
謎の多き人物。テル。
「黄金の新幹線」編で不意打ちを受け、重体。
「緑の墓」編でも「入院中のテル・・・」と有り
いかに重傷だったかが伺えます。
彼の復帰を心待ちにしていた読者も多い筈です。
「地獄の神話」編で、久々の再登場。
「待ってました!」と思えば、それ以降、姿を消します。
その後、彼は、どうしたのでしょうか?
何処で、何をしているのでしょうか?
謎解き感覚で読み返してみませんか。

「黄金の新幹線」で負ったテルの傷は大変なものでした。
右肺をえぐられたようです。
他にも重傷を負った事でしょう。
犯人は殺人目的で襲っていますし、残忍な奴でした。
最も考えられるのが、脊椎の損傷では?
「地獄の神話」で「バイクに揺られる激しい任務には耐えられん」と自白しています。
この流れなら、テルは引退でしょうが、それを覆す場面が有ります。
「朝食に死を」の冒頭です。

走行中の車内。不安気な依頼人。
薄笑いを浮かべる草波。
草波 「既に全員、呼び出しを掛けておりますからな。
おっつけ後ろに見える頃です」
突如、現れるバイク。
依頼人「ああ。3人だけでな。いや。4人・・5人・・6人」
さっそうと走る6人のワイルド。・・・あれ? 1人足りません。
と言う事は、バイクに乗らないワイルドが1人居るという事。これ、テルですよね。
皆様。テルは現役です。しかも、非情な草波が、ワイルドの一員と認めているのです。
相当な活躍をしていると見るべきでしょう。

活躍している筈のテル。その任務とは何でしょうか?
読者の前にさえ現れない以上、極秘と考えられます。
敵は勿論、読者にも秘密。編集部にさえ秘密。ついでに望月先生にも秘密・・・?
ははは。さすがに、それは無いですよね。
でも、それくらい機密性の高い任務に就いていると思われます。
しかし、謎を解くヒントは有ります。それが「地獄の神話」前半。
復帰したテルが、最初にして最後に登場した、あの貴重な証言です。

彼は敵前で「頭だけは十分、生かせる」と主張しています。
成程。仮定に基づき、密かに潜入、トリックを暴き、そして証拠も掴みました。
以前のテルとは一味も、二味も違います。
態度は冷静。表情も穏やか。
一見、リラックスしている風でも、スキが有りません。
パワーショベルのキャタピラの上に座り、運転席を背にし、敵襲に備えています。

一方、テルの落ち着きぶり!
イイね。イイね。これぞワイルド7といった感じです。

潜入捜査官としての実力を買われ、ワイルドに残った証拠です。
因みに、居そうで居ないのが、潜入捜査官です。理由は簡単。違法だからです。
潜入捜査なんて、バレてしまえば命取り。
当然、捜査官は早期の事件解決を望みます。
ところが敵も、なかなかシッポを出さないから、潜入捜査が必要な訳で。
結局、早期解決を焦る余り、事件が起こるよう、誘導する傾向が有ります。
故に潜入捜査と判断された場合、司法は証拠も、証言も有効と認めません。
だから違法です。
しかし復帰後のテルは、潜入捜査官としての度量を十分に備えているのでは?
死刑執行権を持つワイルド7。潜入捜査権だって必要不可欠です。
潜入捜査官テル。渋いじゃないですか。ね。
【 謎解き 3 】 活躍ぶりは?

例え命懸けで握った証拠でも、法的効力が無いからです。
通常の逮捕、立件、書類送検、起訴に持ち込む手順は不可能です。
司法が認めません。
ワイルド7が敵を抹殺する以外、手段は有りません。
できなければ、テルが死にます。
彼の立場は、それ程、危険です。
秘密厳守が鉄則。恐らく連絡系統は、草波ただ1人。
他のワイルド達にも秘密でしょう。

さらに、草波が倒れても、窮地に陥ります。
うむむ。厳しいですねえ。生き残れるか否かは運次第って感じです。
と、ここ迄はストーリーの断片から、合理的に推測できるテルの立場です。
さて、いよいよテルの、その後の活躍ぶりを探ってみましょう。
ここからは裏読みです。
間違っているかも知れません。別な見解をお持ちの方は下のコメント欄に書き込みを。
盛り上がりますよ。楽しみにしています。では私から行きます。
「運命の七星」編
ワイルド7の人数は僅か7名。精鋭とは言え、少数です。
そんな彼らの戦法は、首謀者に的を絞る事です。
その意味で手強い敵とは、人数が多い事。その人数が広範囲に拡散している事。
そこが何処で、誰が敵なのか判らない事。そして首謀者が、その中に隠れてしまう事です。
故に、肉鉄が率いるガードマンシステムは、慎重さを要する敵でした。
その為、飛葉が自ら潜入捜査をしています。
専門外の飛葉までが潜入したのです。テルの潜入は当然と言えましょう。
勿論、目的は別。恐らく連絡網の遮断です。
ガードマンシステムは300台のポルシェと、それを操る戦闘員で構成されています。
銃火器は、シャレに成らない威力。まるで軍隊です。
一斉攻撃を受けたら、ワイルド7でも、勝ち目は有りません。
ところがガードマンシステムの攻撃は、いつも少数。大軍の利を活かしていません。
ここで裏読み。

実は、意外と簡単なのです。
中央司令部は警戒厳重なのが普通です。
が、電波塔を警備する者は、何故か居ません。
容易に接近可能です。
電波塔のブースター(増幅器)の電力を落とせば、電波は弱すぎ、届かなく成ります。
でも一応、出ている事は出ているので、直ぐには気付かれません。
この状況では、組織が広範囲であれば、あるほど麻痺し易く成ります。
見事に弱点を突きました。
冷静沈着なテルらしい仕事と思いませんか。
「朝食に死を」編
こちらは核兵器の密造です。依頼者は自衛隊の高級官僚。隠密裏の解決が希望です。
さすが大物だけあって、目の付け所が良い。ワイルド7は適任です。
日本に核兵器は有りません。多分、無いんじゃないかな。無いかも知れません。
でも濃縮核燃料は日本にも有ります。原子力発電所で使っている物がそうです。
だから核兵器の密造は、不可能な話では有りません。
しかし優秀な人材を多く必要とします。相当、大きな組織と予想できます。
その中核が自衛隊の内部に有るらしいとの事でした。
ワイルド7は、核兵器の隠し場所、北海道に向かいます。
そして札幌雪祭り会場で、美しい氷の芸術を背景に、激しい戦いを繰り広げます。
でも良く見ると現役自衛官が居ません。

自衛官は戦闘のプロです。
銃火器頼みのガードマンシステムの連中とはレベルが違います。
ほんの数名が居るだけでも、戦況は著しく変わった筈です。
ここで裏読み。
自衛隊の基地は札幌、又は、その周辺には有りません。
そして陸路も限られています。
テルが、それを塞いだと考えては如何でしょうか。
雪まつりの時期は2月上旬。
険しい地形なら、簡単に雪崩を起こせます。
しかし雪で塞がれた道を通過するのは、至難の業です。
勿論、常日頃、訓練を怠らない自衛官です。
短期間で体勢を立て直すでしょう。
でも、その僅かな時間は、勝負の分かれ目と成ります。
さすが。テル。良い仕事してますねえ。
さあ、貴方も。そして貴方も。裏読みでテルを探しませんか。

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神田雅治 さんのプロフィール

投稿ありがとうございました。
毎回深いウンチク&各メンバーへのエール、楽しみながら読ませていただいてます。
次回作も期待していますので、よろしくお願いします。 (事務局/yazy)
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2017/02/04 at 8:53 AM
こうゆう角度から読み説く方法も
あるのかと敬服しました。
この内容のアナザーストーリーで
短編1本作れそうですね。
しかし、謎多きメンバーですよね。
死刑に匹敵する悪いことをして無さそうだし、
せっかく新メンバーに加わったのに、やられ役が
多かったです。
そして、最大の謎は、テルの生死です。
どこかで、望月先生のコメントは、ありましたでしょうか?
2017/02/05 at 2:37 AM
中盤以降も『メンバーは7人』というセリフや表現が出てくるも、どう数えても足りなかったのです。
テルを入れれば納得いきます。そして『いつも七人』という想いを込めた飛葉ちゃんの気持ちも・・・
想いのこもった考察、ありがとうございました!
2017/02/06 at 5:09 AM
このように喜んで頂けると、嬉しいです。また、書いてしまいますよ。
次は、そうですねえ。デカをテーマにしては、如何でしょう?
現役メンバーは、ユキを除いて、全員、使っちゃったし。
ユキは既に、沢山 投稿されているし・・
後は 途中退場のメンバーだけですから。
編集部の皆様。架空の場面に、素晴らしい挿絵。御見事でした。
この次の投稿も、宜しく御願い致します。ね
2017/02/06 at 12:56 PM
敵の事務所に乗り込んだ飛葉が、ボンに爆弾を落とす計画が進行中と告げられ、撃たなければ無線で爆撃機を引き返させると、逆に脅されます。「撃たない」と約束した飛葉でしたが、それは時間稼ぎの罠で、周囲を敵に包囲されます。しかし爆弾は敵の背後に落とされ、飛葉は難を逃れ、「俺が無線で指令した」と言いますが、身動きの取れなかった飛葉がどうやって無線を無線を使ったのか、不思議でした。
これがテルのやった仕事で、一瞬で状況を把握した飛葉が、テルの存在を隠す為に「俺が指令した」と言ったと考えれば謎は解けます。
後期ワイルド7は草波を含めて7人でワイルド7かと思ってましたが、こういう解釈もあるんですね。
この辺の所は先生の未来へ向けての謎かけだったのかもしれません。
2017/02/07 at 4:16 AM
と、年甲斐にも無く、絵文字を使ってしまいました。
ナルホド。ナルホド。
ここら辺、重点的に読み返してみましょう。
何処かにテルと思しき姿が見つかるかも・・・フフフ
2017/03/08 at 6:37 AM
2017/03/10 at 3:06 AM
教育係ですか。これは全く違う視点ですねえ。ナルホド
2017/09/19 at 11:22 AM
今後も微力ながらお手伝いさせて頂きます。