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望月マニ也

第84回

マッドドッグの全貌

執筆者:   2015 年 4 月 5 日

カラーページに単行本に収録されてないエピソード、まだ見た事がないものを探し求めて、ついにこの人が動きました。

maddog_tittle_2以前「マッドドッグ」の作品紹介をさせていただきましたが、その時点では秋田書店文庫4冊しか所有していませんでした。
今回の原稿を書こうと思ったきっかけは、ヤングコミック連載時のカラーページが見たいなぁ~と、軽~い気持ちで探し始めた事でした。
しばらくして少年画報社から発売されていたキングコミック版「狂い犬(マッドドッグ)(1)」を手に入れることが出来ました。
このコミックのすごいのは、最初の1話が巻頭カラーで掲載されている事です。一般的に雑誌掲載時にはカラーで掲載されますが、単行本時には白黒版になってしまうのが当たり前だった時代にカラーで単行本にするというのが凄い事です。

maddog_001それで益々もっとカラーページが見たいなぁ~と思う気持ちが高まり、神保町やネットで事あるごとにヤングコミックを探していました。
ただ、全部揃えようなんて大それた考えはその時点ではなく、たまたま目に止まってカラーのページがある物や面白そうな内容の物だけを集めようと思う程度でした。

そしてある日、事件が起きました。
それは、キングコミック版、秋田文庫版共に第1話として収録されていた「危険なお守り」掲載のヤングコミックを手に入れた時です。
maddog_002今までてっきり第1話だと思っていたら扉絵には第10話となっているじゃないですか!!
これはいったいどういう事なのか?もしかして第1話~第9話は一度も単行本になっていない?
頭の中は疑問だらけで悶々と過ごす日々がしばらく続きました。
しかし、幸いその疑問は割とすぐに解けました。
それは、コミック版で第5話として収録されている「花と骨」掲載のヤングコミックを手に入れた時です。扉絵には第4話となっていました。そして、その後他のエピソードを次々に手に入れていくうちに、どうやら少なくとも3話以降は単行本にちゃんと収録されていると確認する事が出来ました。
maddog_003maddog_008しかしそこで新たな疑問が、それじゃ本当の第1話はどのエピソードなんだ?・・・・と。また悶々とする日々が・・・・。
もうこれは第1話収録のヤングコミックを手に入れるしか疑問を解消する方法はないとの結論に達しました。
連載期間が1968年の6月11日から1970年9月23日で全56回の連載ということはkenさんが作成されたリストで判明していましたので、月に二回の発行だったというのは推測出来ました。
ここでまた疑問が・・・・。あれkenさんのリストには全48話となっている?8話分数が合わない・・・・。この差は何なのか?
これは益々全冊揃えるしか解明する方法がないなと、結局成り行き上全部を揃える羽目になりました。(苦笑)

maddog_007maddog_004ビッグコミックの時は販売冊数も多かったのか、ネットや古本屋でも割と手に入りやすかったのですが、ヤングコミックはそんなに販売数が少なかったのか中々市場に出ないようで、集めるのにかなり苦労しました。

神保町を這いずり回ったり、ネットで全国の古本屋に検索をかけたり、オークションで出物が出るのをじっと待つ、まるで太公望になったような気分でした。しかし、いつ引っ掛かるか予測が出来ない状況はとても体に悪いです・・・・。
私は元来せっかちな性格なので、じっと待っているよりこちらから仕掛けるしかないと思い、どこか大量に保管している場所はないか?
手っ取り早い方法を色々考えました。そしてたどり着いた結論が、それを満たしてくれるのは図書館しかない!
maddog_009しかし、「マガジンバンク」の愛称で知られる「都立多摩図書館」には残念ながら在庫が無いと検索結果が・・・・、まさか国会図書館に青年コミックは置いているとは思えないし、どうせ無いだろうと端から諦めて駄目元で検索を掛けてみたら、それがなっ、なんと!在庫あると表示されたではありませんか!
これは取り敢えず一度行って見るしかない!と奮い立ち、生まれて初めて国会図書館に行ってみました。
場所は東京のど真ん中、国会議事堂がある永田町、そのすぐ隣。
地下鉄永田町駅を出て地上に出ると、これでもかと言う程あたり一面警備の警官だらけでした。まるで「コンクリート・ゲリラ」のワンシーンみたいに・・・・。(苦笑)
警官を横目になんとか国会図書館の中に。初来館者の所定の手続きを済ませて、貸出を依頼して待つ事約15分、窓口で受け取った冊子の山を見てとてもワクワクしている自分がわかりました。
そしてついに夢にまで見た「ヤングコミック」の「狂い犬」第1話を見ることが出来ました。

maddog_006maddog_005はたして第一話はどうなっているのか?
ワクワクしながら1ページ目を開き内容を読んでいるうちに、あれ?この話は知っているぞ?
キングコミック、秋田書店文庫の両方に収録されている話だ。
なんのことは無い、単行本の第2話として収録されている「暗いパーティー」のエピソードが第1話だったというわけです。
ではどうして今まで第1話と気がつかなかったのかというと、雑誌には主人公「ジョージ・牧」の生い立ちとプロフィールが簡単に紹介されているのですが、単行本では、その説明文が全てカットされていた為、今まで気がつかなかったのです。
ようやくモヤモヤしていた謎が解け一安心、ホッ。
幸い国会図書館には私がまだ所有していないヤングコミックがいくつも所蔵されており、抜けていたサブタイトルがかなり判明しました。

maddog_010そうそう、国会図書館で思わぬ物を発見しました。
「作品紹介」の時に、雑誌の企画で美女と対談する事になり、慌てて変装されたと望月先生のコメントがありましたが、その対談記事の掲載号を見ました。
M・ハスラーはアメリカ生まれの「プレイボーイ」という触れ込みだったので、それなら対談のお相手は「プレイガール」でという企画だったようで、当時の人気TVドラマ「プレイガール」の出演者のお一人「桑原幸子」さんが対談相手でした。
対談は終始あっけらかんとした彼女の私生活の話にタジタジの感がありました。それにしても、サングラスに付け髭姿の写真は、先生の知り合いが見たら誰が見ても望月先生だとバレバレでした。



今回、今後の作業が便利になるようにサブタイトルリストを作ってみました。
まだまだ作業途中ではありますが、あと少しで全貌が明らかになりつつあります。
引き続き探索を続けていきます。
No. 号数 タイトル 単行本 補足
4C 2C
01 1968
(S43)
15 ノンタイトル 8 2 1 2 単行本収録時「暗いパーティー
02 16 地獄へジャンプ 4 2 1 3
03 17 目には目を 1 1 4
04 18 花と骨 8 2 1 5
05 19 小石の思い出 1 1 6
06 20 苦いあそび 4 1 4 2 1
07 21 燃えつきた氷 8 2 1 7
08 22 ローラ・レディ 殺人ゲーム 8 2 1 8 秋田文庫タイトル「殺人ゲーム
09 23 取り越し苦労 1 1 9
10 24 危険なお守り 4 8 4 1 1
11 25 かわいい女(前編) 2 2 少年画報社版「ワイルド7」
「地獄の神話」第25巻の巻末に収録
25 かわいい女(後編) 1
12 27 ガラスの階段 8 4 1 10
13 28 殺しの芳香 8 4 3 1
14 1969
(S44)
1 陽気な天使たち 8 2 2 4
15 2 鉛玉はお熱いうちに! 1 3 2
16 3 終わりはキスで! 8 2 未収録
17 4 狂った殺陣 4 8 4 2 3
18 5 ステキな秘密 未収録
19 6 しあわせな二人 4 8 4 2 2
20 7 地獄で天使が待っていた 8 2 3 4
21 8 恋のタッチダウン 4 8 4 未収録
22 9 黒い花束 8 2 4 1 単行本収録時「黒いはなたば
23 10 暗い長い詩 8 2 未収録
24 11 暗闇でCHU!! 11 2 未収録
25 12 はきだめで釣り 8 2 未収録
26 13 わたしは女 8 2 2 7
27 14 砂漠の窓 8 2 2 6
28 15 お熱い車で天国へ! 3 5
29 16 熱い札束(前編) 1 2 8
17 熱い札束(後編) 1
30 18 天使の冒険 5 2 3 8
31 19 悪魔のほほえみ 3 6
32 20 死神が行く 1 2 4 2
33 21 悪党 1 2 3 7
34 22 黄金の舌 1 2 4 3
35 23 墓穴(前編) 1 2 未収録
24 墓穴(後編) 4 2
36 1970
(S45)
1 イス取り大作戦 1 2 4 4
37 2 GOGO5 8 2 未収録
38 3 アフリカンルガー(前編) 8 2 4 5
4 アフリカンルガー(後編) 1 2
39 5 毒蛇(前編) 4 2 未収録
6 毒蛇(後編) 4 2 女優・桑原幸子さんとの対談収録
40 7 迷える魂 1 2 未収録
8 50万ドルの狼煙 2 2 未収録 迷える魂 PART2
41 9 土曜の夜に何が起こったか!? 5 2 3 8 単行本収録時「油の町エレジー
42 10 大博打 3 2 未収録
43 11 オンナは女 3 2 4 6
44 12 人食い犬 1 2 4 7
45 13 ヨーロッパ大追跡 1 2 未収録
46 14 バン・バン・バン 1 2 未収録
15 狂った森 3 2 未収録 バン・バン・バン 後編
47 16 白黒戦争(前編) 1 2 未収録
17 白黒戦争(後編) 4 2
48 18 シバの挑戦者 4 2 4 8



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望月先生のコメント

またまた感心させられてしまう!!国会図書館だって?!
見事!そこまでやるか!!マッドドッグも涙を流して喜んでいることと思います。

いつもながら作者は描いて終わり。次の夢へと意識は飛んでいく。でも作られたキャラクターは永久保存なんですねぇ。ある意味歳もとらない、羨ましい。描き手は腰痛だ、あっちが痛い、こっちがどうのってボヤくことが多いのに。
でも考えてみたらマッドドッグに歳をとらせて腰痛でボヤくってリアリティ取り入れ、新作に登場ってのも面白いかな?
・・・・・なんてことを思わせるeddy-sさんの快挙、ヘタすりゃマッドドッグを越えるパワーです。
私は手先で仕事。足は年々無精になる。eddy-sさんの“足”、見習わなくちゃいけない。サッカー場ならスパイク履いた途端に足は駆けだしていくのにねぇ。

それにしても、当時のまま雑誌が、それもヤングコミックが手にできるならと足を棒で古本屋巡りするって、大変。
私も若いころ、神田の古書店街、一日中同じ店で山積みになったアメコミ(アメリカン・コミック)誌から状態の良いものをチョイスするために座り込んでいたこともあり、神田は懐かしい。そういう私に店のご主人がおしぼりとお茶を出してくれたことを思い出します。
やるとなったらハンパは嫌い、トコトコ極めるeddy-sさんの根性、神田で磨いたのかな?・・・・・で、神田から国会へって、なんか代議士のキャッチフレーズだね。私ァ、神田からブラジル大使館でしたが。

『ムサシ』って連載デビュー作を描くとき、舞台となるブラジルの地図、それもポルトガル語で作られたものが使いたかったんです。リアルな内容にしたかったンで。でも神田でも見つけられず思い余ってブラジル大使館へ突撃。
いやァ、親切でしたねぇ、ブラジル大使館。いただいてまいりましたポルトガル語版ブラジル地図。

そんなこと、思い出しました。


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