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望月マニ也

第107回

飛葉とオートマグ

執筆者:   2023 年 2 月 13 日

作中での使用はわずかながら、その威力同様に強烈な印象を残したオートマグ……!!今回は飛葉が握ればまさに無敵のその銃に注目したレポートです。

旭工房・仲代光希さんのプロフィールと以前のレポートはコチラからご覧いただけます。

仲代さんがお送りするカスタムガンの世界。
今回は登場が衝撃的だったパワーガンを、作中から読み解いた制作時のこだわりポイントとともに、飛葉の愛用銃だったら……というIfを交えて熱く解説してくれました。

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今回は「飛葉とオートマグ」についてレポートします。

【第一部】オーマグ飛葉カスタム
新ワイルド7「魔都ベガスを撃て」で飛葉が使用したオートマグカスタムを再現しました。

飛葉は「ワイルド7」でオートマグを何度と無く使ったように思っていましたが、実際には「ガラスの城」での一回だけでした。
飛葉カスタムとしては間違いなく唯一です。
リヴサイトの分割位置は357スーパーウッズマンのリヴサイト同様、思考停止してしまいました。
何故かというと、この手のリヴサイトはフロントサイトとリアサイトを同一部品上に設置しガタを無くし命中精度を上げるのが目的です。
FサイトとRサイトが切り離されては意味が無くなってしまいます。
ですのでリブサイトを一体で作りスライドだけが後退するのが通常です。
「可能な限り先生の絵を忠実に立体化する」がコンセプトですので、Fサイトはバレル、Rサイトはスライドに分けました。
しかしリヴサイトがあの分割位置は実銃の常識ではありえません。
1枚くらい違う場所で分割している絵は無いかと必死に探しましたが、全くありませんでした。
一貫されているのは流石です。
勿論、先生の作画通りに落ち着いたは事は言う迄もありません。

話をオートマグに戻します。
最初はサイレンサーを外した時のカッコ良さを優先しリブサイトは全部サイレンサーと一体とし、バレルはスッキリした形状にしようかとも思いましたが、“思考”錯誤の結果、現状の分割方式に落ち着きました。
当然の如く「先生のデザインに忠実に」です。

【第二部】飛葉オーマグ プロジェクト
もし、スーパーウッズマンがオートマグベースだったらとのIfカスタムです。
オートマグにもシックリくるデザインだと思います。
これならフロントサイトとリアサイトが同一部品上にあるので、論理的にも問題ありません。
またウッズマンベースのカスタムでは味わえない大口径の迫力リコイルを少しでも体感したいとの思いもありました。
ベースとしたのはマルシンのガスBLKですが、当然モデルガンでも製作は可能でしょう。
MGC(左)との比較です。


これは、バレルリヴをひとつ増やして5ホールとしたディフォルメバージョン。
確か先生もこのようなタイプを描かれていました。
勿論、このモデルもプレゼントしました。


調べて驚いたのは「ワイルド7」の連載開始年とオートマグの発表年が同じだった事です。
発売は1970年なので、実際どう足掻いても「間に合いはしなかったのですが、もしも飛葉の使用銃がオートマグだったらと云う妄想タイプ&長銃身アタッチメントを製作しました。
飛葉の愛銃は何処まで行っても、私の中ではウッズマンの皮を被ったオートマグなのです。

旭工房 仲代光希

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望月先生のコメント
仲代さん、今回もありがとうございました。

『ワイルド7』でのオートマグの描かれ方は「ガラスの城」で、かつて仲間だった神との華麗なコンビプレー中に登場し、その圧倒的な破壊力や独特のフォルムでインパクトを残しましたが、残念なことにその後飛葉が使用することはありませんでした。
やがて『続・新ワイルド7』の一編「魔都ベガスを撃て」で、飛葉は用心棒として出向いたラスベガスでたまたま事件に遭遇し、急遽集めた現地のメンバーでチームを結成することに。
このとき依頼主への注文として、ユニフォームやエンブレムなどのこだわりを口にしますが、その中で「俺には強力なパワーガンを用意してくれ」とリクエストを出したためサイレンサーつきのオートマグを手にすることになります。
このチョイスは、既に『新ワイルド7』で357スーパーウッズマンを見慣れた読者には、イメージを崩さずに旧シリーズのエッセンスも加えリニューアルされたワイルド7として新鮮に映りました。

仲代さんの【飛葉オーマグ プロジェクト】は、そんなワクワク感を「可能な限り先生の絵を忠実に立体化する」のコンセプト通り見事に実体化しているのが何よりも素晴らしいところだと思います。
この銃で悪党たちをバンバン撃ちまくる飛葉の活躍が目に浮かんでくるようです。
妄想は尽きませんね
(事務局/yazy)

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