーンをひとりで牛耳ってる存在感ってものは、近頃滅多にお目に掛かれない。
バットマンは誰でも出来るって。 が、しかしあの悪党がバットマンをカッコよく見せる・・・・・ はずが、主役バットマンの影、水増しのジュースのように薄めちまったって感じかね。
いやァ、そこを見抜くとは丸山さん、若くしてベテランかねぇ。

そうなんです、ワイルド7の出来の良し悪しは敵役にあるんです。“てきやく”とは読まないように。“かたきやく”です。
恋愛ものならライバルの二枚目もまた敵役。決して極悪非道でなくてもいいってこと。ただしワイルド7は恋愛ものじゃない、イコール敵役はクセのある悪党に限ります。必ずしも銃の名手や格闘技に長けてなくても、性格が嫌らしい!! って人間ならいいんです。そういう嫌らしい奴をワイルド7が退治するから読者はスッキリするんで、この敵役の個性が出てないときは作者として、「ううゥ~ん、今回はイマイチだったな」となる訳で、反面敵役が気に入った出来の場合、つまりワイルド7がきりきり舞いさせられるようないい悪党が出来上がったら、もう最高、話は断然おもしろくなる、勝手に筆(ペン)が進むンですねぇ。
つまり、主人公をいかに悩ませるかってのが悪役の魅力ですね。

そう、映画と同じ。主人公がチンピラを痛めつけてもスッキリしません。
この人、悪役と書いた紙、背中に貼り付けただけで、ちっとも憎たらしくない。そんな悪役が、近頃の映画をつまらなくしてるんですよ。 
と、映画評じゃないですよね。でも映画ファンとしては、ヒース・レジャーを認めてくれるって、うれしいね。
べつにヒース・レジャーの親戚でもなんでもありませんが。





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