望月先生の作品から人としての生き方を学んだことは、この望月マニ也のコーナーで過去に何度か記事にさせていただきました。
いちばん熱中して読んだのが小学生~高校生にかけての人格形成される時期だったこともあり、生き方だけでなく今に至る“趣味“にまで深く影響しているのです。
その一生の趣味となってしまったガンとバイク。
今回はそのバイクの考察をさせて下さい。
望月先生の作品に登場する改造バイクには、かなりの確率でレッグシールドが取り付けられています。ワイルド7だけでも飛葉・世界・チャーシュー。新ワイルド7では皆フルカウルの大型バイクに乗っているので、ほとんどシールドが付いていると解釈しても良い程です。
このレッグシールドにリアルの世界を持ち込むと、原作通りの形式のままでは防風には効果抜群ですが、高速走行では空気抵抗が多すぎるのではないか?という疑問にぶち当たります。
上の画像は2008年のプレミアムモーターサイクルショーでのドレミコレクション(なかの屋)さんの原作に忠実なCB750です。見ていただけるとわかりますが、原作通りに大きめのレッグシールドがバイクに対して垂直に取り付けられています。
もちろん試乗はさせていただけませんでしたが、またがって確認したところ、この原作通りの垂直レッグシールドでの高速走行は「かなりの空気抵抗になること必至」と信ずるに足る取り付け角度でした。
皆さんもよく街で見かけるホンダ・カブのレッグシールドや、通称“三河屋バイク”と呼ばれるCD125のレッグシールドを思い出していただけると分かる通り、実際のものは前から受ける空気抵抗を低くする為にかなりナローな曲線・角度で取り付けられております。極端な表現をすると、上から見た角度はかなり逆V字になっているというワケです。
私が飛葉バイクを造るときに目指したのが、リアルに走り回れる、ということでした。これには高価なCB750を改造したものは、モッタイナクテ乗れない、という心理もあります。
結果取り付けたのはキジマ製の現実に即した、ナローな角度のレッグシールドでした。
これをもっと大きなものにして、取り付け角度も垂直に近くすると、かなり原作ファンが狂喜するデキになったはずなのですが、あえてこういった形にしたのです。
もちろん原作の飛葉ちゃんのバイクとは形状の違いがありますが、高速走行にもしっかり対処、風もある程度の雨もしのげます。
漫画原作にリアルを持ち込むのは野暮なのですが、バイク趣味も教えられたのは望月先生の作品群からです。こうしてつい現実に即したことを気にしてしまうのがマニアなものなのです。皆さんも許して下さい。
ところで最近はレッグシールドの付いたバイクが減りましたねぇ。
ヨーロッパ製バイクの一部に残っていますが、雨風、泥も防ぐレッグシールド付のバイク、また復活してもらえないかなぁと思ってます。
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月刊望月三起也ではみなさんからの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由、採用者は「月刊望月三起也」で掲載。
また掲載された方には、望月先生書き下ろし特製ポストカードをプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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いちばん熱中して読んだのが小学生~高校生にかけての人格形成される時期だったこともあり、生き方だけでなく今に至る“趣味“にまで深く影響しているのです。
その一生の趣味となってしまったガンとバイク。
今回はそのバイクの考察をさせて下さい。
望月先生の作品に登場する改造バイクには、かなりの確率でレッグシールドが取り付けられています。ワイルド7だけでも飛葉・世界・チャーシュー。新ワイルド7では皆フルカウルの大型バイクに乗っているので、ほとんどシールドが付いていると解釈しても良い程です。
このレッグシールドにリアルの世界を持ち込むと、原作通りの形式のままでは防風には効果抜群ですが、高速走行では空気抵抗が多すぎるのではないか?という疑問にぶち当たります。
上の画像は2008年のプレミアムモーターサイクルショーでのドレミコレクション(なかの屋)さんの原作に忠実なCB750です。見ていただけるとわかりますが、原作通りに大きめのレッグシールドがバイクに対して垂直に取り付けられています。
もちろん試乗はさせていただけませんでしたが、またがって確認したところ、この原作通りの垂直レッグシールドでの高速走行は「かなりの空気抵抗になること必至」と信ずるに足る取り付け角度でした。
皆さんもよく街で見かけるホンダ・カブのレッグシールドや、通称“三河屋バイク”と呼ばれるCD125のレッグシールドを思い出していただけると分かる通り、実際のものは前から受ける空気抵抗を低くする為にかなりナローな曲線・角度で取り付けられております。極端な表現をすると、上から見た角度はかなり逆V字になっているというワケです。
私が飛葉バイクを造るときに目指したのが、リアルに走り回れる、ということでした。これには高価なCB750を改造したものは、モッタイナクテ乗れない、という心理もあります。
結果取り付けたのはキジマ製の現実に即した、ナローな角度のレッグシールドでした。
これをもっと大きなものにして、取り付け角度も垂直に近くすると、かなり原作ファンが狂喜するデキになったはずなのですが、あえてこういった形にしたのです。
もちろん原作の飛葉ちゃんのバイクとは形状の違いがありますが、高速走行にもしっかり対処、風もある程度の雨もしのげます。
漫画原作にリアルを持ち込むのは野暮なのですが、バイク趣味も教えられたのは望月先生の作品群からです。こうしてつい現実に即したことを気にしてしまうのがマニアなものなのです。皆さんも許して下さい。
ところで最近はレッグシールドの付いたバイクが減りましたねぇ。
ヨーロッパ製バイクの一部に残っていますが、雨風、泥も防ぐレッグシールド付のバイク、また復活してもらえないかなぁと思ってます。
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月刊望月三起也ではみなさんからの投稿をお待ちしています。
「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由、採用者は「月刊望月三起也」で掲載。
また掲載された方には、望月先生書き下ろし特製ポストカードをプレゼント!
是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp
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TAKUYA さんのプロフィール
【望月三起也先生より】
現実には風を受け過ぎ等々、野暮は承知でとリアル考察もまたいいですよ、TAKUYAさん。
実はもっとツッコまれるネタ、連載直後には考えてあったのですよ。
後部にジェット噴射筒が付けてありますよね、あれで地面に強い風を吹きつけ、前出のシールドを地面近くへ下げ水平にすると、なんと水上も走行できるフォバークラフト状態もアイデアとしてはあったのです。
あまりにも嘘くさいと思われそうですが実はそうでもなく、現役の英国戦闘機で「ハリアー」と言いますが、ヘリコプターのように駐機状態からそのまま空中へ上がるものも存在するのです。
ジェットだけでなくプロペラ機でも同様な発進のできるものもあり、これは一度作品に登場させたヘリコプター、空中へ上がるとプロペラが前方へ向き、そのまま飛行機になるというもの、垂直離着陸戦闘機の発想を元来垂直離着陸のヘリコプターに逆発想したもの。つまり下へ空気を吹き付けるという発想、現実的なのですよ。
左右のジェット、空気の吹きつけ量の加減でバイクを傾け方向を変える・・・・・ と、まァそういう発想ですが、実は現実的にひとつ問題があって、動力源、強風発生させるジェットエンジン、どこへつけるの?って。
座席の下とか色々考えたのですが、小型化が可能か?ってこともあって、それを使った活劇シーン見送ってますが、漫画だもの、一度は使ってみたいネタではありますけどね。
と、書いたところで思い出したねぇ、このアイデアってワイルド7千金のロード編で使った気がする。
いつものように過去は忘れる私の真骨頂だということで、漫画のネタどころか、話のネタになっちゃったなァ。
まァ、あまり拘るとガンダムもゴジラも「ウソォ!」って、終わりになる。
かぐや姫、竹から生まれるってのがフィクションの原点でしょう。ドラマの中の世界で少しリアルかなってところを楽しんでもらうのが私らの仕事かな?
でも私、描くのは趣味だもんねぇ。
現実には風を受け過ぎ等々、野暮は承知でとリアル考察もまたいいですよ、TAKUYAさん。
実はもっとツッコまれるネタ、連載直後には考えてあったのですよ。
後部にジェット噴射筒が付けてありますよね、あれで地面に強い風を吹きつけ、前出のシールドを地面近くへ下げ水平にすると、なんと水上も走行できるフォバークラフト状態もアイデアとしてはあったのです。
あまりにも嘘くさいと思われそうですが実はそうでもなく、現役の英国戦闘機で「ハリアー」と言いますが、ヘリコプターのように駐機状態からそのまま空中へ上がるものも存在するのです。
ジェットだけでなくプロペラ機でも同様な発進のできるものもあり、これは一度作品に登場させたヘリコプター、空中へ上がるとプロペラが前方へ向き、そのまま飛行機になるというもの、垂直離着陸戦闘機の発想を元来垂直離着陸のヘリコプターに逆発想したもの。つまり下へ空気を吹き付けるという発想、現実的なのですよ。
左右のジェット、空気の吹きつけ量の加減でバイクを傾け方向を変える・・・・・ と、まァそういう発想ですが、実は現実的にひとつ問題があって、動力源、強風発生させるジェットエンジン、どこへつけるの?って。
座席の下とか色々考えたのですが、小型化が可能か?ってこともあって、それを使った活劇シーン見送ってますが、漫画だもの、一度は使ってみたいネタではありますけどね。
と、書いたところで思い出したねぇ、このアイデアってワイルド7千金のロード編で使った気がする。
いつものように過去は忘れる私の真骨頂だということで、漫画のネタどころか、話のネタになっちゃったなァ。
まァ、あまり拘るとガンダムもゴジラも「ウソォ!」って、終わりになる。
かぐや姫、竹から生まれるってのがフィクションの原点でしょう。ドラマの中の世界で少しリアルかなってところを楽しんでもらうのが私らの仕事かな?
でも私、描くのは趣味だもんねぇ。
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2012/10/18 at 6:17 AM
ワイルド7は、あこがれのマンガで、小説を書いて糊口をしのぐようになった今でも強く影響を受けています。とくに別のコラムで書かれているシカゴの五本指がいいですね。植物園での決闘シーンにはしびれました。あのスピード感と緊張感、何より飛葉ちゃんの大逆転勝利…、あこがれるばかりです。とりとめもないことで失礼しました。