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望月マニ也

第39回

私を育てた望月作品

執筆者:   2011 年 6 月 7 日

「少年クラブ」、「少年画報」、「少年ブック」など昭和40年代、心ときめかせて読んだ漫画雑誌の黎明期からの望月ファン、ニコラスさんが少年だった当時に戻って思い出を語ってくれました

はじめまして、ニコラスといいます。「少年画報」、「冒険王」、「ぼくら」などなど…、往年の望月漫画のファンでした。(あちゃー、歳がわかる。)
このたびパソコンを買い換えたのをきっかけにネットを始め、【月刊望月三起也】の存在を知ったわけです。その時ちょうど読んだ回が、eddy-sさんの初投稿の回でした。
内容を読んでから「へえーっ、世の中には高校時代の友人Bと似たような絵を描く人がいるんだなぁ、絵のタッチも似てる。」と、疑いもせずその時は、そう思ってたんですね。
その2~3日後、携帯へその高校時代の友人Bから「月刊望月三起也っていう先生公認のファンサイトに投稿したからみてね。」のメール。 すぐ返信「もう、読みました。eddy-sさんて君だったんだ!参ったね。」そう、まさに類は友を呼ぶ、見るサイトも一緒だったわけです!!
そのeddy-sさんに勧められて当時の事を回想して書くことにしました。

私が初めて望月作品と出会ったのは、小学校1年のころだったと記憶しています。
学校へ行く前に本屋へ寄り、少年ブックを片手に登校しました。
しかし、担任の先生からお叱りの言葉をもらったのは言うまでもありません…。
その少年ブックに連載されていたのは、ケネディ騎士団(ナイツ)だったと記憶しています。
でも、子供だった私は、誰が描いたかなどまったく興味がなく面白い漫画をひたすら読んでいました。
それから5~6年が過ぎ、手塚治虫・石森章太郎に傾倒していきましたが、ある日、いつもの本屋で1冊の単行本を手に取りました。そう、「秘密探偵JA」でした。
そして、読んでいくうちに、ある衝撃が…。「この絵柄は前に見た事が、ある…。えーと、作者はたしか…望月三起也!ケネディ騎士団(ナイツ)を描いていた漫画家と同じだ!」 
それから、本屋で望月作品の単行本を見つけては買って帰り、「これも読んだことがある!あっ、これもだ!」の連続でした。
子供の頃、よく読んだ作品の多くが望月作品だったわけです。
それから、数年後高校に進学した時さらに望月三起也に傾倒している人物に出会ってしまうのです…。
それは高校1年。忘れもしない昼休みの時間。小学校からの幼馴染の友人Aと、もうひとり高校になってからのクラスメートの友人Bが話していました。
この友人Bが、この「月刊望月三起也」ではもうすっかりお馴染みのeddy-sさんなんです!

この三人で、事あるごとに望月先生の本を読んではあれこれと感想を語り合いました。
そして、高校3年の文化祭の時、eddy-sさんは飛葉の絵を出品し会場をにぎわかしていました。
彼は当時から抜群の絵のセンスで、「コルトウッズマンを撃つ飛葉」の絵など望月先生並みのタッチで、羨ましいかぎりでした。
私はといえば、当時毎週少年キングを買っていたので、ワイルド7のページを開いては薄い紙をのせ上から飛葉のカッコいい絵を必死でなぞっていました。(これだけで満足なのね。見ながら模写すると飛葉にならないんだよね…。)
このころ前述の友人Aも、望月先生の代表作「ワイルド7」に夢中だったようで、中学生の時、単行本を借りて読んだのですが、その過激さにちょっと私は抵抗がありました。
「昔の望月作品と変わったなあ。」と思いながら、巻を重ねて読んでいくうちに
ヒットコミックス20巻「谷間のユリは鐘に散る」の車いすの少女を迎えにきた飛葉ちゃんのコマを見た時、よかった望月先生は何も変わっちゃいなかったんだと思いました。


そんな私の心に残っている作品・好きなキャラクター・シーンを紹介します。
秘密探偵JA・ワイルド7・怪傑アイアン・ゼロ1戦隊などなど名シーンのテンコ盛りなのですが、わたしのベスト1を選ぶならば、タイガー陸戦隊の中丸一水です。
この作品は、少年画報連載時、リアルタイムですべて読んだ記憶があります。
その後、若木書房のビッグアクションシリーズを買って読んだ時、ラストに違和感を覚えました。そう、最後の数ページがなかったのです。
中丸一水 通称牧師が、崖の上にある大砲を怪力で海中へ落とし陸戦隊の窮地を救う。
その時の牧師の笑顔。
そして、次の瞬間。戦争の非情さ・はかなさが凝縮されたシーンで、子供ながらにやるせない気持ちになったのを記憶しています。
それなのに!それなのに!単行本にする時の事情があったとはいえ、「わたしのあの感動のシーンを返してくれ!」そう叫ばずにはいられませんでした。
(でもね、ラストの連載ページはしっかり保存してあるんですよね。)

追伸 (この投稿を書くにあたり、家中くまなく探したのですが行方不明。 涙・涙・涙 いや、家のどこかに絶対あるはずだ…!!)

資料協力:izizさん




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月刊望月三起也ではみなさんからの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由、採用者は「月刊望月三起也」で掲載。
また掲載された方には、望月先生書き下ろし特製ポストカードをプレゼント!


是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。

info@wild7.jp
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望月先生のコメント

漫画らしい漫画・・・・ じゃ らしくない漫画もあるのか?と言われたら困るけど、漫画の持つ多様性っていうか、逆になんでもありって可能性も魅力なんですかねぇ。
これ、読み手、描き手、両者に言えることだと思いますが、リアルな描写にとことんこだわると写真になってしまう。私としては、「漫画の中のリアル」と表現したいわけ。
まっ ワイルド7で言えば、例えば22口径、38口径、50口径と弾丸の口径でそれの破壊力が同じっておかしくない? と、こだわる。
映画でも、どんな銃で撃たれても同じ倒れ方するって、私そういうのを見ると三流!! って捉えてしまうんですねぇ。

サム・ペキンパー監督(※)の『ゲッタウェイ』『ワイルドバンチ』等は、そこんとこ判っていて、散弾銃で撃たれた人の吹っ飛び方が、いかにもと納得する表現なんですよね。
こういう映画は大好きで、何度も観返してその都度新たな発見し、独り、嬉しがっています。
ニコラスさんが私の作品を見て楽しんでくれるのと同じファン心理かもね。

一方、映画と同じ内容では映画には勝てない、漫画でなけりゃって魅力をぶつけたいのが、漫画らしい表現といえるでしょうか。 そこを考えるのがまた、描き手の楽しいところ。

『タイガー陸戦隊』のメンバー、個性付けるのは楽しい作業でしたね。 と同時に今見返すと、リアルなマシンガンを描いている一方で、人物の極端な大小・・・・ 中丸一水なんてもう巨大、ありえねぇ!! ですよね、現実では。
でも、そこが漫画らしい魅力でもある訳で、映画じゃCG使わないと無理です。
そう、ある意味漫画の世界は、40年も前からCG表現だったんですねぇ。
今もチャチなCGに逃げる低予算映画もあり、一方で『アバター(監督:ジェームス・キャメロン)』のように夢を見させてくれる上質CGもあるように、漫画も自分なりにオーバーな表現でありながら、リアルに感じさせるってこと、意識はしていました。
そういうところはヘボピーにも繋がっていると思うのです。
でも有り難いのは、ニコラスさんのように、私の忘れていたことを思い出させてくれる人がいるってことですよ。

今、アーマーモデリングで連載しているものには巨人は出てきません。戦車がややオーバー表現かなってくらい。どっちかっていうとリアル。
でも改めて巨大キャラ、描いてみたくなりましたね。




※サム・ペキンパー(Sam Peckinpah, 1925年2月21日 - 1984年12月28日)
映画監督。代表作『ワイルドバンチ』、『わらの犬』、『ゲッタウェイ』、『ガルシアの首』、『戦争のはらわた』など。
本国アメリカではその残酷な作風から「血まみれのサム(Bloody Sam)」と呼ばれたが、日本ではバイオレンス映画の巨匠として知られる。暴力描写とそれを写し出す映像技法は美しく、その技法による男の描き方に心酔するファンも多い。特に多用したスローモーション撮影の美学は凄まじい。
また遺作となった作品は元ザ・ビートルズのジョンレノンの息子ジュリアン・レノンのデビュー曲『Valotte(ヴァロッテ)』 のプロモーションビデオである。※





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コメント/トラックバック

  • ぐりゅーん・へるつ :
    ニコラスさん
    私の望月三起也ファースト・インパクト作品である「タイガー陸戦隊」の話題が出てきて、スゴク嬉しいです!

    タイガー陸戦隊
    http://wild7.jp/3950

    単行本のラストシーン、初出時と違うんですか。
    この後、数ページあるのですね。

    これは是非みたいです。
    捜索、頑張ってください!
  • ニコラス :
    私の書いた文章が望月マニ也に載っただけでも、うれしいのに、望月先生からコメントまでいただいて、胸が熱くなり、今日、ポストカードが届きました。
    家宝だよ! 家宝!! うれしいの30乗!!!

    ぐりゅーん・へるつさんへ
    コメントありがとうございます。
    私なんぞにコメントを出して頂いて・・・・。
    私はいま、猛烈に感動しています。

    探索の件、了解しました。
    畳をひっくり返してでも探す所存です。
    (いくらなんでも、そこにはないか。 笑)
  • ぐりゅーん・へるつ :
    ニコラスさん、「少年画報」は見つかりましたか?
    ぜひ見つけて欲しいです。

    タイガー陸戦隊の真実のラストがあったなんて、僕には大ショックです。

    こちらには画像を貼れないので、掲示板の方にお願いします。


    これを機にぜひ「完全版」を出版して欲しいですね。
  • ニコラス :
    ぐりゅーん・へるつさんへ

    本日、久々に時間がとれたので探索しました。
    しかし、あてにしていた倉庫の段ボールの中にはなく
    いま、放心状態・・・。

    また、報告します。

    もしかしたら、探し出すよりも 映画「ワイルド7」の
    公開により望月三起也漫画全集が刊行され、タイガー陸戦隊完全版の発売のほうが早いかも・・・。
  • ぐりゅーん・へるつ :
    ニコラスさん
    探索、お疲れさまでした。

    タイガー陸戦隊ですが、ラスト部分の原稿がすでに失われている可能性も考えられ、その場合は当時の誌面から再現するしかなくなります。

    ですので、やはり掲載号の探索は重要です!

    「幻の最終回」が掲載された号がハッキリ分かれば、古本、オークション等で探すことも出来ますね。

    「探索」よりそっちの方が簡単かも?(笑)
  • K&K :
    失礼いたします。タイガー陸戦隊の最終回ですが、私の記憶
    が正しければ最終回は1エピソード分がそっくり欠落してお
    ります。

    確かこういうあらすじだったかと....

    ゲリラ・政府軍(国民党軍)との両にらみの中、改心した
    ゲリラ側商人の協力の船で河を下り、禁断の毒ガス兵器を
    廃棄に向かう陸戦隊一行に、政府軍の切れ者軍人が単体の
    戦車で襲い掛かる(冒頭、船に迫撃砲の攻撃をかけるゲリ
    ラを商人側の友軍の旗を掲げて切り抜けたり、そのゲリラ
    をひき殺した軍人の戦車がキャタピラを外して速度アップ
    して船を追いかける描写がさすがリアルです^^)

    とうとう追いつかれ、丘の上の政府軍と戦車の挟み撃ちに
    あう陸戦隊(海に出られなければ、誰も手に入れられない
    所に毒ガス兵器を捨てよう、という目的も水の泡に!)

    大ピンチの中、牧師が自身を犠牲にして機関銃弾を受けつ
    つも体を張って丘の上の機銃をがけ下に投げ捨てる(管理
    人様の記憶にあるのは多分ここかと思います)、直後、戦
    車の非情の機銃弾が牧師の体を打ち抜き、ズタズタになっ
    た牧師の体はがけ下に(隊長の悲鳴「牧師ーっ」(泣))。

    依然追走して攻撃する戦車の前に陸戦隊の船も風前の灯
    かと....隊長の一計、岸に誘い込まれた戦車の上に
    降る岩の嵐(崩れそうな岩崖に付けた隊長の罠)、潰れた
    砲塔から顔を出した軍人を打ち抜く隊長の銃弾!!

    取り返しのつかない尊い犠牲を払いながらも海洋に出る事
    に成功、毒ガス兵器を投棄した事を暗示する最終コマの
    イラストで大団円。


    何気なくネットを検索していましたら、素晴らしいページ
    に当たりまして感激です。楽しませていただきました。
    完全版、是非刊行してほしいですね^^
  • K&K :
    追伸:

    余計な事ですが、ひょっとすると、これは少年画報の別冊
    付録で読んだような記憶もあるのです。そうなると発見は
    極めて困難かもしれません。オークションだけでなく
    現代マンガ図書館等への問い合わせも良いかもしれません。

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