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作品紹介

第47回

プシィキャット 猫+4(フォア)

執筆者:   2012 年 10 月 1 日

今回も鋭意執筆のeddy-sさん、望月先生幻の漫画『ローリング・ガン』に迫ります!実はこの作品・・・それは読んでからのお楽しみ!

「ヤングコミック」1970年9月23日『狂い犬(マッドドッグ)』最終回掲載号の次号予告に下記の記載が・・・・・。


以前kenさんが作成されたリストには載って無い作品名。

もしかして、これは未発掘作品か!こりゃいつか必ず手に入れないと、ずっと思っていました。

そしてつい先日、ネットオークションでついにその掲載号を手に入れることが出来ました。

期待に胸ふらませてドキドキしながらページをめくり目に入ってきたタイトル名は・・・・・。



「プシィキャット 猫+4(フォア)」 !?


あれっ??????「ローリング・ガン」はどこに・・・・・!?

・・・・・もしかして、前号の発売時点ではタイトルが確定していなくて、
土壇場で「プシィキャット」に決まったとういうことでしょうか?

確かにタイトルの後ろに(仮題)という表記が入っていましたが…。

推測するに印刷所で印刷するギリギリまでタイトルを考えられて
おられたのでしょうか…。

望月作品でこういう例は割と珍しいのではないでしょうか?

ここで、簡単に登場人物とあらすじをご紹介。

いつか美容院を開業するのが夢の日系ハーフの主人公「プシィ(可愛い)キャット
(子猫ちゃん)」は、女の武器を最大限に利用して、金の亡者かと思われるほど
ダーティーな小使い稼ぎをする従軍看護婦で、銃器・兵器の使用方法も会得している
スーパーウーマン。でも本当は仲間思いの心優しい乙女・・・・・。

その仲間は、プシィの腰巾着の黒人兵(顔がサミー・デービス・Jrにそっくり!!!)、
アメリカ永住権を手に入れる為に、自ら2年の徴兵制度に志願した沖縄出身のチョーケイ(通称:オキナワ)、最前線で戦って手柄を立てる事が生き甲斐のノクター少尉(通称:コンパス)、軍車両の整備なら任せとけ整備班長の軍曹(通称:ホワイト・ドッグ)の4人。

この猫+4が、ベトナム戦争時代の、中近東の米軍基地を舞台に、ある時は灼熱の砂漠を舞台に大戦闘、また或る時は仲間のかたき討ちの為に、上官である悪徳将校を懲らしめる戦場エロスアクション!









エロスアクションと銘打っているだけにお色気シーンもふんだんに盛り込まれてます。


・・・・・それで思い出しました。

以前行われたイベントで、客席からの質問に対して先生が語られたパンティの絵柄は先生自らが描かれていた理由は、絵柄で微妙な立体感を表現するこだわりの為に、お弟子さんには任せられず、先生自らが描かれておられたという事を聞いていたので、本編に何度か登場するお色気シーンを見てこれがそうなのかと思いました。(笑)



ここで私の中で小さな疑問が・・・・・ なぜ、望月先生は、女性を主人公に戦争アクションを描こうと思われたのか?

理由はこうでないかと推測します。作品が発表された1970年は、小学館「ビッグコミック」で「ビタミンI」がスタートした直後で、かたや団地の薬局の薬剤師、かたや最前線の軍従軍の看護婦が主人公、舞台もご町内のほのぼの人情コメディと非情な人間のエゴがむき出しになる戦場という、中身がぜんぜん違う設定であるが、どちらも人の命を助けるのを職業とする、性格もどちらも姉御肌の心優しい女性が主人公。

「ビタミンI 」では、派手なアクションが描けなかったので、「プシィキャット」を
描く事で発散されておられたのではないかと…? 

同時に、主人公の「光」と「影」の部分を描くことで、その後に発表される女性を
主人公にした作品の方向性が出来ていったのでは無いかとも思いました。

ある意味「ワイルド7」のユキの原型かな?と・・・・・。

・・・・・そうそう!

当時の有名人にそっくりの将校もちらっと登場してます。

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『プシィキャット 猫+4(フォア)』
1970年 ヤングコミック(少年画報社)19号~23号(全5回/全4話)

(改題)『プッシー・キャット』
1982年 サンコミックス(朝日ソノラマ)《シリーズ野郎ども》「白い罠」併録


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望月先生のコメント

よく見つけて来ますねぇ、ネットの時代なんですねぇ。 以前なら神田の古書店街を一日中回って探したもんです。

私、思い出しています・・・・・
高校生の頃、そうやってアメコミ(アメリカ製漫画)100冊以上の中から好きなカット載ってるモノを選び出して買い込んで来た。その原点が、人物の動き、日本人離れしたものと評され、色っぽい女性ってのも、このあたりが原点なのかなと。
今さらながらですが、同時にこれもまた私の一面のいい加減さというか、決断力のなさというか、タイトルが予告と堂々違うって(苦笑)。
実はふたつに絞り込むまではスムースなんですが、さァ、ここからが両方とも捨て難い、気に入ってるンです。
ワイルド7もそのパターン、最後まで争ったタイトルが「野生の七人」。要は洋風横文字か、純和風かの表現の違いなんですが、これが絵の上にタイトルとして乗っかるとヴィジュアル効果は大きく異なるンですね。

ってことで、「ローリングガン」は結局未使用、『プシィーキャット』になった訳ですが、ワイルド7の場合、未練たらしくサブタイトルで残そうなんてしてたんですねぇ。

それまでは女性を描くのが不得意で、できるだけ女性は登場させないストーリー作りをしてたくらい苦手でヘタ! これもすでにあちこちで告白しているんですが、ビッグコミック(小学館)の編集さんに、「あんたは女が描ける!!」との一言、名編集者って凄い!!人を見抜くンです。って言うか、暗示にかけてるのかもね。
そんなわけで、この頃から“女に目覚めて”楽しんで描いてきた気がします。

この作品で4人の野郎共の名前の中に「チョーケイ」ってのがいたそうで、懐かしいなァって。
実はこの名前、その頃の弟子のひとり、沖縄出身で本当に「長慶」っていうんです。
うちへ来て、生まれて初めて雪を見て大興奮。アトリエ(仕事場)の外、駆けずり回ってたってのを懐かしく思い出しました。顔もそのままキャラクターにしてます。
まっ、うちの弟子たち、ちょっと個性的な顔立ちしてるとそのまま登場人物として使ってたんですね。人間だけじゃなく猫も犬も登場させてますが。
ともあれこういう発掘ものって私としては嬉し恥ずかし懐かし、ですよ。

半年ほど前も杉作J太郎さんがうちへ来たとき、なんと岡本喜八監督のシナリオから起こした短編で、ジョーカー(集英社)という雑誌で描いた作品を、その掲載誌からそのページ部分だけを抜き取ったというレアものを持って来られて、「覚えてます?」って。
いや、懐かしい!! なんてことも。




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