月刊望月三起也タイトル画像

【ひとこと作品紹介】緑の戦士ヤルキマン/スイッチ音

hitokoto_img第13回

『緑の戦士ヤルキマン』『スイッチ音』

執筆者:Ken

Kenさんが紹介する未収録作品シリーズ。
望月先生といえばサッカーのイメージが強いですがズバリ!今回のジャンルはゴルフ。
タイトルからは予想もつかないその内容。

それでは2作続けてドーゾ!

【作品名】
『緑の戦士ヤルキマン』『スイッチ音』
【掲載誌】
『緑の戦士ヤルキマン』
「BIGゴルフコミック[月刊コミックバンバン増刊]」
(徳間書店)
1985年5月20日号・同年7月20日号(2回連載)
『スイッチ音』
「BIGゴルフコミック[月刊コミックバンバン増刊]」
(徳間書店)
1985年9月25日号(読切)

【単行本】
共に未収録

【ページ数】
『緑の戦士ヤルキマン』37ページ
『スイッチ音』31ページ

【あらすじ】
■『緑の戦士ヤルキマン』
冒頭に望月先生ソックリのキャラが登場。
飛んできたゴルフボールが先生の頭に直撃しても平気な顔をしている。
実は望月先生に似せて作られたロボットと判明。
思考能力や運動性能、性格まで一緒という徹底された特別モデル。

そんな望月“ロボット”先生が、生駒佳代子プロにレッスンを受ける様子を描いている。この漫画のエピソードから分かったのは当時(1985年)の先生(46歳)のゴルフキャリアは5年。
先生の目標と同様に、ラウンド100を切ることで頭が一杯の読者のスコアアップを支援していこうという内容。

第1話はティーショット編で、グリップ、スタンス、スイングの方法を学ぶ。
第2話はアドレス編で、ゴルフスイングの基本を学ぶ。
ただ、望月“ロボット”先生はどちらかと言うと、おふざけキャラで、生駒佳代子プロを困らせてばかり。

レッスンが主体ではあるものの、ゴルフ関連のエピソードも紹介されている。
例えば、当時、望月先生がさいとうたかを先生と徳間書店主催のコンペに一緒のパートナーで参加したときのこと。
さいとう先生はとにかく楽しいゴルフで、林へ打ち込むことが生きがいだったらしい。

■『スイッチ音』
ドイツにあるコースでゴルフを楽しんでいた望月先生を含むメンバーたち。
休憩中にふと見ると、若い日本人女性が身体の大きな男に絡まれていた。
同じ日本人として黙っていられない。メンバーのひとりがその男に立ち向かおうとするも、いきなりその若い女性がその大きな男をぶっ飛ばしてしまう。

その様子を見ていた望月先生は閃いた。
先生の友人の中に美人ゴルファーを育成する計画を立てている者がいて、彼女はズバリその条件に適合するのではないか。
臨時のスカウトマンとして先生は彼女にアプローチする。

実は彼女は17歳の美人プロレスラーだったのである。
既に実績もあったので、ゴルファーへの転向には全く関心が無かった。
だが先生の熱心さに負けて少しは気持ちが揺らぐ。
だが、よくよく考えると上品なゴルフは自分に向いていないと思い直し、先生を置いて旅立ってしまう。


【作品解説】
今回紹介するのは振り切るレベルの異色中の異色作品を2つ。
共通するテーマは「望月三起也先生が登場する作品」。
先生が登場する作品として自伝漫画の『カエルが燃えるとき』(1974年)があるが、この作品は別格なのでそれを除いたのがこの2作品。
しかもチョイ役というよりも主役級レベル。
先生のキャライメージはイラストなどではよく目にするものの、実際の作品に登場していたことはあまり知られていないのではないかと思われる。

1つめはゴルフレッスン漫画の『緑の戦士ヤルキマン』。
2つめは美人プロレスラーをゴルフ界へスカウトを持ちかけるという『スイッチ音』。
共に単行本未収録作品、掲載誌が1985年刊行の「BIGゴルフコミック(徳間書店)」と同じ雑誌で同時期に発表されたもの。

『緑の戦士ヤルキマン』というタイトルは、ついSFものを連想させてしまうようなネーミングだが、実際は緑の芝生で悪戦苦闘するヤル気のあるゴルフマン=望月先生という意味と推定。
ただ、ご本人がレクチャを受ける展開よりもギャグ要素を強めにしたイメージ優先のため、先生によく似たロボットを登場させることで「おふざけキャラ」を演出しているところがご愛嬌。

『スイッチ音』の方はプロレスラーからゴルファーへの転職(=切り替える:スイッチ)を誘う展開からのネーミングと推定。
こちらの作品には臨時のスカウトマンとして、先生ご本人が実名で登場。

2つの作品はゴルフ雑誌への掲載の都合上、ゴルフに特化した内容だが、実は重要なことが秘められている。
それは徳間書店との太いパイプが築かれたこと。
作品掲載(1985年)の翌年には『新ワイルド7』(1986年)の連載開始や、それに続く『続・新ワイルド7』の発表、従来の望月ファンだけでなく新規読者を掘り起こすための旧作『ワイルド7』(トクマコミックスDX/1987年)の刊行開始へとつながる。
すなわち、新たなる『ワイルド7ワールド』につながるための貴重な中継役となる作品だったと考えられる。

=============================================
clearfile_01「月刊望月三起也」では皆様からの投稿をお待ちしています。

「望月マニ也」「作品紹介」のほか書式や内容は自由!
投稿が採用され「月刊望月三起也」に掲載された方には
記念品として、特製クリアファイル(2枚セット)
をプレゼント!

是非、月刊望月三起也事務局までメールを送ってください。
お待ちしております。
info@wild7.jp

=============================================





2023 年 10 月 4 日   固定リンク   |   トラックバック(0)


コメント


トラックバックURL


表紙 » ひとこと作品紹介