1950~1960年代は、外国映画で恐怖映画がブームになり、フランケンシュタイン、狼男、ドラキュラという怪人を主人公にした映画がいくつも製作されました。
中でもそのイメージを決定付けたのがクリストファー・リーが演じたドラキュラです。
その影響は日本の漫画界にもやって来ました。
手塚治虫先生は「バンパイヤ」や「ドン・ドラキュラ」、さらに「ブラック・ジャック」の中でもドラキュラを題材にしたエピソードを発表されました。
水木しげる先生は「ゲゲゲの鬼太郎」の中で吸血鬼が登場するエピソードを何度か描かれています。
藤子不二雄Ⓐ先生は「怪物くん」や「魔太郎がくる!!」でドラキュラを描かれています。
我らが望月先生もその流れで吸血鬼を描かれていました。
それがこれからご紹介する「恐怖の館」という恐怖漫画です。
あらすじをご紹介すると
舞台はベトナム戦争のまっただ中の野戦病院。
そこで夜な夜な起こる怪事件。
体から一滴の血も無くなり、かさかさになった死体が今日も一人…、明日もまた一人…。
政府軍の新兵器の毒ガスが原因ではないかと噂され、誰も不審に思わなかったが…。
その怪事件が起こる野戦病院には「野火博士」がいつもいた。
東京在住で「タイムス」の芝記者は、「ベトナムの救世主」と地元新聞に載った「野火博士」の顔を見て、日露戦争で祖父と一緒に写っていた男だと気付き驚愕する。
そこである仮説を立て、調査をした結果、江戸時代末期、戦国時代さらには平安時代にまで遡り「野火」という名前の人物が存在していた事実を文献で探し出し、信じられない結論にたどり着く…。
3ヶ月後自身の仮説が正しいかどうかを確認するため、ベトナムに赴き、日本記者クラブのメンバーとともに野火の自宅で真相を確かめる事になる。
その日たまたま所用で一人遅れた芝だったが、屋敷内に案内され食堂のテーブルに着くと、まだ誰も来ていない。
はたして野火の正体は…?他の皆は何処に?
吸血鬼を題材にした従来の映画・漫画の常識を覆すべく、話の展開は望月先生ならではの味付けで構成され、ラスト主人公の芝が追い詰められピンチとなり、あわやというところで望月先生ならではの伏線が活かされ、みごと吸血鬼を退治します。
ここまできて「恐怖の館」は読んだ事がないはずなのに、あれ?このエピソードに覚えがあると思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうです、この「恐怖の館」という作品は、まず1966年に集英社の「少年ブック増刊号」で発表されましたが、翌1967年には「吸血鬼」とタイトルを変えて、少年画報社の「少年キング増刊」にも掲載されました。その後は「吸血鬼」で単行本などに収録されています。
「吸血鬼」は、角川ホラーコミック傑作選第2集「闇の画廊」というアンソロジー集にも収録されています。
こちらは監修を小説家の菊池秀行先生※がされており、巻末に望月先生との会話が収録されています。
未見の方は、是非一度ご読あれ。
1966年 少年ブック夏の増刊号(集英社)8月20日号
1967年 少年キング増刊(少年画報社)8月1日号
1972年 キングコミックス(少年画報社)「秘密探偵JA」15巻併録
1984年 スターコミックス(大都社)「秘密探偵JA」7巻併録
1996年 角川ホラーコミック傑作選第2集「闇の画廊」収録
2000年 漫画文庫(ホーム社)「秘密探偵JA」9巻併録
※菊池秀行
日本の小説家、SF作家、ホラー小説家、作家。武器・銃器マニアとしても知られている。
望月先生とは古くからの知り合い。
『賞金荒らし』『テキサス包囲網』(徳間書店)、『ウエスタン忍風帳』(創土社)と著書の表紙絵を望月先生が描いた事もある。
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「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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中でもそのイメージを決定付けたのがクリストファー・リーが演じたドラキュラです。
その影響は日本の漫画界にもやって来ました。
手塚治虫先生は「バンパイヤ」や「ドン・ドラキュラ」、さらに「ブラック・ジャック」の中でもドラキュラを題材にしたエピソードを発表されました。
水木しげる先生は「ゲゲゲの鬼太郎」の中で吸血鬼が登場するエピソードを何度か描かれています。
藤子不二雄Ⓐ先生は「怪物くん」や「魔太郎がくる!!」でドラキュラを描かれています。
我らが望月先生もその流れで吸血鬼を描かれていました。
それがこれからご紹介する「恐怖の館」という恐怖漫画です。
あらすじをご紹介すると
舞台はベトナム戦争のまっただ中の野戦病院。
そこで夜な夜な起こる怪事件。
体から一滴の血も無くなり、かさかさになった死体が今日も一人…、明日もまた一人…。
政府軍の新兵器の毒ガスが原因ではないかと噂され、誰も不審に思わなかったが…。
その怪事件が起こる野戦病院には「野火博士」がいつもいた。
東京在住で「タイムス」の芝記者は、「ベトナムの救世主」と地元新聞に載った「野火博士」の顔を見て、日露戦争で祖父と一緒に写っていた男だと気付き驚愕する。
そこである仮説を立て、調査をした結果、江戸時代末期、戦国時代さらには平安時代にまで遡り「野火」という名前の人物が存在していた事実を文献で探し出し、信じられない結論にたどり着く…。
3ヶ月後自身の仮説が正しいかどうかを確認するため、ベトナムに赴き、日本記者クラブのメンバーとともに野火の自宅で真相を確かめる事になる。
その日たまたま所用で一人遅れた芝だったが、屋敷内に案内され食堂のテーブルに着くと、まだ誰も来ていない。
はたして野火の正体は…?他の皆は何処に?
吸血鬼を題材にした従来の映画・漫画の常識を覆すべく、話の展開は望月先生ならではの味付けで構成され、ラスト主人公の芝が追い詰められピンチとなり、あわやというところで望月先生ならではの伏線が活かされ、みごと吸血鬼を退治します。
ここまできて「恐怖の館」は読んだ事がないはずなのに、あれ?このエピソードに覚えがあると思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そうです、この「恐怖の館」という作品は、まず1966年に集英社の「少年ブック増刊号」で発表されましたが、翌1967年には「吸血鬼」とタイトルを変えて、少年画報社の「少年キング増刊」にも掲載されました。その後は「吸血鬼」で単行本などに収録されています。
「吸血鬼」は、角川ホラーコミック傑作選第2集「闇の画廊」というアンソロジー集にも収録されています。
こちらは監修を小説家の菊池秀行先生※がされており、巻末に望月先生との会話が収録されています。
未見の方は、是非一度ご読あれ。
恐怖の館 |
吸血鬼 |
1972年 キングコミックス(少年画報社)「秘密探偵JA」15巻併録
1984年 スターコミックス(大都社)「秘密探偵JA」7巻併録
1996年 角川ホラーコミック傑作選第2集「闇の画廊」収録
2000年 漫画文庫(ホーム社)「秘密探偵JA」9巻併録
※菊池秀行
日本の小説家、SF作家、ホラー小説家、作家。武器・銃器マニアとしても知られている。
望月先生とは古くからの知り合い。
『賞金荒らし』『テキサス包囲網』(徳間書店)、『ウエスタン忍風帳』(創土社)と著書の表紙絵を望月先生が描いた事もある。
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アクションだけが望月マンガの面白さではないですよね!
まだまだ読んだことのない作品が飛び出すのではという期待を、ファンのみなさんと一緒に楽しみにしています。
これからもよろしくお願いします(事務局/yazy)