![扉絵](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/8218a7153e73dbe7fa0c8e2a74b127fa-198x300.jpg)
今から44年前の1970年、サッカーワールドカップメキシコ大会が
開催されました。
優勝はサッカーの王様「ペレ」が率いるブラジル、2位はイタリア。
その時のブラジルチームの選手だったのが、「ジャイルジーニョ」。
(小さなジャイールという意味)
本名「ベントゥーラ・ジャイール・フィリオ」(Ventura Jair Filho)。
なぜ今その話をするかといいますと、これからご紹介する作品
『乱反射』に関係しているからです。
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![カフェ](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/f949f1b2dbe62d616a2542d35c759aaf-300x115.jpg)
W杯開催中で街中はサッカーファンがかたずを飲んで
試合を見守っている最中。一方、まもなく大使が通過する為、警察は日本人の暗殺者が潜んでいるという情報
に基づき街中を捜索中。暗殺にもってこいの大通りに
面したカフェに立ち入ると3組(旅行中のカップル、酔っ払いの絵かき、おネェ?の中年男)の日本人が・・・。
はたしてこの中に暗殺者がいるのか・・・!?
![カップル](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/c3b8c322e6f783c769dd85275f9d0119-300x163.jpg)
![酔っぱらいの絵かき](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/9a81eaecc0f37a7f3f04518e76c9e53e-226x300.jpg)
![ホモ](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/22bf535c76d23138fdc3a942e7379470-300x287.jpg)
暗殺を企てる者と、それを阻止しようとする警官が相手の裏をかきながら、あの手この手で繰り広げられる
知恵の比べ合いがスリリングな見どころとなっている一篇で、そこに登場する地元の女性を巻き込んでの
一大群像劇としても楽しめる傑作です。
![ラジオ10](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/8a0293790293b0784d8609ca2beab272-236x300.jpg)
物語の序盤からラストまでずっとラジオの実況放送が流れていて、サッカーW杯の中継をしているのがわかります。
ラジオから「ブラジル」という名前が登場するので片方のチームは
間違いなく「ブラジル」、当時の選手は前述の「ペレ」や「ジャイルジーニョ」。
相手チームは「ミューラー」という名前が出てくるので「西ドイツ」の
選手の「ゲルト・ミューラー」ではないかと推測されます。
つまり、ストーリーの中で「1970年ワールドカップメキシコ大会」の
優勝戦で実際にはなかった「ブラジル」対「西ドイツ」の幻の対決を
漫画の中で描かれておられるという事です。
(実際には2位のイタリアに敗れ西ドイツは3位)
![男と女3](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/d9df4e291d463e7ec60f3e2d74311801-214x300.jpg)
どうやって暗殺するのか?
一方試合もいよいよ佳境、得点は「3対2」でブラジルがリード、試合時間は
残り1分、ミューラー最後のシュート、ブラジル逃げ切るか!!
惜しくもボールはバーを叩いた・・・。ブラジルが優勝!!試合終了・・・と同時に
この物語も終わりを告げた・・・。
男と女の愛と未来と共に・・・。
![ラジオ7](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/e978384cb1c6be003a0ccda751e257be-300x227.jpg)
この話でも描かれていますが、各国のサッカー熱、特に
南米のサッカーへの入れ込みようは、渋谷のスクランブ
ル交差点で騒ぐ日本のファンとは比べ物にならないほど
凄まじく、試合の日は会社も学校も休みのところもあると
いうほど、国を挙げてサッカー観戦するぐらいですから、
もし優勝なんかしようものなら場所時間関係無くドンチャ
ン騒ぎが始まると聞き及びます。
ただ、2002年の日韓大会の時、日本でもそれに近いも
のがありました・・・。私の会社の取引先が、あろうことか
大事な約束事を忘れてしまって大変でした。それも日韓
試合の翌日に・・・。(苦笑)
それらの混乱状態をうまく取り入れて、もしかしたらありえそうなストーリーを作られるとはさすが望月先生。
![MIKIYA M](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/MIKIYA-M-180x300.jpg)
ところで、このお話に登場するメインキャラクターには名前が付いて
いません。
まぁ望月漫画ではストーリーにのめり込んだら別に名前は不要なの
ですが・・・。
唯一固有名詞が出てくるのは、ラジオから流れてくるサッカー選手の
名前と、このパスポートぐらいですか。(笑)
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乱反射 |
![カフェの女2](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2014/05/cd4fb3b893346b80d1639a0007c2418b-234x300.jpg)
1973年 ビッグコミックオリジナル(小学館)11月5日号
(読切全27頁)
1974年 ハードコミックス(大都社)『薔薇のイブ』全1巻併録
(8月30日初版発行)
1984年 ハードコミックス(大都社)『薔薇のイブ』全1巻併録
(6月20日初版発行)
ebookjapanでも購読可能です。コチラまで。
(『薔薇のイブ』巻末に収録)
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![clearfile_01](http://wild7.jp/wp-content/uploads/2013/11/clearfile_01.jpg)
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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eddy-s さんのプロフィール
![望月先生のコメント](http://wild7.jp/wp-content/themes/wild7/images/comment_header_2.jpg)
【望月三起也先生より】
このころは、短編(読み切り)というものがかなりありまして、これはこれで別世界。30ページとか40ページなんていう少ないページの中で、いかに読者を楽しませるか、その難しさは大変ですが自分も楽しみ半分苦しみ半分、なんですねぇ。
その割にストーリーは1編30ページ前後に使って終わり。長編ならそのストーリーを含め週刊誌連載でも半年は持たせられるけど、シチュエーション含めキャラクターなんかも気に入って、「これは新しい!いいねぇ!!」と思っても、1回きり、30ページ(前後)でおしまい。実にもったいないのが読み切り短編。
美味しいケーキが!・・・・ と思っても、ホールじゃなくてワンピース。いや、一口分かもね。
掛ける手間ひまは、ホールと同じなのにねぇ。
ページ辺りの手間自体も決して得じゃない、でも金銭に替えられない魅力なんですよ、これが。
30ページ前後の中でしか表現できない工夫やタッチ、ストーリーなどがあるわけで、そこで読者を唸らせる。ってとこに毎度挑戦して、ときに戦い敗れるときもありますが、ある意味、長編では描けない世界。それが魅力。
そう、eddy-sさんのように40年も前に読んでの感動を未だに持っててくれる読者がいる。そこ、描き手は「やったぜ!」と喜ぶ人生、至福のときなんです。
今では細かいストーリーなんてまるで忘れています。
当時、代表戦の試合の放送もあったりなかったりという、サッカーのお寒い時代に、ただサッカー好きの元祖サポーターとしては、なんとかサッカーをメジャーにしたいと、ワールドカップなんてサッカーにとってはメジャーな世界を舞台に持って来て、「ワールドカップってのは、こんなに凄いンだぞ!」と、知って欲しいという隠れた企みでもあったわけで、F・ベッケンバウアーなんて選手の名前も当時の読者の何人が判ってくれたか。
今じゃサッカー選手も名が知れて、ミューラーかメッシかってほどの有名人となってますが、こういった作品も含め単行本化されるときは、長編のページ不足を補う形で本の後方へ回され付録扱い・・・・・ 残念です。
今FIFAワールドカップ ブラジル2014、ベッケンバウアーはドイツサッカー協会の会長さんだから、多分VIP席で観てるンでしょうねぇ。
ちなみに私は、ドイツの優勝と予想しています。
もうひとつ、そのベッケンバウアー現役時代に撮ったツーショット、持ってるンですぞ。
私の宝物のひとつ!
このころは、短編(読み切り)というものがかなりありまして、これはこれで別世界。30ページとか40ページなんていう少ないページの中で、いかに読者を楽しませるか、その難しさは大変ですが自分も楽しみ半分苦しみ半分、なんですねぇ。
その割にストーリーは1編30ページ前後に使って終わり。長編ならそのストーリーを含め週刊誌連載でも半年は持たせられるけど、シチュエーション含めキャラクターなんかも気に入って、「これは新しい!いいねぇ!!」と思っても、1回きり、30ページ(前後)でおしまい。実にもったいないのが読み切り短編。
美味しいケーキが!・・・・ と思っても、ホールじゃなくてワンピース。いや、一口分かもね。
掛ける手間ひまは、ホールと同じなのにねぇ。
ページ辺りの手間自体も決して得じゃない、でも金銭に替えられない魅力なんですよ、これが。
30ページ前後の中でしか表現できない工夫やタッチ、ストーリーなどがあるわけで、そこで読者を唸らせる。ってとこに毎度挑戦して、ときに戦い敗れるときもありますが、ある意味、長編では描けない世界。それが魅力。
そう、eddy-sさんのように40年も前に読んでの感動を未だに持っててくれる読者がいる。そこ、描き手は「やったぜ!」と喜ぶ人生、至福のときなんです。
今では細かいストーリーなんてまるで忘れています。
当時、代表戦の試合の放送もあったりなかったりという、サッカーのお寒い時代に、ただサッカー好きの元祖サポーターとしては、なんとかサッカーをメジャーにしたいと、ワールドカップなんてサッカーにとってはメジャーな世界を舞台に持って来て、「ワールドカップってのは、こんなに凄いンだぞ!」と、知って欲しいという隠れた企みでもあったわけで、F・ベッケンバウアーなんて選手の名前も当時の読者の何人が判ってくれたか。
今じゃサッカー選手も名が知れて、ミューラーかメッシかってほどの有名人となってますが、こういった作品も含め単行本化されるときは、長編のページ不足を補う形で本の後方へ回され付録扱い・・・・・ 残念です。
今FIFAワールドカップ ブラジル2014、ベッケンバウアーはドイツサッカー協会の会長さんだから、多分VIP席で観てるンでしょうねぇ。
ちなみに私は、ドイツの優勝と予想しています。
もうひとつ、そのベッケンバウアー現役時代に撮ったツーショット、持ってるンですぞ。
私の宝物のひとつ!
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