あの現場を訪ねて(西急 仲戸駅)
毎朝新聞の一面に「暴走トレーラー、仲戸駅構内で炎上」の見出しが躍って、35年あまり経ちますが、子供心にあの時の衝撃は忘れることが出来ません。
神話財団の闇を暴いたあの事件の現場を訪ねてみました。
単に歳月だけでなく、ワイルドがらみの事件は、修復の際に以前の建物をリニューアルすることも多いのでしょう、現在まで事件の現場が残っていること自体、稀だと思うのですが、西急線の仲戸駅は、数少ない貴重なケースといえましょう。
3年ほど前に、駅前の再開発で向かいのJRと高架上の西急のホームが繋がれたため、若干、雰囲気が変わっていますが、紛れもなく、あの現場です。
信号の後ろに見える建物は、新設された改札。左にちらっと見えるのはエレベーター。丁度、高架を暴走するトレーラーを追って、ユキが飛び込んだライン上に設置されています。
切符売り場は券売機、西急独特の電車を模した箱型の改札も当然のように自動改札機へと変わっています。
改札の奥に例のポスターが張ってあるのも何かのご縁でしょうか。
ちなみに、外観だけを見ると肉玉鉄道の「仲本戸駅」 (下記参照) ともそっくりです。
出口の下のグレーの部分は駅構内のエレベーター。昔は売店でした。
踊り場へ駆け上るユキのドカに「あんた困るよ、キップ買って」と叫んだ駅員さんも、もう定年を迎えていることでしょう。
あの事件のせいか、ホームに張り出した屋根を支える支柱が新設されています。
ホームの幅は思っていたよりも、ずっと狭く、途中から、さらに狭くなっています。
ここを炎上するトレーラーと並走して、全開で駆け抜けたのですから、改めて、ユキのバイクの技量の高さに舌を巻きます。
現場に立ってみて驚くのが、その射程距離、殆どありません、目の前です。
相手が走っているとはいえ、この距離で発砲するとは…
度胸の良さにも肝の据わり方にも脱帽です。おそらく、助手席の元次郎ともしっかりと目があっていたのではないでしょうか。
最初のアングルから右へパンして、高架の下を通って、小さく青いワーゲンが停まっている場所に注目。暴走する元次郎のトレーラーに手を焼いた特捜の菊川刑事が、助っ人を頼みに飛び込んだ停車中のセブンレーラー。
まさに、その場所です。
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<事務局> 以下同
一連の画像は、以前別のサイトにsillazmanさんが投稿されたもの。
映画やドラマのロケ先を訪ねてみるのと似た楽しみ方で、なかなか面白い着眼点。
横浜在住と言うことなので、別のシーンもご存知では?という期待と、現存する風景が無くなる前にという
思いで連絡してみました。
<シラズマン> 以下同
こんにちは、「シラズマン」と申します。
HN(ハンドルネーム)は地獄の神話の水族館のシーンから拝借しました。
どうぞ、よろしくお願い致します。
ただ、ユキがホームの先端で仕留めたわけですから、ホームの下というのは…
およそ、大型車両が進入できるような踏切ではありませんね。踏切に繋がる道は生活道路じゃあないですか。
最終章「魔像の十字路」にもあります。駅前の再開発でJR東神奈川と高架で繋がって、下が自転車置き場になったり、交番の位置が変わったりしていますので、ちょっと判りづらいかもしれませんが、一億白智の軽井沢の別荘へ、飛葉、八百、両国、オヤブン、ヘボピーの5人で、長寿庵という蕎麦屋から出動するシーン、「仲木所駅」となっています。で、実際に京急線のガードを潜ると、国道15号線へ出ます。左折して、直ぐに東神奈川ランプ、首都高速横浜羽田線への進入路です。
八百「目的地は?」
飛葉「軽井沢!! 3時間で突っ走れ!!」
オヤブン「きついぜ…」
って、ところですね…。でも、仮に、横浜~軽井沢間を3時間というのは、どうなんでしょう。微妙な感じですね。
そのお話は、また機会があればということで、本日はどうも、有難うございました。sillazmanさんでした。
凄い!! おどろいた。
なんとねえ、バック(背景)に使った場所を特定しちまうなんてね。
あくまでフィクションの世界ですが、私、リアルにこだわる。
ま、映画のロケと同じように、本物を撮って、そこでどうアクションつけるか、
これが発想を広げてくれるんです。
空想の世界ですが、広げすぎるのはウソになる。
ありそうだな、と思ってもらわないと読者はシラけるわけですよ。
という私の姿勢ですが、そのネタ元をおさえ、わざわざ探査してくるとは、マニアックです。
特定した事も、「どうして判ったの?」と聞いてみたいくらい。
しかもストーリーの中の車の動きやコースまで地図を持ち出して説明してるところは、
もう探偵も裸足で逃げ出す一流ですね。
警察か検事局の方でしょうかって、疑ってしまうよ、ホント。
でも、こういう深ヨミって、うれしいですね。
作品を二重、三重に楽しんでくれてるわけで、一回読んで、ポイとゴミ箱へ捨てる作品でなくてよかった。
実は私も、その傾向あるんです。
国内では、新選組マニアとして、京都の八木邸まで足をのばしました。
新選組が最初に屯所を構えた前川邸の前にあり、芹沢鴨暗殺の舞台となったところです。
そこを訪ね、当時のままの屋敷の間取りを目の前にし、庭から、こう入っていって二間抜けて、
寝ている芹沢を刺殺したのかぁと、一応、史実とされているその夜の行動をなぞって、
今踏んでいる自分の足跡の百年前には近藤、土方の足跡があったんだろうなぁと思ったりする
ところが、マニアなんですねえ。
興味のない人から見たらバッカじゃないかと思われるところだね。
と、これはマニアの自分で、漫画描く時はシチュエーション変えて、
沖田と鴨の一騎打ちの方がいいのじゃないか、などと造り変えますから、
取材して間取りも板壁の具合もおさえておきますが、必ずしも史実通りには描きません。
史実と言っても、誰かの聞き書きだったりするわけで、絶対に本当、
つまり“実”かどうか判らないわけで、自分なりの解釈が許されると思うからです。
海外でも、「レマゲン鉄橋」まで行ったりしてます。
これも映画になったりもしたドイツ軍と米軍のライン川挟んでの攻防戦の舞台です。
ここを舞台に、一本読み切りを描きたくて行ったわけですが、これも作品の為としたらアシが出る、
赤字ですね。
それだけではなく、自分の中の歴史の場に立って見たいというマニア心が多いのですよ。
したがって、ライン川の両岸から多くの写真を撮り、と簡単じゃないんですよ、これが。
なにしろ向こう岸へ渡るには何キロも上流へ列車で移動しないと橋が無いんですから。
実は、ドイツでは次の戦争に備えて、ライン川を防衛線と想定し、橋の数を制限しているとも
聞きました。
だから、このレマゲン鉄橋は、第二次大戦で破壊されたまま、再現は戦略的にやらないというハナシ。
本当かねえ。
その為に、戦闘のあった頃の風景とほとんど変わってないところが、マニアとしてはうれしかったですねえ。
私の描くものは、そういう意味で現地取材、けっこう多いから、好きな読者の方々の中には、
このシーンは現実には・・・と、足で見る楽しみの方も少なくないのでしょうが、
今回のように見事にネタ元ばれしたのは初めて。
びっくりしたなぁ モウ!!
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2009/03/03 at 9:39 PM
私も横浜ですが、「これ京急の駅だよナァ」と思ったものの具体的な駅名は分かりませんでした。
ロケーションしていないと描けないシーンだと思っていたので、ロケ地の謎が解けて嬉しいです。
横浜市民として鉄道がらみのネタをひとつ提供します。
秘熊の潜水艦の通路は横浜市営地下鉄の中止路線を使っている...という話が出て来ますが、当時の地元民の印象として「路線がコロコロ変わった」「開通までやたら時間がかかった」というのがあり、ワイルドを読んだ時に「これはあり得る!」と思った記憶があります。個人的な話ですが、ウチの近所に出来るはずだった(そう信じられていた)駅が遠方に変更になってしまったのが非常に悔しく、今でも駅まで歩く際「秘熊の陰謀のせいだ!」と怒りが込み上げてきます(笑)。先生がこのネタを使ったのも何となく分かる気がします。
2009/03/05 at 11:14 PM
といっても、仕事帰りに乗り換えに使いました。
じつは「仲木戸駅」に着いてから、「あ、この駅、きのう『月刊望月三起也』で見たとこじゃ~!」と思い出しました。
ホームの上から、まさかユキが上って来ないよな・・
なんて、考えていました。(あるわけないか!)
あの駅員が定年退職なら、ユキは何歳だ?
2009/03/08 at 11:46 PM
思いもよらぬ評価をいただき、大変嬉しく思います。
タネを明かせば、昔、国道沿いに10年近く住んでいましたので、
毎朝、ガードをくぐって、東神奈川駅を通勤に使っておりました。
今、思えば、再開発が入る前の「仲木戸駅」を写真に納めておかなかったことが、ただただ悔やまれます。
コメント、ありがとうございました!!
・ぐりゅーん・へるつさま
ロケ地の謎、解けて良かったですね。
・RYUさま
ユキの場合は、ワイルドデビューの歳でさえ、読者によって様々だと思いますよ。
アンケートをとると、多分、10歳近い幅がでるのではないですか。
2009/10/30 at 5:11 PM
やっぱりあそこでしたか。
通過する度に、似てるよなぁって思ってました。