その日も、婦人科カメラマン真樹(マッキー)の顔は曇っていた。
若くして金と名声を得た彼だが、そんなことで男の矜持は満たされないのかもしれない。
全てを擲って内戦渦巻くアフリカへ!
草っぱらのような飛行場に降り立ったマッキーは晴々とした表情をしていた。
クルーガー大尉:極悪非道、プロの傭兵。
M16A1
ハンス:過去を忘れに外人部隊に。
FAL
ジミー=ワイルダー:妻に先立たれガン告知(後に誤診と判明)、幼い娘二人と無理心中を謀ったが死にきれず外人部隊へ、その後子供は無事保護された事を知らされるが・・・。
FAL
ハンス他二名の内の一人:マフィアのヒットマン、命令を実行したが、庇ってくれなった親分も射殺。
FAL
アフリカの戦争の現実を目の当りにして、思わずFALを構えるマッキー!
銃器類が登場する作品で主人公がプロの拳銃使いではないのは珍しいのでは?
彼の武器はペンタックスだ。
マッキーのペンタックの機種が知りたくなり調べてみた。「夜明けのマッキー」の連載は1970年(昭和45年)と言うことなので、当然それ以前に発売された機種だろう。
発売年が尤も近いのは1971年(昭和46年)「アサヒペンタックス ES 」だが、年内に連載は終わっているので翌年のカタログを見て描いた可能性は低いだろう。
その前となると1968年(昭和43年)発売の「アサヒペンタックスSL」だ。
レンズ上方のASAHIの下にPENTAXの文字、三角の中にAOGのマークも一致する。(最初の画像参照)
レンズは55mm、ホットシュー(上画像赤四角内)なるストロボ等を取付ける金具が描かれている事から一瞬、「ES」かとも思ったが、SLには後付け出来るホットシューアタッチメントがある事が判明。
もうひと世代前のSPかとも思ったが、シャッター下方の「SPOTMATIC」の文字があるので違うようだ。
それ以前の「S3」である可能性も考えたが、それにはセルフタイマーのレバー(赤丸内)が存在しないので「SL」で間違いないと思う。
カメラを2台持っているのでSLとS3両方なのかもしれない。
ペンタックスSL
レンズフードを付けている事も多い。
望遠レンズ。
マッキーに憧れた少年(私)だが、買って貰えたのはハーフカメラのオリンパスペンだった(笑)
マッキーが従軍するのは外人部隊“牙”その名を聞いただけで敵は逃げると云う。
指揮官(隊長)ヤング少佐:反乱軍から十万ドルの懸賞金、部下の裏切りをおそれ身分を隠している。
副官:残酷屋で仇名は「蛇」。
逆らったマッキーを執拗に付け狙う。
FAL、M16A1
郵便屋:隠れマッキーファン。
FAL、ブローニングM2
ゴールド小隊長:五輪水泳の金メダリストでハイエナにアニキと慕われている。
FAL、ウェブリーオートマチック
ハイエナ:東南アジアの孤児で元スリ。腰のふくろには宝物と言う名のこどものガラクタ。
M16A1
ラン:副官の罠に嵌まったマッキーの命を助ける。
FAL
バード一等兵:部下は49羽の鳥。
週刊アラジンの特集号「マキ/アフリカの残酷を斬る!」は一週間で150万部を突破!!!
空前の大ヒット!!
カエル・コミックス「マッキーの生と死の記録」250万部突破!!
マッキーの個展超満員!!
マッキーのプロマイド、スター歌手をグンとひきはなして一位独占!!
マッキーの版権を持つ大芸出版は今がピークと判断、見張りのカメラマンを送り込みマッキーを死の淵へと追い込む。
追い詰められたマッキーは更に残酷なシーンを求め激戦地へ、、、そしてスクープの為救える命を見殺しに!
・・・教えてやれば助かった・・・助かった・・・助かった・・・
旧友と再会して出世を褒め称えられた。
しかし、これがぬるま湯からの脱出か???・・・
自分を見失い記憶の喪失!
気がつけばアフリカの戦場に戻りグリースガンを構えていた。
マッキーが発作に見舞われ失神している間にバード隊が加わった“牙”は難攻不落のライオン大地に再び進軍していた。
自分を兵士だと思い込んだマッキーは砲の壊れた戦車で後を追った。
窮地に立つバード、AK47を構えたマッキーだが引金が引けない!なぜだ?おれは兵士のはずだ!?
半数を失いながらもライオン大地を奪還した牙だが、上層部の反応は何故か冷淡だった。
不吉な予感に怯える郵便屋。
そしてバードの死、墓標の上空を部下の鳥たちが舞う・・・その瞬間マッキーの記憶が蘇えった!
マッキーは次の戦場を目指すが戦争は終結していた。
死の町に呼び出された牙、ライオン台地の功績を讃え全員に300万円のボーナスを出すと云うのだが・・・突如飛来する軍用機!
その他登場銃器:
ベレッタM1934、トカレフ、ウェブリー、FAL、M16A1、AK47、M3グリースガン、
M60GPMG、RPK軽機関銃、ブローニングM2重機関銃、
ブローニングM1919重機関銃
当時天丼は250円でサラリーマンには高嶺の花、外人部隊の月収50万円(社長級)
旭工房 仲代光希
=============================================
1970年: 少年サンデー(小学館)連載
1971年: コミックメイト(若木書房) 全3巻
1977年: パワーコミックス(双葉社) 全3巻
1984年: スターコミックス(大都社) 全3巻
『eBookJapan』でも購読可能です。コチラまで。
=============================================
=============================================
「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
=============================================
若くして金と名声を得た彼だが、そんなことで男の矜持は満たされないのかもしれない。
全てを擲って内戦渦巻くアフリカへ!
草っぱらのような飛行場に降り立ったマッキーは晴々とした表情をしていた。
クルーガー大尉:極悪非道、プロの傭兵。
M16A1
ハンス:過去を忘れに外人部隊に。
FAL
ジミー=ワイルダー:妻に先立たれガン告知(後に誤診と判明)、幼い娘二人と無理心中を謀ったが死にきれず外人部隊へ、その後子供は無事保護された事を知らされるが・・・。
FAL
ハンス他二名の内の一人:マフィアのヒットマン、命令を実行したが、庇ってくれなった親分も射殺。
FAL
アフリカの戦争の現実を目の当りにして、思わずFALを構えるマッキー!
銃器類が登場する作品で主人公がプロの拳銃使いではないのは珍しいのでは?
彼の武器はペンタックスだ。
マッキーのペンタックの機種が知りたくなり調べてみた。「夜明けのマッキー」の連載は1970年(昭和45年)と言うことなので、当然それ以前に発売された機種だろう。
発売年が尤も近いのは1971年(昭和46年)「アサヒペンタックス ES 」だが、年内に連載は終わっているので翌年のカタログを見て描いた可能性は低いだろう。
その前となると1968年(昭和43年)発売の「アサヒペンタックスSL」だ。
レンズ上方のASAHIの下にPENTAXの文字、三角の中にAOGのマークも一致する。(最初の画像参照)
レンズは55mm、ホットシュー(上画像赤四角内)なるストロボ等を取付ける金具が描かれている事から一瞬、「ES」かとも思ったが、SLには後付け出来るホットシューアタッチメントがある事が判明。
もうひと世代前のSPかとも思ったが、シャッター下方の「SPOTMATIC」の文字があるので違うようだ。
それ以前の「S3」である可能性も考えたが、それにはセルフタイマーのレバー(赤丸内)が存在しないので「SL」で間違いないと思う。
カメラを2台持っているのでSLとS3両方なのかもしれない。
ペンタックスSL
レンズフードを付けている事も多い。
望遠レンズ。
マッキーに憧れた少年(私)だが、買って貰えたのはハーフカメラのオリンパスペンだった(笑)
マッキーが従軍するのは外人部隊“牙”その名を聞いただけで敵は逃げると云う。
指揮官(隊長)ヤング少佐:反乱軍から十万ドルの懸賞金、部下の裏切りをおそれ身分を隠している。
副官:残酷屋で仇名は「蛇」。
逆らったマッキーを執拗に付け狙う。
FAL、M16A1
郵便屋:隠れマッキーファン。
FAL、ブローニングM2
ゴールド小隊長:五輪水泳の金メダリストでハイエナにアニキと慕われている。
FAL、ウェブリーオートマチック
ハイエナ:東南アジアの孤児で元スリ。腰のふくろには宝物と言う名のこどものガラクタ。
M16A1
ラン:副官の罠に嵌まったマッキーの命を助ける。
FAL
バード一等兵:部下は49羽の鳥。
週刊アラジンの特集号「マキ/アフリカの残酷を斬る!」は一週間で150万部を突破!!!
空前の大ヒット!!
カエル・コミックス「マッキーの生と死の記録」250万部突破!!
マッキーの個展超満員!!
マッキーのプロマイド、スター歌手をグンとひきはなして一位独占!!
マッキーの版権を持つ大芸出版は今がピークと判断、見張りのカメラマンを送り込みマッキーを死の淵へと追い込む。
追い詰められたマッキーは更に残酷なシーンを求め激戦地へ、、、そしてスクープの為救える命を見殺しに!
・・・教えてやれば助かった・・・助かった・・・助かった・・・
旧友と再会して出世を褒め称えられた。
しかし、これがぬるま湯からの脱出か???・・・
自分を見失い記憶の喪失!
気がつけばアフリカの戦場に戻りグリースガンを構えていた。
マッキーが発作に見舞われ失神している間にバード隊が加わった“牙”は難攻不落のライオン大地に再び進軍していた。
自分を兵士だと思い込んだマッキーは砲の壊れた戦車で後を追った。
窮地に立つバード、AK47を構えたマッキーだが引金が引けない!なぜだ?おれは兵士のはずだ!?
半数を失いながらもライオン大地を奪還した牙だが、上層部の反応は何故か冷淡だった。
不吉な予感に怯える郵便屋。
そしてバードの死、墓標の上空を部下の鳥たちが舞う・・・その瞬間マッキーの記憶が蘇えった!
マッキーは次の戦場を目指すが戦争は終結していた。
死の町に呼び出された牙、ライオン台地の功績を讃え全員に300万円のボーナスを出すと云うのだが・・・突如飛来する軍用機!
その他登場銃器:
ベレッタM1934、トカレフ、ウェブリー、FAL、M16A1、AK47、M3グリースガン、
M60GPMG、RPK軽機関銃、ブローニングM2重機関銃、
ブローニングM1919重機関銃
当時天丼は250円でサラリーマンには高嶺の花、外人部隊の月収50万円(社長級)
旭工房 仲代光希
=============================================
夜明けのマッキー |
1970年: 少年サンデー(小学館)連載
1971年: コミックメイト(若木書房) 全3巻
1977年: パワーコミックス(双葉社) 全3巻
1984年: スターコミックス(大都社) 全3巻
『eBookJapan』でも購読可能です。コチラまで。
=============================================
=============================================
「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
=============================================
仲代 光希 さんのプロフィール
【望月三起也先生より】
ぬるま湯からの脱出。
これが『夜明けのマッキー』のテーマ。日々の生活がその日一日ぬくぬくとなんとなく過ぎていく。そんな毎日でいいのか?
男と生まれたからには、たとえ難しかろうと存在感のある人生、これを目指して欲しい。ナヨってる若者を見るにつけ、そんな風に思って描き出したわけですよ。
人気カメラマン、どこが悪いの?それなりに立派な生き方だと思うよ。と、仰る方もいるでしょう。そう、それもひとつの生き方、なにも命を賭けてアフリカの人々を助けることはないだろうに。って、いうのも間違った意見じゃないんです。
でもね、それじゃヒーローにならないンだよねぇ。
主人公というのは、日常から抜けた行動をとって目立つわけで、と同時にぬくぬくとした刺激のない一生をみんなが目指したら進歩もないでしょ、若者ならトライして欲しい!!と、願いを込めて描き出したわけですよ。
「アンタは?」と聞かれるとこれが、ぬるま湯に腰まで浸かって30分、本を読む。これが私の入浴スタイル。何十年も変わらない健康法でもあるんです。
腰湯というのは実に汗が出る。と同時に心臓が湯に浸かってないからのぼせない。筋肉を柔らかくするのが汗出し効果。肩こり、腰痛にはもってこいの入浴法で、これ若い頃、近所のお医者さんに教わって未だに守ってます。
それが“ぬるま湯からの脱出”をマッキーにやらせるンだから、理想と現実、こうも違うンだよねぇ。
この作品描いて30年後、ある出版社のパーティでこんな話を聞かされました。
「私、夜明けのマッキーのファンで、あれを読んで刺激を受け職を変え、今こうしてカメラマンやってます」って人がいたのですよ。
嬉しいねぇ、テーマを理解してくれたのですね。間違って解釈されると、どこかの外人部隊に入って銃を持って走りまわってたりしてなくて本当に良かった。平和が一番。鉄砲撃ちまくるってのは誌面の上だけで楽しんでいたいもんですね。
仲代さんの斜め読みも面白い。仲代さん専門の銃器ではなく、カメラに拘るって感心させられます。本来カメラマンの大半はライカとかニコン使ってたそうで、ペンタックスは一般市民向けのカメラなんですよね。
今は昔で、あの当時のフィルムのような嵩張るものは使わず、ケータイやデジカメので簡単に何百枚も撮れる時代が来るとはねぇ。あんな話、今は描けませんね。
それにしても仲代さんて面白い人だ。拘るととことん調査するって・・・・ 参ったなァ。
ぬるま湯からの脱出。
これが『夜明けのマッキー』のテーマ。日々の生活がその日一日ぬくぬくとなんとなく過ぎていく。そんな毎日でいいのか?
男と生まれたからには、たとえ難しかろうと存在感のある人生、これを目指して欲しい。ナヨってる若者を見るにつけ、そんな風に思って描き出したわけですよ。
人気カメラマン、どこが悪いの?それなりに立派な生き方だと思うよ。と、仰る方もいるでしょう。そう、それもひとつの生き方、なにも命を賭けてアフリカの人々を助けることはないだろうに。って、いうのも間違った意見じゃないんです。
でもね、それじゃヒーローにならないンだよねぇ。
主人公というのは、日常から抜けた行動をとって目立つわけで、と同時にぬくぬくとした刺激のない一生をみんなが目指したら進歩もないでしょ、若者ならトライして欲しい!!と、願いを込めて描き出したわけですよ。
「アンタは?」と聞かれるとこれが、ぬるま湯に腰まで浸かって30分、本を読む。これが私の入浴スタイル。何十年も変わらない健康法でもあるんです。
腰湯というのは実に汗が出る。と同時に心臓が湯に浸かってないからのぼせない。筋肉を柔らかくするのが汗出し効果。肩こり、腰痛にはもってこいの入浴法で、これ若い頃、近所のお医者さんに教わって未だに守ってます。
それが“ぬるま湯からの脱出”をマッキーにやらせるンだから、理想と現実、こうも違うンだよねぇ。
この作品描いて30年後、ある出版社のパーティでこんな話を聞かされました。
「私、夜明けのマッキーのファンで、あれを読んで刺激を受け職を変え、今こうしてカメラマンやってます」って人がいたのですよ。
嬉しいねぇ、テーマを理解してくれたのですね。間違って解釈されると、どこかの外人部隊に入って銃を持って走りまわってたりしてなくて本当に良かった。平和が一番。鉄砲撃ちまくるってのは誌面の上だけで楽しんでいたいもんですね。
仲代さんの斜め読みも面白い。仲代さん専門の銃器ではなく、カメラに拘るって感心させられます。本来カメラマンの大半はライカとかニコン使ってたそうで、ペンタックスは一般市民向けのカメラなんですよね。
今は昔で、あの当時のフィルムのような嵩張るものは使わず、ケータイやデジカメので簡単に何百枚も撮れる時代が来るとはねぇ。あんな話、今は描けませんね。
それにしても仲代さんて面白い人だ。拘るととことん調査するって・・・・ 参ったなァ。
固定リンク | トラックバック(1)
2014/12/09 at 10:17 PM
子供の頃から「最前線」「ケネディ騎士団」「秘密探偵JA」
「ジャパッシュ」「0ファイター」「ワイルド7」などを、ワクワク
しながら読ませていただいていました。
「夜明けのマッキー」は大都社刊のものを。
すでにカメラマンを志し、助手時代に入ってはいましたが、
私が報道カメラマンに憧れ、夢を膨らませることが出来た
一冊なのです。
人気カメラマンでもないし、結局アフリカに行くことはありま
せんでしたが、数カ国の紛争地を経て、現在は福島に動物
救済の為の撮影を続けています。
望月先生、夢を与えてくださり、ありがとうございました。