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望月マニ也

第78回

飛葉のスライドアクションリピーター(散弾銃)特集

執筆者:   2014 年 10 月 11 日

望月作品に登場する銃を、細かく分析・再現してきた仲代さんのこのシリーズ。今回はついに飛葉のショットガンだ!!
もちろん細部の違いだって見逃しません

hiba (2)飛葉の愛銃と言えば言わずと知れたコルト・ウッズマン。 ・・・と使用頻度は割と低いが印象的なショットガン(散弾銃)!
今回はそれを製作します。
エッ?「ヒバちゃんはレミントンM31愛用だから作る必要なし、モデルガンとして発売されてる」って?
マァ、それで満足なら、これ以上は読む必要は、なし!です。

M31 (1)
現在、比較的入手し易いのはこのタイプ、M31RS2のABS製かヘビーウエイト製でしょう。

でも、初めてM31と確認出来るショットは「熱砂の帝王」第1巻で、シャキーン!と云わんばかりに飛葉が振りかざしたそれは、その年にMGCから発売されたばかりの初代M31(金属製)がモチーフだったのです。材質以外の違いはバレル周辺に集中します。
hiba (5)
M31 (2)バレル(銃身)は短く、フォアグリップはもっとシンプル形状なのです。しかしMGCレミントンM31RSは、昭和52年の銃刀法規制により所持は構わないが、売買譲渡は禁止となってしまいました。なので現在、当時から持っている人以外は入手出来ないのです。そこでいつもの「無い物は作る精神」です。
M31 (3)先ず銃身を55mm程カットします。切り口を仕上げ、取り去ったインサートの替わりに自作の識別用のインサートを入れます。
コレ大事!インサート鋼が無いと業界の自主規制に違反します。
M31 (4)次に切断したバレル先端からフロントサイトを切出して移植します。
M31 (5)運良く金属M31と同じデザインの丸型フォアグリップが入手出来ればラッキーですが、最近は品薄です。
手に入らない場合はU字(断面)フォアグリップから作ります。
先ず不要部分を切り取ります。ヤスリで整形し滑止めのセレーションを一本づづ延長し、オイルで磨いて仕上げれば完成です。
M31 (6)完成!
M31 (7)

さて本題です。それでは飛葉のショットガンを作りましょう。
「今のM31で終了では?」って!
イヤイヤ、仲代光希がバレルぶった切っただけでお茶を濁して終わるわけにはいかないの。
飛葉のショットガンが一瞬にして心に焼きついたのは、あの永遠の名台詞「こうやるから退治ってんだよ」だと云っても異論のあるファンは少ないのではないでしょうか?少なくとも私はそうです。その時のモデルを製作します。
hiba (1)
M31 (8)バレルを延長するので、以前切り落としたバレルの先端が何個かあるよなとジャンク箱を漁ったら、何と15本も出て来たではないか!(笑)
M31 (9)マズルを平面出しし、インサートを引張りだしジョイントとして切れっ端を接着します。
マガジンチューブの固定を切り取ります。フロントサイトを取り去り台座部分を平面に削ります。
M31 (10)ABSパイプと板でチューブの延長キャップとフロントバンドを作ります。
M31 (11)飛葉ショットガンはシンプルが身上だと私は思っているので、刻印とディスロードボタン・スクリューを埋めます。
刻印板は少々ですが一段低くなっているので、一度外して1㎜板で嵩上げして戻します。ボタンホールも削ったABS板で埋めます。
M31 (12)仕上がり状態。加工のメインフレームより何か迫力が出た気がします。
M31 (13)右面はナットの周りに低粘度の瞬着を流し込んでからヤスリで平面出しします。
こうする事により塗装した際に目立たなくなります。
M31 (14)M31 (15)
この二挺の組み合わせが私の中の原点『飛葉ちゃん!


更にもう一丁!初登場時、飛葉のショットガンはレミントンM31で無かった事は前述しましたが、
実は先出の「熱砂の帝王I」まではM31とは微妙に異なるタイプでした。ウッズマン同様、バリエーションがあります。
ショットガンが印象的に使われた「首にロープ」「谷間のユリは鐘に散る」「地獄の神話」等を参考に共通する特徴をアブストラクションしデザインしてみました。
hiba (3)
M31 (16)バレル190mmくらい残してカット、24mmパイプにそれより細いパイプでジョイント作り接着します。
マガジンチューブも24mmのパイプで延長、30mmパイプの輪切りを被せます。
M31 (17)上が未加工品。大分バレルがマッチョになったと思います。
M31 (18)バレルにパイプの輪切りでバンド巻き、マガジンチューブとの連結部をABS板の積層で製作します。
M31 (19)このバレルとマガジンチューブの連結部の形状が最大の特徴。フォアグリップよりチョイ長いマガジンチューブにキャップ状のパーツが嵌まり込み、バレルをぐるりと回りこんだパーツと繋がるこのデザイン!正に望月流。
M31 (20)M31 (21)

M31 (22) こうして飛葉ショットガン三部作は完成しました。

上から
飛葉ショットガン”TAIJI”
リアル飛葉ショットガン
レミントンM31RS」と
ちゃんとデザインの変化過程に流れがあるのが、ワンダフル!
hiba (4)

「熱砂の帝王」でレミントンM31RSと設定されて後はウッズマン同様先祖返り繰り返しながらも最終章「魔像の十字路」では
レミントンM870を使用しますが、奪取品と思われますので飛葉の愛銃とはカウントしません。

やっぱヒバちゃんはM31!?

旭工房 仲代光希



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望月先生のコメント

仲代さん、相変わらずのこだわりで3パターンのライフルを特定して製作するところ、『らしい』。こういうこだわり、職人芸だねぇ。世の中、便利に走っていく中で、“拘る(こだわる)”、そういう言葉を大事にしたいと考えます。

と言いつつ私、振り返ってみて「どこまで拘った?」、実は拘ってるようで、どこか抜けてますよねぇ。
単行本を見る、見返すと実に恥が多い。よくもまァこれだけいい加減に描いたものと。今さら描き直すわけにもいかず、言い訳としては・・・・・
銃器は拘って助っ人にも描かせず自分で描くことがデビュー以来のモットーだったのです。他人任せにすると銃の持つ魅力が出せてないンですね。どれほど拳銃が好きか、その度合い、愛情に差のあるのは仕方のないところ。これが同じ機械物でも飛行機だったりすると、多少翼の形が違っていても許せるンで描き直しさせることは、ま、少ないンですけどね。って言うか、零戦と隼じゃ見るからに違いがある。参考物を渡しておけばなんとかなるんですが、これが拳銃やライフルとなるとどうにも・・・・・

今回の飛葉愛用のライフル、本来はライアット・ショットガンって別名があり、暴動(ライアット)を抑え込むという役目を持つため、米国西部開拓時代の保安官以来、散弾銃として定番なんですね。
が、その型、銃身が長く突き出したオーソドックスなものから、銃身を切り詰めたもの。はてはストック(肩当て)をカットしちゃったものと様々なモデルが存在するわけですが、作中に登場するのは“唯一の型”であって、そうでなくてはならなかったはずで、「退治する!」の台詞時のヤツなのですが、いつのまにやら本人(私)の手が回らず、他の者に任せることが増えてくると、この辺り微妙な違いが描き手によって変わってくる。だから仲代さんのような眼で見たら違うライフルとなってしまう・・・・・ のですねェ。
実に反省です


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