第二次世界大戦末期の1945年3月7日に、ライン川に残った唯一の橋であるレマゲン鉄橋(ルーデンドルフ橋)をめぐる連合軍とドイツ軍の攻防戦が行なわれました。
ルーデンドルフ橋は攻防戦の後の10日後の3月17日に崩壊して、再建されることは無く、現在は両岸の橋桁が残るのみ。
1980年にレマゲン側に残る橋桁の内部が改装され、平和博物館として現在も公開中です。
その史実をスペクタクル巨編として製作された映画が『レマゲン鉄橋』(1969)で、監督:ジョン・ギラーミン、主演:ロバート・ボーン他でした。
多分、望月三起也先生がサッカーの試合を見にドイツに行かれた際に、この平和博物館に立ち寄られて、その場で閃いて帰国後描かれたと思われる作品が『橋 TroubleWriter』です。
ここで簡単にあらすじをご紹介。
トラベルライターの「俺」は、心臓に疾患が有るにもかかわらず日本からわざわざ来日した「堀花子」さんから、第二次世界大戦で行方知れずになった日独ハーフの夫を探して欲しいと頼まれ、滞在費を稼ぐために戦時中に撮ったたった一枚の橋の写真だけを頼りに人捜しを引き受ける。
捜索の途中で立ち寄ったライン川沿いの夫婦が経営する古びたホテルで働く「ペーター」と言う老人と知り合う。
彼から昔この場所にも橋が架かっていた事を聞き、それがルーデンドルフ橋だった。
そして写真が撮影された場所がここだと確信するが、奇しくもそのホテルの立ち退き話を強行に行なおうとしているアメリカ実業家とのトラブルに巻き込まれる。
実業家の夢は広大なライン川沿い一帯の土地を買い占め、第二次世界大戦中の戦闘シーンを再現する「動く戦争博物館」を建築する為だった。ある理由の為、土地の権利を譲らないペーターに業を煮やした実業家は、立ち退きの権利を賭けて男らしく決闘でケリを付けようと提案し、300m離れたライン川を挟んで20:00丁度に撃ち合う約束を交わす。
実はその二人は、第二次世界大戦中の米軍憲兵大尉と独軍兵士としてルーデンドルフ橋を巡って戦った宿命の敵同士だった…。
ずるがしこい大尉は、弾丸の火薬量を細工して撃つと銃が暴発するライフルを対決用に事前に渡そうとしていた…。
今回のミリタリーウェポンは「37mm対戦車砲(3.7 cm Panzerabwehrkanone 36)」です。対戦車砲として開発され、牽引車両に頼らず人力で陣地転換できる軽量さを買われて空軍の降下猟兵をはじめとする軽歩兵部隊が運用していました。
バリエーションとして、Sd.Kfz.251に搭載された「Sd.Kfz.251/10」が有りました。
そして歴史的事実を秘めた「ルーデンドルフ橋」こそが、今回の最大のミリタリーウェポンです。
その橋の存在が無ければ今回の話は生まれなかったわけで。
私も生きている間に一度は訪れてみたい場所です。
写真は2年前にドイツ旅行をした娘が撮影してくれた「ルーデンドルフ橋」です。
それにしても「動く戦争博物館」という発想は、『W7』にも「D-ディ」を再現したテーマパークが登場しましたが、望月先生はそういうのがお好きだったのですね…。
ところで、皆さんはご存じでしたか?
東京の隅田川に架かる「永代橋」は、実は「ルーデンドルフ橋」をモデルにしており、現存最古のタイドアーチ橋かつ日本で最初に径間長100 mを超えた橋でもあります。
ビッグコミックオリジナル 1979年6月15日号掲載
サンコミックス『うるとらSHE』第3巻巻末に収録
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「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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ルーデンドルフ橋は攻防戦の後の10日後の3月17日に崩壊して、再建されることは無く、現在は両岸の橋桁が残るのみ。
1980年にレマゲン側に残る橋桁の内部が改装され、平和博物館として現在も公開中です。
その史実をスペクタクル巨編として製作された映画が『レマゲン鉄橋』(1969)で、監督:ジョン・ギラーミン、主演:ロバート・ボーン他でした。
多分、望月三起也先生がサッカーの試合を見にドイツに行かれた際に、この平和博物館に立ち寄られて、その場で閃いて帰国後描かれたと思われる作品が『橋 TroubleWriter』です。
ここで簡単にあらすじをご紹介。
トラベルライターの「俺」は、心臓に疾患が有るにもかかわらず日本からわざわざ来日した「堀花子」さんから、第二次世界大戦で行方知れずになった日独ハーフの夫を探して欲しいと頼まれ、滞在費を稼ぐために戦時中に撮ったたった一枚の橋の写真だけを頼りに人捜しを引き受ける。
捜索の途中で立ち寄ったライン川沿いの夫婦が経営する古びたホテルで働く「ペーター」と言う老人と知り合う。
彼から昔この場所にも橋が架かっていた事を聞き、それがルーデンドルフ橋だった。
そして写真が撮影された場所がここだと確信するが、奇しくもそのホテルの立ち退き話を強行に行なおうとしているアメリカ実業家とのトラブルに巻き込まれる。
実業家の夢は広大なライン川沿い一帯の土地を買い占め、第二次世界大戦中の戦闘シーンを再現する「動く戦争博物館」を建築する為だった。ある理由の為、土地の権利を譲らないペーターに業を煮やした実業家は、立ち退きの権利を賭けて男らしく決闘でケリを付けようと提案し、300m離れたライン川を挟んで20:00丁度に撃ち合う約束を交わす。
実はその二人は、第二次世界大戦中の米軍憲兵大尉と独軍兵士としてルーデンドルフ橋を巡って戦った宿命の敵同士だった…。
ずるがしこい大尉は、弾丸の火薬量を細工して撃つと銃が暴発するライフルを対決用に事前に渡そうとしていた…。
43年前と同じ、橋を跨いで独軍側に勝ち目の無い戦いとわかっていて、時空を超えて米軍対独軍の戦いの軍配は果たしてどちらに? そして依頼された生き別れの夫は見つけることが出来るのか…? |
今回のミリタリーウェポンは「37mm対戦車砲(3.7 cm Panzerabwehrkanone 36)」です。対戦車砲として開発され、牽引車両に頼らず人力で陣地転換できる軽量さを買われて空軍の降下猟兵をはじめとする軽歩兵部隊が運用していました。
バリエーションとして、Sd.Kfz.251に搭載された「Sd.Kfz.251/10」が有りました。
そして歴史的事実を秘めた「ルーデンドルフ橋」こそが、今回の最大のミリタリーウェポンです。
その橋の存在が無ければ今回の話は生まれなかったわけで。
私も生きている間に一度は訪れてみたい場所です。
写真は2年前にドイツ旅行をした娘が撮影してくれた「ルーデンドルフ橋」です。
それにしても「動く戦争博物館」という発想は、『W7』にも「D-ディ」を再現したテーマパークが登場しましたが、望月先生はそういうのがお好きだったのですね…。
ところで、皆さんはご存じでしたか?
東京の隅田川に架かる「永代橋」は、実は「ルーデンドルフ橋」をモデルにしており、現存最古のタイドアーチ橋かつ日本で最初に径間長100 mを超えた橋でもあります。
橋 TroubleWriter |
サンコミックス『うるとらSHE』第3巻巻末に収録
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是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
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eddy-s さんのプロフィール
毎回eddy-sさんの書く記事は、色々な角度から望月作品を楽しんでいるのが伝わってくる内容に仕上がっているので圧巻です。
今回もこの骨太な読切作品に関連する映画や兵器、さらには作中で重要な役割を果たすことになる実際のルーデンドルフ橋の写真やちょっとしたウンチクまで交えてガイドしてくれている辺りが安定の望月マニ也という感じで、頼もしい限りですね。
いつも投稿ありがとうございます。
次も期待しています。
(事務局/yazy)
今回もこの骨太な読切作品に関連する映画や兵器、さらには作中で重要な役割を果たすことになる実際のルーデンドルフ橋の写真やちょっとしたウンチクまで交えてガイドしてくれている辺りが安定の望月マニ也という感じで、頼もしい限りですね。
いつも投稿ありがとうございます。
次も期待しています。
(事務局/yazy)
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2022/04/16 at 1:49 PM
そうなんですか…
漠然とした個人的幼少の記憶からすると日本の橋を造る技術は高いとの何かからの記憶がありますが、
考えると医療とかも昔はドイツ語(昔は町医者って比較的近くに有りましてカルテを書いている文字を見て何を書いてんだろうと思っていました)
でありましたし、明治初期はヨーロッパの技術を習っていたわけで(そもそもアメリカもヨーロッパ移民ですし)、
ドイツは日本と同じで資源国では無かったことからして似てるのでしょうかね?
質問ではありません。ふと思っただけです。
お邪蔓防ならぬ、お邪マン坊でした。
2022/09/08 at 12:20 AM
新wild7総集編の中でNo.7白熱のコール
だけは所蔵しており(再読の巻数に至り)まして、
そこに付録漫画として過去(千代の富士、斉藤とも子)の時代の
M.4呪術シャーマン師vsヤク疫ティーゲル
と言うタイトルの読み切りモノこれは
SFモノなのか?タイムスリップモノなのか?異世界モノなのか?コナン・ザ・グレートモノなのか?斬首モノなのか?ラブ・ラマンスモノなのか?
悪餓鬼シンナー・(-。-)y-~モノなのか?判然としないものの面白かったのであります。
機会があったら作品紹介を…
と書いて載った事は無いけど、まぁそういうことなのであります。
しかし
うるとらSHE…ってタイトルもウルトラCモノですね。