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コラム:言いたい放題

第57回

今月は三本立て

執筆者:   2013 年 6 月 10 日

嬉しいおみやげ、大分から貰っちゃいました。大好きな干物、いい魚が獲れるンですねぇ。
太刀魚が太陽の後押しで、こんなに美味くなるの?! アジもほかほか、サバの肉厚さ、歯応え抜群!!

実は今夏、『田辺節雄原画展』というのを彼の出身地、大分県でやりたいという企画で、担当の大分県国東市教育委員会の有長さんが打ち合わせにうちへ来られたわけで。何を隠そう、漫画家田辺節雄は若き日、うちにいたんです。土山しげるのチョイ先輩。努力型で、駆けずにしっかり一歩づつ前へ進むタイプ。あまり多弁ではなく、後輩たちにはかなり怖がられていたよう。
うちには100人くらいの弟子やら一夜のアシスタントと若い人の出入りがありましたが、その中で本格的にプロになれたのは10人あまり、一割と漫画家のプロは狭き門なんです。
大分はいい絵描きも、いい干物も生むンですねぇ。

それにしても私の干物好き、全国に知れ渡っているのだろうか?
後で知ったのですが、なんてこたァない。大分からの依頼が月刊望月三起也へ届き、繋ぎ窓口をしてくれたのがアスカくん。その時、手土産の話になって、好物といえば“干物”・・・・・ に、落ち着いたわけ。
私の好物持参で攻めてこられちゃ弱い。役所の有長さんも「やるゥ~」。
これじゃなおさら協力しなくちゃと、土山しげるも呼んで、急遽三人の対談です。

これを来年、原画展会場で流す計画だとか。いっそ愛弟子のためなら現地へ応援に行こうかと考えてます。
美味しい干物も現地で調達したいし・・・・・
どっちが本当の目的かって、つっ込まれそうです。
「大痛ァ(おおいたァ)」。

それにしても企画から行動、情熱的に上司を口説き、取材の予算も取れないないから干物で勘弁してなんてのが逆に嬉しいねぇ。
こういう人、九州男児っていうンだろうね。
有長さん、企画、成功することを祈ってます。

さて、次です・・・・
ルールを守って楽しむ。いいですねぇ。
それは当然のことですが、ルールを破るのが楽しいってのも事実。が、本人は良くても回りに迷惑を掛けてはイカンでしょう、道路ってのはあんたひとりのもんじゃない!ひとりの暴走が、何百何千の人の楽しみを奪うンですよ。
よくやってくれてます、民間ライダー安全運転啓発集団『伊豆スカ事故ゼロ小隊』。

楽しいバイク、無事故で走るから楽しいンです。骨折の痛みを伴っては楽しいとばかりは言えないでしょ。ましてや疾走るってのは、その場所があっての大前提。その疾走る道路が走行禁止なんてなったら、ラーメン屋のウィンドー見て「美味そう」と入ったら、「あんたにゃ食べさせたくない」と断られた気持ちでしょう。
元ワルのライダーが今じゃ指導する側に廻ってるって、いいじゃないですか。それがワイルド7のファン。ワイルドの心、判ってます。嬉しいねぇ!
伊豆へ行くことがあれば、ぜひ話を聞いてみたい。さぞ苦労の多いことでしょうが、ぜひ続けてください、隊長さん。
私のモットー 「曲がった道も真っ直ぐな心で走ろう!!」です。

で、三つ目、サッカー!!
だらしない日本代表について。
細かい話は専門家に任せるとして、国際ランキング格下のヨルダンに負ける、オーストラリアに分けるって、単純に見てどうよ?
まっ、ブラジルが22位なんていうランク付けしてるくらいだから一応の目安なんでしょうし、ランクってものの位置付けで強弱は測れませんし、本当の強弱を測るのは『ハート』なんです。
今の代表選手で安心できる強いハートを持ってるのは何人いますか? そういう心が試合を面白くするんです。一対一だ、一対二だって、スコア見るなら新聞で結果だけ見てればいい、試合は内容ですよ。今、試合内容で見る者を惹きつけてくれる代表ですか?ハッキリ言って面白いゲームですか?
つまらないねぇ。

ヨルダン戦なんか、レーザーで妨害があったのは卑怯! でも、勝とうとする根性が見えてこないのですよ。マスコミも「ここで分けてもワールドカップ出場決定」なんてことがメインタイトル。ワールドカップに出れればいいってもんじゃない、予選含めて毎試合根性の入った試合を見せてくれればいいンです。その結果、負けても納得。だから私には予選も本番も同じワールドカップの中の一試合!予選と本番がなんで別々なんだ?って思うんです。
現監督は若手をヨーロッパから呼び戻しても結局使わなかったりするとも言われてる。それは実際目の前で見たら使えそうになかったってことだと思うけど、そのくらいは見極めて呼び戻して欲しいね。練習試合をもっと組んで、そういうときにどしどし若い選手を使う、それが這い上がろうとする根性を磨くというプレーに繋がるンです。外国のチームに負けない根性、チーム内で作る。それがトップになる一番の方法。敵は何より目の前で、これに勝つが第一。その上でチーム戦術なんです。
今の代表、ゴール前のボール回し、そこへの配球に神経細かいンですが、勝負はゴールが決まるかどうか、それが優先なんです。
シュートしなくてもオウンゴールやPK狙いもあるって? それは神様を相棒にしたときだけ。その相棒はいつもいてくれるとは限らない、頼れるのは己の力のみ。それを好・不調があっても感じさせてくれるのは、本田と長友だけです。両者とも今回、怪我持ちでですよ。

以前、ドーハの悲劇と呼ばれる試合がありました。
予選、これに勝てば本大会出場決定というゲーム。終了寸前、相手にゴールされ引き分け、直後に終了の笛。その瞬間、三浦カズもゴン中山もガックリとピッチにひっくり返り、グランドに立ってる選手は一人か二人って、ショックの大きさが画面から伝わってきた一戦。全力を尽くした、それが見ていた人に悲劇と言わせてのでしょうが、倒れた選手が全力で、立っていた選手は全力じゃなかったのか?
そう、立っていた選手の一人に勝矢寿延というDFの選手がいました。まじめプレイを絵に描いたような選手。彼は終了の笛が鳴ったとたん、周りでバタバタと倒れていく仲間を見て、「なんでだろ?」と。本人は全力出し切って試合が引き分けで終わり、頭の中は「負けなかった、良かった」と、その思いがあり、つまり引き分けで本大会出場が消えたという意識、試合終了直後にはなかったという。
それだけこの一戦、この試合に全力を尽くし、ただひたすらだった訳で、ここが私は『買い』なんです。
試合中から、勝たなくちゃ本大会に行けないと思って戦うのをパワーにする人もいるんでしょう。でも、それはある意味集中を欠いて雑念が入っていると言えませんか。結果を計算したプレイではなく、目の前の一戦に全力を尽くすことに、ただひたすらという勝矢選手、私は買います。これが“純”スポーツマンだと思ってます。ですから私、それが“悲劇”だとは思えないンですねぇ。
この一戦、例えば勝って本大会に出場しても、「行った」というだけで、全敗の可能性だってある。しかし予選の戦いぶりから、「このチームが本大会へ行ったら、どのくらいやれるのか?」って考える出来であって本物。よれよれしながら予選突破しているチームでは、「まだ、世界は遠い」って、思ったもんです。

でもTV画面を通して感動を味わったのも事実で、カズやラモスやゴン等々、立ち上がれなかったあの“絵”、あれを見た若い選手たちがその後の代表をワールドカップ出場常連国にまで持ってきたという効果、そういう意味で『ドーハの日の出』でしょう。
同時にあのラストシーンは名画です。全員がヒーローだったンですねぇ。
ただ私は欲張りだから、つい「こうしたら・・・・・」と、勝手なことを言うわけですよ。

そう、目の前の一対一に命を張る! 11人がそれをやれば勝ちという結果が向こうから歩いてくるわけで、DFなら目の前の敵を潰し、ボールをベストの位置にいる味方へ繋ぐ。それが戦術、チーム力となりFWは敵を弾き飛ばしてボールをゴールへ向ける。この一対一、常に目前の敵を倒す意識、それが集中力でしょう。
コンフェデレーションカップで、そういうシーン、見たいねぇ。






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コメント/トラックバック

  • カズ中西 :
    曲がった道も真っ直ぐな心で走ろう!!
    心にしみます。ありがとうございます。

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