月刊望月三起也タイトル画像
望月マニ也

第103回

青春の決着

執筆者:   2020 年 8 月 14 日

作中でわずかに明かされた情報から、あの男をプロファイリング。ファン魂の妄想爆発で、ご存じのシーンも読み返せばきっとスパイスが加わるはず。

DK_001_2 ワイルド7は重犯罪者の集まりです。
もっと簡単に言えば、死刑囚たちです。
命令に背き、解雇されれば拘置所行き。
死刑を待つ身と成ります。
つまり、戦って死ぬか。座して死ぬか。2つに1つ。
いずれにしても、死ぬ事に違い無し。
究極の選択を迫られた者たちです。
イヤな選択ですねえ。

 ワイルド達は「どうせ死ぬなら暴れまくって死んでやる」と入隊を希望しました。
攻撃的な人材の集団です。ところが1人、例外が居ます。
デカです。
彼は何故、入隊したのか? 何故、危険な任務を選んだのか? 謎に迫ります。

【 履歴調査 】
DK_002 動機を探る上で、欠かせないのが履歴調査です。
人となりが見えて来ます。
デカは「千金のロード」編で突然、登場します。
この時「警視庁じゃ45年も務めたベテラン刑事」と自慢しています。
連載時期は1971年3月です。
この2つの条件を組合せると彼の履歴は以下です。

 1912年 誕生
 1924年 尋常小学校卒業(12才)
 1926年 高等小学校卒業(14才) 少年警察官として警視庁に就職
 1941年 太平洋戦争勃発(29才)
 1945年 太平洋戦争終結(33才)
 1971年 ワイルドに配属(59才) 戦場突破作戦に参加「千金のロード」

 デカは明治45年、又は、大正元年生まれです。
そして、デカがワイルド7に配属されたのは59才の時でした。定年退職1年前です。

【 人物考査 】
DK_003 続いて人物考査です。履歴は明らかに成りました。
が、彼の心情までは判りません。
そこで、デカの世代の一般的な人物像を、考察してみます。

少年期
 東北訛りのデカ。出身地は東北、又は、北関東かも知れません。
当時は今ほどメディアが発達しておらず、地方出身者は方言の抜けない人が多く居ました。
警視庁を選んだのは少年警察官を募集したのが、警視庁と大阪府警しか無かったからです。
 彼は高等小学校を卒業すると同時に、警視庁に少年警察官として就職しています。
少年時代は、学業優秀だったのでしょう。少年警察官に採用とは、そう言う意味です。
郷土の秀才、又は、地元の神童と言う類の少年だった事が推測されます。
 但し、最終学歴は高等小学校です。少年警察官の階級は、今は無い雇員でした。
巡査ですらなく、最初から刑事だった事は、有り得ません。
故に45年とは警視庁での勤続年数です。刑事の経験年数は、もっと短い筈です。

青年期
 デカは日本が非常に不安定な時代に、青年期を過ごしています。
彼が45年間、警視庁勤務だったと言う事は、出兵していません。
よほど優秀な警官だったのか、そうでなければ、重病人でした。
勿論、知人、友人、職場の同僚の多くは、徴兵された筈です。
そして、その中には戦死した人も少なからず居たと思われます。
DK_005_3但し、彼も軍事訓練は受けています。
当時の警官は軍人に近く、緊急時には軍人の代行ができるよう教育されていました。

中年期
 デカが30代前半の時、終戦を迎えます。
敗戦は、日本人にとって大きな衝撃でした。
何故なら日本は、戦争に負けた事が無かったからです。敗戦は有り得ない事でした。
この世代の人々は、戦争を悔いるより、戦争に負けた事を悔いていました。
ましてや、彼自身は参戦せずして負けたのです。その怒りは何程だったでしょうか。
この時代の大多数の成人男子が、そうだったように多分、敗戦に納得していません。
恐らく、意識の中では、戦争は終わっていなかったでしょう。

壮年期
 特筆すべきは、出世が遅れた事です。
未成年で、今は無い雇員と言う最下級から始まったのです。当然と言えば、当然です。
 警察は階級社会であり、学歴社会です。地位は階級で、巡査から警視までが地方公務員。
そして、警視正、警視長、警視監、警視総監が国家公務員です。
DK_006 彼はデカと呼ばれているので、管理職でない私服警官だったと思われます。
もしそうなら階級は、巡査、巡査長、又は、巡査部長です。
一方、国家公務員試験の合格者はキャリア組と呼ばれます。
平均して25才~26才くらいで、警視に昇格します。
つまり、一生かけてデカが届かなかった地位に、20代半ばで就くのです。
 日本が豊かに成り、優秀であれば、大学に進学できる時代が訪れました。
彼は年少者たちが次々と、自分より高い地位に就くのを苦々しく見ていたでしょう。
しかも、その豊かな時代とは、デカの世代が必死で作り上げた世の中です。
秀才のデカにとっては耐え難かったに違い有りません。

【 志望動機 】
 では何故、デカはワイルド7に志願したのでしょうか。
他のメンバーと違い、究極の選択を迫られた訳でも無く、もう直ぐ定年退職です。
DK_007_2当時の公務員的な思考では、淡々と引継ぎを済ませ、静かに時を待つのが常でした。
仕事を半端にして去る事を嫌い、前線からは退き、裏方に回るのを潔いとしました。

 しかし、デカは違ったようです。ヒントは彼の台詞に有りました。
「人に言う事は山ほど有っても、言われた事は、これっぽっちも無い」と言っています。
まさに、その通り。
DK_009履歴調査、人物考査を見る限り、模範的な日本国民です。
ところが彼は、そこに、物足らなさを感じていたと思います。
郷土の神童と謳われながら、彼は参戦せず、国は負けました。
その後に訪れた時代は、彼を置いてきぼりにしました。
また妻が他界し、身軽であった事も、理由の一つでしょう。

 つまり、彼は一念発起、自分を信じ、思い切り戦ってみたく成ったのです。
この気持ち、若い人には判らないでしょうねえ。でも、私には理解できます。

【 デカの戦い 】
DK_008 ほとばしる情熱でワイルド7に志願したデカ。
「千金のロード」「黄金の新幹線」「緑の墓」「首にロープ」で次々と作戦に参加します。
ところが、殆ど活躍できず、反対に重傷を負う事も多く、彼自身も予想外だったでしょう。
私見ですが、これは当然の事と思います。
彼は自分の中に有る戦争に決着を付けたかったのです。
ところが戦争に正義は有りません。
敵と味方が居るだけ。何故なら、戦争自体が悪だからです。
ワイルド7の戦いは違います。
悪人との戦いであり、そこには正義が有ります。
つまり、デカは戦う相手を間違えているのです。
戦争は敵を殺す事だけが目的です。
錯覚したデカは、早やまった行動に出勝ちです。
それが判断ミスや、攻撃される切欠を作ってしまったようです。
確かに、ワイルド7は死刑執行権を持っています。
けれども、抹殺の対象者以外なら、殺さずに済ませるのが基本です。
そして、時には警護する対象者も居ます。常に冷静に相手を見る事が肝心です。

DK_010 しかし、さすが優秀なデカ。
次第に、この違いを理解してきたように思えます。
「首にロープ」では敵のカモフラージュを見破り、危険を予測、攻撃を避けました。
さらに反撃し、撃沈させています。
「殺すのも嫌だが、殺されるのも好かない」と苦笑さえ浮かべていました。
ワイルド7らしく成って来たと思います。
けれど、次の敵襲で、またもや重傷。
それでも彼は、最期の戦いに赴きました。
勿論、戦える状態では有りません。
例え勝っても、死は免れない程の傷でした。

DK_011 デカの死に顔は意外なほど、穏やかでした。
力尽きるまで戦い抜き、彼の中の戦争に、決着が付いたのだと思います。
また、神童の面目躍如も果たしました。
定年間際で、任務遂行中に、容疑者と戦い殉職。
二階級特進は間違いなしです。
彼の階級は不明ですが、他のワイルドが警視正なのだから、警視正でしょう。
二階級特進は警視監を意味します。警視総監に次ぐ、第2位の地位です。
最下級の雇員から始まり、警察庁のNo.2にまで昇り詰めた事に成ります。

 59年間を人の模範として生き、最期の1年で心のわだかまりを払拭しました。
見事な人生です。これで、また一つ、太平洋戦争が終わりました。
デカの冥福を心より、お祈り申し上げます。
DK_012



=============================================
clearfile_01「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。

「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!

是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp

=============================================




望月先生のコメント
神田さん、投稿ありがとうございます。
まさかデカの話題を扱う日が来るとは思ってもみませんでした。

作中では語られなかった事を細切れの情報から読み解いて、その人なりに想像していく事は、ファンであれば一度は経験する遊び方です。
ただ神田さんの場合は、相変わらず知識と想像力による補完の度合いがハンパない!
仰天の内容でした。
今回は年齢の特定など、掲載時の情報から逆算した一つのアンサーではありますが、例えば飛葉ちゃんにしても読んでいた時にカッコイイお兄さんだった印象の人もいれば、最初から自分より年下に感じながら読んでいた人だっているはずです。
キャラやストーリーの裏読みの面白さは、触れたタイミングだけでなく、その人が歩んできた時代や経験などによって、それこそ読者の数だけ正解があるところだと思います。

戦後も75年となり当時を知る人は限られてきましたが、世の中では自然災害であったり社会や健康の問題など、人生に大きな影響を与えてしまうような出来事は今なお続いています。
そんな中で生きている血の通った人物のように、キャラクターたちの生きざまを「俺はこう思う」「私はこう受け止めた」と語る事は、非常に作品愛に溢れた素敵な楽しみ方なんだと思います。

真実は永遠に謎となりましたが、思わず「そうきたか!」「それいいね!面白い」とヒザを打つような作品の裏読み、みなさんの中の【俺のワイルド7】がありましたら是非教えてください。
ファン仲間だけでなく、きっと三起也先生も喜んでくれるのではないでしょうか?
実際に聞いてみたら、アッサリ「そーだったかなァ、そんなコト描いたっけ?」なんて言われそうな気もしますが……(事務局/yazy)

  固定リンク   |   トラックバック(20)


コメント/トラックバック

  • batcave1 :
    筆者の戦争に対する解釈の決めつけは違うと思うので、別の解釈の方がリアルだと思います。
  • batcave1 :
    追伸。ワイルドセブン全員が死刑囚ではないと思います。設定が曖昧です。
  • 神田雅治 :
    batcave1様。 早速のコメント、有難う ございます。
    >筆者の戦争に対する解釈の決めつけは違うと思う・・・
    うん。 成る程。 その通りです。
    でも この投稿は、最も判り易い表現で、お伝えしたかっただけです。
    例えば「太平洋戦争」は、当時、日本では「大東亜戦争」と呼ばれおり「太平洋」は 米国の視点に過ぎません。
    日本は 他に、中華民国、イギリス、オランダとも戦っていましたし、それらは 日本が 勝ったまま 終わっています。
    つまり、負けた国々が 戦勝国と呼ばれる事に成りました。
    戦争ほど 多面性を持った事象も 珍しいでしょうかねぇ。
    ただ デカは「こう考えていたんじゃないか?」と思い、書きました。
    個人的、偏見に満ちたプロファイリング!
    ははは。 yazy氏の言う通り・・・かな?
  • 灰になるまで :
    素晴らしい考察です。
    少しウルっときました。

    デカは、「当時の望月漫画のウィット感で登場したキャラ、そういうもんだ、深くは考えまい」と納得させて読んでいましたが
    この考察を読んでシーンを思い出すと、すごくカッコイイキャラに
    思えてきます。
    壮絶な最期もしかり。
  • batcave1 :
    少年警察官・・知りませんでした。また明治生まれの可能性もあるとのこと、いやあよく考察されていますね。自分も歳を取ったんだからワイルド7も遠くなっていくのも当然ですね。バイク騎士事件の単行本を買ったのが付き合いの始まりで、小学校低学年で正月三が日にお年玉で入手しました。他のメンバーについてもリアルな考察をお願いします。アニメ化の時の新設定は別物と思うからです。望月先生オリジナルではないゆえに。ヨロシクお願いします。
  • batcave1 :
    素晴らしい考察、本になりませんでしょうか?
  • 西園寺ちーむ :
    >そんなコト描いたっけ?

     yazyさんのコメント・・・
    言い切れないかも知れないけど、作者も意識せずに描いているのかも知れないし意識していたかも知れない、誰にもわからなくなっていることもあるんでしょうね。
    でもキャラの設定は一応しているのでしょうけど・・・。

     頭に過ったのが新wild7野獣伝説で7人揃えて波止場からバイクで船に飛び乗るシーン、あそこで二人が飛び乗れずあっさり5人になってしまい、武器の空輸でしたか、その運びや二人があっさりwildの一員に。バイクの二人は顔すら描かれていなかった。
     デカさんのキャラにしてもなんらかの思い入れは在って作っていたんでしょうね。

     神田雅治さんの過去記事(あとでいつか読も)を読んだ記憶がなかったのですが、読んでくうちに最後まで読んでしまっていました。
    (まったく余談なんですが私個人は福山雅治のファンではありません。)
  • 神田雅治 :
    灰になるまで様へ

    おだてるのが お上手ですねぇ。 実は 私、おだてられると 調子に乗るタイプです。
    事務局が 終戦記念日の前日に UP させたのも、効果的でしたか?
    ナイス・タイミング!
  • 神田雅治 :
    batcave1様へ

    > 他のメンバーについてもリアルな考察をお願いします

    これまた、おだてるのが お上手で。
    本気にしますよ。 また、書いてしまいますよ。 ははは。
    次に取り上げるとしたら、セカイ・・・かな?
    「都市伝説のセカイ」なんて如何でしょう。

    因みに・・・考察とまでは 行きませんが、各メンバーをテーマに書いた投稿は以下。
    「ワイルド7・オールウェイズ」・・・飛葉
    「ワイルド7な用語の定義と解説」・・八百
    「悪事の経営者たち」・・・・・・・・ヘボピー
    「犯罪者の美意識」・・・・・・・・・オヤブン
    「MVPは誰だ」・・・・・・・・・・両国
    「7人目の男」・・・・・・・・・・・テル

    右欄の「★執筆者」で 神田雅治を 選択すると 出てきます
  • 神田雅治 :
    西園寺ちーむ様へ

    私は 福山雅治と 2km 離れれば、瓜二つと呼ばれています。
    つまり、とても ハンサムなのです。 わははは。

    過去記事も 是非、読んで下さい。 御願い致します
  • Shyun :
    ふと思ったのですが、『バイク騎士事件』の時、ラストで証言のメモを燃やした警官がデカに似てるんですが、あれは別キャラなんでしょうか? あの時に草波と知りあった様な気がしたんですが……。
  • 神田雅治 :
    Shyun様へ

    本当に、よく似ていますよねぇ。
    実は 私も「同一人物か?」とも 思いました。
    でも、確か あの警官は 署長だったと 記憶しています。
    ならば、デカ(刑事)とは呼ばれません。

    てな訳で、他人の空似と言う事で、そこは 何とか・・・
  • ちたまんが :
    ☆☆

    お久しぶりです
    今回は ブロ友の
    『リングの薔薇』が バイブルだとの言葉で
    そんなのあったンだww と 検索してて
    再び ここに 辿り着きましたww
    で、
    デカ ですww
    当時は お荷物にしか思ってなかった彼の人生が
    この考察を読んで まるで古い友人のように感じましたww
    さらに
    【敗戦に納得していない】人の存在
    あ~、確かに きっと戦争を悔いてた人ばかりではなくて
    こんな思いの人もいたんだろう・・・そう想像出来ますね
    この感情は 個人的には 初めてのモノですが …
    でも、そう考えて初めて納得出来る 色々な人の行動や思想がありました
    最近、朝ドラを見てて よく思うことがあります
    何故、あの戦争は起きたのか?
    敗戦前の 日本人にとっての戦争とは・・・
    そんなことを思いながらドラマを見ていると
    戦争によって景気がよくなり 喜ぶ人々や
    勝ことで 更新されてゆく 勝者の理論で
    人を殺すことさえも 正義になってしまう間違いが
    きっと、敗戦を経験しないと 今に辿り着けなかったのかも
    そんな 気がしました
    いや、【敗戦に納得していない人たち】は
    きっと、まだ居て・・・いや、もしかしたら新しく生まれているのかも
    ボクは 今の日本が好きです
    どうか 戦争を出来るような 国にはなってほしくありません

    なんか 話しが 別なモノになってますが・・・
    【デカ】の考察、素晴らしいです!ww
    (*^_^*)b
  • 神田雅治 :
    ちたまんが様、書き込み 有難うございます。 著者の神田です。

     私も平和が一番だと思います。 殆どの人が、そうじゃないでしょうかねぇ・・・
    では何故、戦争が起こるのか?
    一つは「貧困」 もう一つは「偏見」 要は「憎しみ」ですよね。
    憎しみから生まれた物に 正義が有ろう筈も ありません。

     しかし、憎しみは そう、簡単に消えません。 ここが、問題。
    例えば 国際連合なんか典型例でしょうか? 英語では United nations。 国連軍と言う意味です。
    今でも 軍隊が基本なんですよ。 当然、敵国条項も有ります。
    敵国とは ドイツ、イタリア、ブルガリア、ハンガリー、ルーマニア、フィンランド、そして、日本です。
    特に、憎まれているのは 日本でしょう。 主要国の植民地支配を 終わらせたのは、実質、日本ですから。
    これが、ジャパン・パッシングが なかなか無くならない理由です。
    しかし、また 有色人種の国に ダントツの人気が有る理由でも あります。

    >戦争を出来るような 国にはなってほしくありません
    勿論、これが理想です。
    でも「日本よ、強くあれ」と望む国。「日本は武器を持つな」と圧迫する国。 様々です。
    双方とも、相反するようで、似ているのが 日本に対するイメージでしょう。
    それが、これ。 http://kaigainohannoublog.blog55.fc2.com/blog-entry-1365.html
    日本は アジアの宗主国だそうです。 目立つ国は 本当に 大変ですよね。
  • こおり :
    まず、私には「決めつけ」には感じられませんでしたね。
    様々な解釈がありうるなかで、冷静に一人のあったかもしれない人物像を追う、カット割り、アングル、そして描写の見事さが感じられました。
    大正生まれ、昭和ひと桁世代の方々の、歴史に翻弄され、個人の素養能力が発揮できなかった、そんな多くの人生が、埋もれています。高度経済成長を牽引した偉人達とともに、無言で働いてきた方々。

    みなさん、こだわりのワイルド7をお持ちでいながら、お互いに尊重しあうのは、望月先生のなせる業と感じ入っております。
  • 神田雅治 :
    こおり様、書き込み 有難うございます。 著者の神田です。

    > 見事さが感じられました。

    また また、お上手ですねぇ。 少し、照れます。

    > 歴史に翻弄され・・・

    そうです。 これこそが、私が見たデカの人物像です。
    勿論、他の解釈を お持ちの方も いらっしゃるでしょう。
    そのような方々。 投稿、御願いしますね。 楽しみにしています。
  • 匿名 :
    他作品ですけれど、アストロ球団の氏家とかも、敗戦に納得できず、死に場所を探していたキャラでしたね。まあ、何千万人も殺された国々からすれば、ふざけんなという話ですけれど。
    謎なのは、デカの思いは良いとして、厳選・精鋭主義の草波さんが明らかに能力の劣るデカを採用したことですね(テルも同様ですが)。
    「人数足りないよ、草波さん、もうバイク乗って銃を撃てれば何でもいいから」
    みたいな突き上げでもあったんですかね。あるいはメンバーに直情型が多いから、飛葉を冷静にサポートする参謀・サブリーダー・仲介役を期待していたんですかね。
  • 神田雅治 :
    匿名様。
    コメント、有難うございます。そして、あけましておめでとうございます。
    デカが採用された成り行きですか・・・
    ううん。確かに難しいですねえ。他のメンバーと違い過ぎます。
    でも、元々、任務が過酷なので、志願者が多いとは思えません。
    それ故、選択肢が少なかった・・・と言う事は有ると思います。
  • 神田雅治 :
    あ。後、本人(デカ)の情熱でしょうね。
    それだけあって、勇敢さは特筆したものが有りましたよね
  • ハルト・ハイデルン :
    デカ。
    初めて存在を知ったのは自分が初めてワイルド7文庫版を買った「首にロープ」編。
    その時はまだテルを知らなかったし、チャーシューも世界も知らなかったからデカとユキが追加メンバーのイメージです。
    さて、太平洋又の名を大東亜戦争。自分の祖母やかつての職場先の被介護者の方々が経験したであろう、いつ死ぬかも分からない日々。正直、大帝国と呼ばれた日本に賛同しない人間からすれば精神が擦り減ってもおかしくないと思います。
    それでもなお現在まで敗戦を受け入れられない人間は多く、というのも、10年後の朝鮮戦争にてかつてのアメリカのように支援による莫大な利益を稼いだ為、「もはや戦後ではない」という言葉が出る程潤ってたそうです。
    ただ自分が思うにその言葉は敗戦を受け入れられない人々からすればかなり悔しいのではないか、敗戦からアメリカの領土となり、朝鮮戦争にアメリカの傘下に居たからこその利益など、屈辱なんてものじゃないと思います。
    今回のデカも見るからに歳ですし、「千金のロード」で45年という台詞が出るのはベテランだと遠回しに言ってるようなもの。煽ってるようなあの台詞も多分、自分より明らかに年下の飛葉がリーダーだったり、当時のサブリーダーがヘボピーであることも納得してなかったんだと自分は思います。
    関係ない話ではありますが、自分はこのデカがワイルド7でもトップクラスに好きなキャラで、その中にチャーシューとヘボピー、オヤブンがいます。
    実は自分も両親や親戚に神童とまでではないですが持ち上げられつつ育ちました。しかし蓋を開ければ心身共に弱く他人の話もまともに聞けず、挙句頭も悪い為、両親は最近までヒステリックに陥り、自分には祖母以外まともな協力者も味方もいませんでした。
    詳しい設定はないものの、デカも作品内では優秀とは言い難く、前へ出れば重傷を負い、他メンバーからカバーされつつ撤退するのが日常茶飯事だったはずです。
    ただ自分と違うのがそんな中でもワイルドのメンバーは(テルは特に言及されていない)なんだかんだ優しく、まるで介護のようにも見えるそれは当時友も仲間もいない自分にとって羨ましいものでした。
    しかし「首にロープ」で本人が言ったようにまともに事件に関わることも出来ない彼にとっては、その優しさが辛いものだったことも今の自分だと理解できます。
    尚も任務を遂行しようとして最期となった彼の側に来た飛葉も、病院に見舞いに来た両国も、動かなかった時に革命家達と交渉しつつ戦ったオヤブンも、最初に忠告してくれたヘボピーも、八百にユキ、同期のテルも。皆、デカには優しかったように思えます。
    感想にはなりますが、そんな怪我ばかりの複雑な心境を考察してみせた神田さん、素晴らしいものを見せていただきありがとうございました。

コメント


トラックバックURL


表紙 » 望月マニ也