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【ひとこと作品紹介】セールスマン戦記

hitokoto_img第7回

セールスマン戦記

執筆者:Ken

今回もKenさんが、90年代の連載作でありながら単行本としてまとめられるのは困難だった貴重なシリーズを選んで紹介してくれます。
日本人セールスマンが謎の美女と紛争地帯で事件に巻き込まれる、大人向けアクションの真骨頂がこの作品。

【作品名】
セールスマン戦記

【掲載誌】
1992年「皆(KAI) 」(スコラ)
Vol.1(スコラ2月12日号増刊)~Vol.2(同4月8日号増刊)
2話連載
各話読み切り

【あらすじ】
舞台はクウェートの歯科医院。
治療を受けるため、待合室で男性と女性が待っている。
男性は日本人の下着セールスマン、女性はフランス人のファッションモデル風でお高くとまった美女。
二人とも名前が無い。
男は順番が来て治療室に入るなり、頭を殴られ気を失う。
眼が覚めると部屋の中には先の美女と二人きり。

そのとき、窓から外を眺めると世の中は一変して「戦争」が始まっていた。
男は急いで日本大使館へ向かおうとすると、美女から連れて行って欲しいと頼まれ、ほっとけずに一緒に車に乗って出発する。

戦場と化した砂漠を苦労して進んでいると、前からアメリカCIAと名乗る一団がやってきた。
ミサイル配備図を何者かに盗まれたので探しているという。

自分たちはサラリーマンとモデルだから関係ないと説明するが、彼らは「一流スパイは怪しい素振りは見せないのだ」と言って、二人を拷問して調べようとする。
最初に美女が選ばれ、砂漠の上に鉄板を敷き、酒瓶を載せ、不安定なその上に裸で立たされてしまう。
よろけて倒れたら大火傷を負うことになる。
そのうちに足が震えだし、まさに倒れると思ったその瞬間、男は見るに見かねて「やめろ!これがリストだ」と叫ぶ。

もちろん男はスパイでは無く、それは配置図ではない。
実は下着販売のためのお得意様名簿で、時間稼ぎのつもりで、後のことは考えずに口走ってしまったのだ。
男が名簿を渡そうとしたとき、中に見知らぬ資料が挟まっているのを見つけた。
どうやら彼らが探している配置図のようであり、いつの間にか誰かによって差し込まれたようだ。
これが見つかったら、スパイ容疑で殺されてしまう。
大ピンチとなったそのとき、自由の身になった美女が、すかさず相手の武器を奪い、百戦錬磨の男たちを次々となぎ倒す。
実はCIAと名乗った一団は単なる盗人で、美女こそが本物のCIAの工作員だったのである。

ピンチは去り、二人は仲良くなった。
【作品解説】
『セールスマン戦記』というタイトルだけから内容を想像すると、男性セールスマンが主人公のバリバリの戦記ものの作品かと思いきや、ファッションモデル風の美女が、勇ましい敵をスカッとやっつける主人公なのだった。
読者はきっとタイトルと中身にギャップを感じながら、その展開には思わずアッと驚くような痛快な作品と思うに違いない。

そして大人の男性誌という場を有効活用して、主人公の美女が闘うときはいつも裸もしくはそれに近い状態である。
女性主人公による堂々のお色気アクションシーンは望月作品の中でも珍しい。

ちなみに2話が連載され、第2話の最後で「つづく」と書いてあるが休刊のため完結。
ただし1話読み切りなので、ストーリーはクローズしている。
未収録作品であり、是非とも単行本に収録して欲しい作品のひとつである。



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2020 年 2 月 9 日   固定リンク   |   トラックバック(0)


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