締め切り、絶対落とさないぞ! と、デビューのとき一大決心。
ン十年描き続け、スキーで指を骨折したときも、ペンを指にくくりつけて描き、腰痛で一週間寝たきり生活でも、天井向いて画板で鋲止めした原稿用紙に向かって描き、さすがにペン入れは、インクが重力の加減で顔に垂れてきて不可能でしたが、何があっても締め切りは守る男として生きてきたのです。
しかし、ああァ! ついにやってしまいました、さびしい!!
風邪で身体の具合が悪くなり、その夜のこと、救急外来へひとりで出掛け、点滴のひとつでも打ってもらえば済むだろうと高を括っていたのですが、なんとそのまま帰れず入院、手術。18日間も家に帰れないという恐ろしい目にあったのですよ。
これがため、連載もすべてアウト。何がショックかって、締め切り落としたことですよ、泣けてしまうね。
お医者さん口説き落として、とりあえず家に帰して欲しい、一仕事したらまた戻ってもいいからってことで、無理やり退院してしまったのです。
まァ 二週間、点滴とお粥生活だと、人間スリムになるものなんですねぇ。すっかり筋肉は影を潜めて骨と皮、歩くのもツライって初めて味わいました。サッカーで鍛えていても病の方が強いンですねぇ。
でもね、巻き返しますよ、まだ後半がある、今ハーフタイム。逆転勝利だ、なんて強がって筋トレに挑戦、精神的にも筋トレはいいですぞ。院内にリハビリ室ってところがあり、1日30分やってました。
とりあえず仮釈放ってことで、今アトリエでこのコラムを書いていますが、釈放の条件が誠に厳しい。薬飲むのは当然として、食事制限があって脂肪と辛いものが一切ダメ。
例えば肉類はほぼダメで、牛肉のヒレなら小一切れまでとか、喰った気がしないね。うなぎ(蒲焼き)は脂質含有量が25.2gだからダメ。ちなみにヒレ肉は4.8g、つまり一食10g以下を目安に食事をするわけですよ。
そのうえラーメン、そば、スパゲティはダメ。 ・・・・・私の好物のすべてなんです。
わァ、悲しい人生だァ!
さらにコーヒーまでですぞ!! これじゃァパワーが出ませんよ。
お薦めはお粥だって・・・・・ 私ァ スズメじゃないっての!!
と、ぼやきつつ、やっと『バサラ戦車隊』描きあげました。 ・・・・・「かき揚げ」もダメってどういうこと?
本来、東北の震災復興支援に「ミイラ」チームでチャリティ企画したいところ、しかしこれじゃフィールドで10歩とドリブルできない。
遠出も無理って、せめて色紙たくさん描いて募金募るしかない。これなら座って出来るもんね、あとは色紙買ってくださる皆さんの協力をお願いするしかない。そう、ひとりの力で出来ることは知れているけれど、水に落とした小石でも波紋が広がれば大きな運動になるんですよね。
入院で残念なことがさらにひとつ。
映画『ワイルド7』の北九州ロケ、行く予定だったのが病院のベッドの上から、外の八重桜見て過ごそうとはねぇ。北九州ロケはこの映画の最大の売り、バイクを派手に動かすシーン。見せ場を生で見たかったのに残念!!
代わりということでもないんですが、退院後、初の遠乗り・・・・・ と言っても乗せてもらってですが、埼玉のさる工場街のロケ地へ行って来ました。
ワイルド7のメンバー七人プラス草波 勝が勢揃いする日、この日はマスコミの取材日でもあり、大勢の取材陣で賑わってました。
私の乗ったクルマが現場へ到着すると、なんとなんと外からドアを開けてくれたのが「世界」役、椎名桔平。
タイミングとは驚くね、打ち合わせも何もない、偶然クルマが停まったところに椎名桔平が立っていた。私、ひと言「ごくろう!!」と言って車外へ。
周りで見てたひと、驚いたろうね、なんて偉そうで態度のでかい奴。って思ったでしょうねぇ、何者?椎名桔平とは通じるシャレ、冗談ですけどね。今は大物の彼もすでに30年近いつきあいですから。
彼が学生のころ、うちのチーム「ザ・ミイラ」に入りたいと言ってきたときが最初の出会い。芸能界の入り口へ立ったばかりの時ですね。
サッカーは三重県選抜という実力の彼、ザ・ミイラの主力ですよ、いや上手かったねぇ。大学でもサッカー部、当たり前か。
役者としてではなく、私の中では今の本田(圭佑)、香川(真司)といったポジションですねぇ。いやもう球配りの上手さ、好機と見るやダッシュでシュートを打ちに走るストライカーでもあり、チームメイトのノリタケ(トンネルズ)も一目置く存在だったのですねぇ。
おっと、サッカー談になると長くなる、それは別の機会に。
ともかくその時、いずれワイルド7は映画化になるでしょうから、その時はぜひメンバーのひとりをやりたい、出来れば飛葉がいい、と彼は言うのですよ。それから30年近く経って実現!! ただし役は変って「世界」ですが、いやァ初志貫徹。
人間、目標を持ったら強く念じるということで、いつか実現するんです。
私にとっても、約束が長い年月かかっても果たせたって・・・・・ 嬉しいですよ。
さらにもうひとつ嬉しかったのは中井貴一さん。草波 勝役ですが、このひと業界では作品選びが厳しいので通ってる。まずオファーがあってもシナリオに納得がいかないと断るというひと。
今回のプロデューサーは以前に五回もシナリオ書き直してOKを貰ったとか。今回もまた何回直すのかなと恐る恐るオファーを出したところ、ワイルド7と聞いたとたん「OK!」だって。その返事に驚いたそうです、シナリオも見ずにですよ。
この日、出番の合間に本人と直接話す機会があり、そのことに触れると「ワイルド7のファンですから」とひと言。有り難いねぇ。
今だに秘密探偵JAもワイルド7も全巻揃えて持ってるそうで、子供のころは夢中になって読んだって。その当時の初版本ですよ、大事にとっておいてくれているのは感激ですねぇ。
熱く内容について語る彼は熱心な一ファンの顔なんですねぇ、みなさんと変らない、お世辞じゃなく本当にファン顔してました。
だからワイルド7出演の話がきたとき、シナリオはともかく「出る!!」って返事したそうで、本当にこういうファン持ってて幸せ感じてます。
もっともっと喜ばれるようなものを描かなくちゃね、とファンからパワーの後押しが長くペンを持たせてくれるのですよ。
ン十年描き続け、スキーで指を骨折したときも、ペンを指にくくりつけて描き、腰痛で一週間寝たきり生活でも、天井向いて画板で鋲止めした原稿用紙に向かって描き、さすがにペン入れは、インクが重力の加減で顔に垂れてきて不可能でしたが、何があっても締め切りは守る男として生きてきたのです。
しかし、ああァ! ついにやってしまいました、さびしい!!
風邪で身体の具合が悪くなり、その夜のこと、救急外来へひとりで出掛け、点滴のひとつでも打ってもらえば済むだろうと高を括っていたのですが、なんとそのまま帰れず入院、手術。18日間も家に帰れないという恐ろしい目にあったのですよ。
これがため、連載もすべてアウト。何がショックかって、締め切り落としたことですよ、泣けてしまうね。
お医者さん口説き落として、とりあえず家に帰して欲しい、一仕事したらまた戻ってもいいからってことで、無理やり退院してしまったのです。
まァ 二週間、点滴とお粥生活だと、人間スリムになるものなんですねぇ。すっかり筋肉は影を潜めて骨と皮、歩くのもツライって初めて味わいました。サッカーで鍛えていても病の方が強いンですねぇ。
でもね、巻き返しますよ、まだ後半がある、今ハーフタイム。逆転勝利だ、なんて強がって筋トレに挑戦、精神的にも筋トレはいいですぞ。院内にリハビリ室ってところがあり、1日30分やってました。
とりあえず仮釈放ってことで、今アトリエでこのコラムを書いていますが、釈放の条件が誠に厳しい。薬飲むのは当然として、食事制限があって脂肪と辛いものが一切ダメ。
例えば肉類はほぼダメで、牛肉のヒレなら小一切れまでとか、喰った気がしないね。うなぎ(蒲焼き)は脂質含有量が25.2gだからダメ。ちなみにヒレ肉は4.8g、つまり一食10g以下を目安に食事をするわけですよ。
そのうえラーメン、そば、スパゲティはダメ。 ・・・・・私の好物のすべてなんです。
わァ、悲しい人生だァ!
さらにコーヒーまでですぞ!! これじゃァパワーが出ませんよ。
お薦めはお粥だって・・・・・ 私ァ スズメじゃないっての!!
と、ぼやきつつ、やっと『バサラ戦車隊』描きあげました。 ・・・・・「かき揚げ」もダメってどういうこと?
本来、東北の震災復興支援に「ミイラ」チームでチャリティ企画したいところ、しかしこれじゃフィールドで10歩とドリブルできない。
遠出も無理って、せめて色紙たくさん描いて募金募るしかない。これなら座って出来るもんね、あとは色紙買ってくださる皆さんの協力をお願いするしかない。そう、ひとりの力で出来ることは知れているけれど、水に落とした小石でも波紋が広がれば大きな運動になるんですよね。
入院で残念なことがさらにひとつ。
映画『ワイルド7』の北九州ロケ、行く予定だったのが病院のベッドの上から、外の八重桜見て過ごそうとはねぇ。北九州ロケはこの映画の最大の売り、バイクを派手に動かすシーン。見せ場を生で見たかったのに残念!!
代わりということでもないんですが、退院後、初の遠乗り・・・・・ と言っても乗せてもらってですが、埼玉のさる工場街のロケ地へ行って来ました。
ワイルド7のメンバー七人プラス草波 勝が勢揃いする日、この日はマスコミの取材日でもあり、大勢の取材陣で賑わってました。
私の乗ったクルマが現場へ到着すると、なんとなんと外からドアを開けてくれたのが「世界」役、椎名桔平。
タイミングとは驚くね、打ち合わせも何もない、偶然クルマが停まったところに椎名桔平が立っていた。私、ひと言「ごくろう!!」と言って車外へ。
周りで見てたひと、驚いたろうね、なんて偉そうで態度のでかい奴。って思ったでしょうねぇ、何者?椎名桔平とは通じるシャレ、冗談ですけどね。今は大物の彼もすでに30年近いつきあいですから。
彼が学生のころ、うちのチーム「ザ・ミイラ」に入りたいと言ってきたときが最初の出会い。芸能界の入り口へ立ったばかりの時ですね。
サッカーは三重県選抜という実力の彼、ザ・ミイラの主力ですよ、いや上手かったねぇ。大学でもサッカー部、当たり前か。
役者としてではなく、私の中では今の本田(圭佑)、香川(真司)といったポジションですねぇ。いやもう球配りの上手さ、好機と見るやダッシュでシュートを打ちに走るストライカーでもあり、チームメイトのノリタケ(トンネルズ)も一目置く存在だったのですねぇ。
おっと、サッカー談になると長くなる、それは別の機会に。
ともかくその時、いずれワイルド7は映画化になるでしょうから、その時はぜひメンバーのひとりをやりたい、出来れば飛葉がいい、と彼は言うのですよ。それから30年近く経って実現!! ただし役は変って「世界」ですが、いやァ初志貫徹。
人間、目標を持ったら強く念じるということで、いつか実現するんです。
私にとっても、約束が長い年月かかっても果たせたって・・・・・ 嬉しいですよ。
さらにもうひとつ嬉しかったのは中井貴一さん。草波 勝役ですが、このひと業界では作品選びが厳しいので通ってる。まずオファーがあってもシナリオに納得がいかないと断るというひと。
今回のプロデューサーは以前に五回もシナリオ書き直してOKを貰ったとか。今回もまた何回直すのかなと恐る恐るオファーを出したところ、ワイルド7と聞いたとたん「OK!」だって。その返事に驚いたそうです、シナリオも見ずにですよ。
この日、出番の合間に本人と直接話す機会があり、そのことに触れると「ワイルド7のファンですから」とひと言。有り難いねぇ。
今だに秘密探偵JAもワイルド7も全巻揃えて持ってるそうで、子供のころは夢中になって読んだって。その当時の初版本ですよ、大事にとっておいてくれているのは感激ですねぇ。
熱く内容について語る彼は熱心な一ファンの顔なんですねぇ、みなさんと変らない、お世辞じゃなく本当にファン顔してました。
だからワイルド7出演の話がきたとき、シナリオはともかく「出る!!」って返事したそうで、本当にこういうファン持ってて幸せ感じてます。
もっともっと喜ばれるようなものを描かなくちゃね、とファンからパワーの後押しが長くペンを持たせてくれるのですよ。
望月三起也 さんのプロフィール
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2011/05/09 at 9:08 PM
まだまだ、私たちファンを楽しませてもらわなくてはなりません。
その為には元気でいてもらわないと困ります。
病気も怪我もご法度です。
ファンというのは身勝手で、自分のことしか考えていません。
究極のエゴイストです。
自分が楽しければ満足、自分が嬉しければ最高。
いつまでも、いつでも自分が求めるモノを提供してもらいたいと駄々を捏ねているんです。
エゴイズムの塊です。
ですから、お願いします!
お身体には重々お気をつけて、創作を続けてください。
どうか、どうか‥‥‥ ファンからたったひとつのお願いです、
2011/05/09 at 10:36 PM
どうかお体を大切にいつまでも私たちファンを
楽しませてください。お願いします!!
2011/05/09 at 11:16 PM
「連載・新作を心から楽しみにしています」
ファンの願いはこの2つに尽きると思います!
2011/05/10 at 2:47 AM
「バサラ戦車隊」が先月号は休載だったので、何かあったのではと心配しておりましたが、ひと安心いたしました。あまり無理をなさらず、作品に励んで頂きたいと思います。
2011/05/10 at 6:12 PM
作品はともかく、早く元気を取り戻して下さい。
2011/05/12 at 8:48 PM