月刊望月三起也タイトル画像
望月マニ也

第110回

望月三起也先生からの修理依頼

執筆者:   2023 年 8 月 6 日

仲代さんが思い出深い修理オーダーは、飛葉のスーパーウッズマン!なんとその注文主が望月三起也先生ご本人という驚愕のエピソードを、貴重な画像を交えて語ってくれました。

話は2014年にさかのぼります。

元アシスタントのアスカ氏によりもたらせられたのは、先生手作りの357スーパーウッズマンカスタムでした。

MGCベースで、モデラーの先生らしくリブ部分はプラ板とパテにより形成されていました。
ナルホド!これを見て作画されていたのでリブサイトの形状など細部の描写に一貫性があったのかと、ひとしきり納得。

先生が参考モデルを製作していたとは少々驚きましたが、良く考えればプラモ作りには定評がある先生の事、当然と言えば当然ですね。

それを手に取って拝見出来た上に、補修までお任せ頂けるなんて正に恐悦至極です。

損傷が激しいと言うか、崩壊寸前だったので一度加工部分を全て取り外しました。

次に元のフロントサイトベース部分を切り取り平面出しをしました。
それから橋の土台を形成し橋桁部を取付けました。

フロントサイト部を形作って終了です。

このリブサイトの分割が望月流です。

同時にMGCのフィクストガスガンM93Rの修理依頼も承りました。
コチラは不足パーツを補い、ウエザリング塗装を施すだけで済みました。

このレポートを書いている現在、私の胸に去来する思いは・・・
当時、仕上げは元々の先生のタッチを損なわないようにウェザリング風としました。
しかし、それで本当に良かったのか?普通に綺麗に仕上げるべきだったのでは、なぜ先生にご希望を伺わなかったのかと悔やまれます。

それにしても、ガンスミスを生業とするに私にとって、どれだけ大きな思い出を置いて行って下さったのでしょうか。


旭工房 仲代光希

=============================================
clearfile_01「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。

「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!

是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp

=============================================



望月先生のコメント
プロップガン製作で活躍されていた旭工房の仲代光希さんが6月17日に急逝いたしました。
仲代さんには「月刊望月三起也」においても様々な形で支えていただき、特に製作レポートを始めとする数多くの記事では豊富な知識と望月マンガ愛に満ちた切り口で多くのファンを楽しませてくれました。
望月先生の信頼も厚く、原稿執筆をしていた机のすぐ手の届くところに仲代さんのウッズマンが置かれていたことがとても印象的でした。

仲代さんは「望月マニ也」の執筆を精力的に続けてくださいました。
最後の原稿が届いたのは6月の初旬でした。
今回公開できなかったレポートも準備ができ次第、順次「月刊望月三起也」上で発表していきますので、もう少しお待ちください。

心よりご冥福をお祈り申し上げます。

(事務局一同)


仲代さんも書いていますが、望月先生自作の357スーパーウッズマンが存在し、作画の参考用としていた事に驚かされます。
プラ板とパテというのが、いかにもというか……加えて驚愕の事実でもあります。
しかも実物と比べると漫画の方が数段マッシブに描かれているので、さらにいろいろと先生の脳内で保管されていた事までが分かるとても貴重な情報です。

そしてこの仲代さんカスタムは、やはり原作のイメージを的確に落とし込む再現性の高さが素晴らしく、作品への影響としてもきっとディテールが色濃く反映されていった事でしょうね。
なんといっても迫力があります!!
望月先生、仕事部屋でこの銃を構えてカッコイイポーズ取ってたんじゃないかなぁ……
かくして飛葉は永く357スーパーウッズマンを愛用することができた、ということになるかもしれません。

素敵なレポート、ありがとうございました。
(事務局/yazy)

  固定リンク   |   トラックバック(0)


コメント


トラックバックURL


表紙 » 望月マニ也