東のう | 単行本では望月作品を買いつくしている。 |
マンチュウ | 雑誌から付録までリアルタイムで収集していた。 |
ヒロをぢ | リアルタイムで望月作品の雑誌を読んでいた。 |
ケンケン | 雑誌から単行本、付録まで収集されている。 |
幻蔵 | 望月作品はサンコミの単行本から収集を始めた。 |
おいちゃん | 風呂敷を広げすぎて、しょうもない収集をしている。今回、司会を務める。 |
※なお時間の都合から参加できなかった、なかのさんからも貴重な画像提供をしていただきました。 |
〉おいちゃん
マンチュウさんに聞きたいんですがM・ハスラーの名義で描いた時には直ぐに望月作品って判りましたか??
〉マンチュウ
ヤングコミックに「マッドドッグ」の連載が始まったときは、変名であることは、すぐにわかりましたよ。
〉おいちゃん
やっぱり絵柄でですか??
〉マンチュウ
あの独特の画風はすぐにわかりました。
画像はありませんが、「マッドドッグ」と「ピーマン野郎」
の間に「プシィキャット・猫+4」というやはりエロチック
アクションが5回連載されていますが、
いづれもマイク・ハスラー名義でした。
〉おいちゃん
そうそう、意外だったのが「ピーマン野郎」でして、この作品って単行本では望月作品として発売されたんですが連載当時はM・ハスラー名義での連載だったんですねぇ・・・今回初めて知りましたよ。
– – –
〉おいちゃん
ここらで望月作品の中でこんなシーンを知っていますか?って事があったらお教え頂ければと思うのですが。
〉東のう
ワイルド7はリアルな作品と思っているでしょうが、作品をじっくり見るとユニークなところがあります。では「ワイルド7」の中から紹介をしましょう。地獄の神話編には、凄いものが出ています。まず一つ目は、当時流行った石森章太郎氏のイナズマンから・・・ベルトのゲージが頂点に達すると、ウナギマンはシラズマンになるのだ!(22巻、71ぺージ)
〉おいちゃん
読んだけど覚えてねぇぞ・・・それって
〉東のう
次は、もっと凄い。コアだぞ。 二つ目、これはサッカーファンでないと分からない内容です。同じく、ワイルド7の地獄の神話からなんですが、作品中に菊川警部が出てくるのですが、着ているスーツの柄が凄い。““三菱“マーク。明らかに(多分と思います)当時、社会人三菱重工のサッカー部活躍されていた菊川凱夫氏をモデルに・・・スクリーントーンも使わず(当時は三菱マークなど無いと思います)、キッチリ書き込んでいます。
〉ヒロをぢ
三菱ちゅうと杉山くらいしか出てこない・・・
〉東のう
21巻、67ページを観てください。
〉おいちゃん
ほほう、サッカー好きですんでねぇ・・・望月さんって
〉東のう
氏がサッカーにのめり込んでいたのが分かります。これを発見した時、一人笑いましたが、誰にも言えず、今回やっと言えました。こんな発表の機会を得られて有難うと言いたいものです。ちなみに下に張り付けたのがウィキペディアに載っているものです。一番下まで見て貰えれば理解できるかと思いますよ。
→菊川凱夫氏(Wikipedia)へ
〉おいちゃん
ほほう、これですか、サッカーは詳しくないもんでしてねぇ・・・しかし、読み込んでみると奥が深いですねぇ・・・本当に
〉東のう
兎に角、背広の柄みて。スリーダイヤが・・・いっぱい。
– – –
〉東のう
さて、氏のアクション系以外の作品に、ワイルド7が登場していますが、ご存じでしょうか。
〉おいちゃん
東のうさん、どんな作品にワイルドが登場しているんですか??
〉東のう
「うるとらSHE」サンコミ1巻の179ページです。オートバイで登場しますが、明らかに飛葉、両国ですね。オートバイには、ワイルドのエンブレムが・・・(笑)
〉おいちゃん
ほほう・・・それは確認しなくちゃなぁ・・・
〉東のう
以前から疑問に思っていたんですが望月氏にも確認してみたいものです。なぜ、書いたのかを。
– – –
〉東のう
そうそう、おいちゃん、少年ジャンプの創刊号に氏が、掲載しています。知っているかな?
〉マンチュウ
「ドル野郎」ですね。
創刊第2号には股旅ものの読切「星と刀とつむじ風」を掲載しています。こちらは単行本未収録だと思います。
– – –
〉マンチュウ
さきほど話題になった「ケネディ騎士団」が終わって、半年後に、「ワイルド7」が始まりました。
〉おいちゃん
半年ですか・・・ケネディからワイルドに移るのに
〉マンチュウ
「ワイルド7」は、「ひみつ探偵JA」(単行本化に際して「秘密探偵JA]と漢字になった)が終わって、1月後に始まっています。そういえば、以前、おいちゃんに「戦国忍法帳」の変名のことを望月先生に聞いてもらいましたね。いまCSスカパーで放映されている新作アニメ「ワイルド7another」と先生の関係はあるのですかね。
〉おいちゃん
そうそうペンネームの変名の件ですがここでご説明しておかなければいけませんね。望月先生が連載当時「戦国忍法帳」を牧英三郎名義で発表され(若木書房の単行本も牧名義)、また「マッド・ドック」をM・ハスラー名義で連載されていた理由なんですが・・・先日、望月先生とお会いできる機会に恵まれて直接お聞きしたんですが、これにはそれぞれ別々の理由があったそうです。牧英三郎の方は「戦国忍法帳」には東京放送のラジオドラマの原作(佐々木守脚本)が最初からあったそうです。一人で漫画を作り上げるのがプロとの意識から望月の名前は拒否したそうです・・・どうしても描かなくてはいけなくなったんでペンネームを変えて原作の話は一切を無視して主人公の名前以外は使わないって条件で引き受けたとか・・・
一方、M・ハスラーの方は当時ハーフのイメージから付けられたペンネームだったそうで、ハーフが漫画を描いたらこんな感じってセンスで描いていたとか・・・当時、連載雑誌の企画からインタビュー記事に顔を出さなくてはいけなくなりサングラスと付け髭をつけて顔を隠して写真を撮られたとかの話もしていましたっけかねぇ(笑)
〉幻蔵
そんな理由があったのですか、あの作品には。
– – –
〉おいちゃん
まだまだ語りつくしていないでしょうが、時間もなくなってきましたんで、最後に望月作品に対して一言ありましたらお願い致します。
〉ヒロをぢ
漫画暦長いクセに望月作品は有名どころを摘み食いしかしてません。これから少し気を入れてチェックするように努めます。今日出た中ではやはりケネディ騎士団がお勧めなんですが、後二世部隊シリーズもいいですよね。若い人には是非読んでもらいたいな。
〉幻蔵
機会があれば、ジャパッシュをもう一度読んでみたいです。
〉マンチュウ
ここまでの望月作品をリアルタイムで読むことができた幸せをかみしめています。これからも現役として、「続々新新ワイルド7」を期待しています!!
〉ケンケン
また、「ビタミンI」の様な作品を描いてください。
〉東のう
これからも望月作品を愛し続けて行く覚悟です。素晴らしい作品をまだまだ続けて発表していってください。
〉おいちゃん
皆さん、本日はお忙しい中をありがとうございました。次回も機会があった時には宜しくお願い致します。
これをお読み頂いた皆様へ
纏まりのない会話をここまでお読み頂いてありがとうございました。
望月作品が年季の入った望月ファンをひきつけてやまない魅力の一端を感じて頂ければ幸いです。望月先生には「ワイルド7」という超ヒット作があるというだけでも素晴らしいのに、いまだに文庫が新刊で発行されロングセラーを続けているというのも凄い事です。きっと今でも毎年「ワイルド7」のファンは増え続けている事でしょう。しかし、それだけではない望月ワールドがいまも読者の前に広がっているのです。座談会に題名が出た作品以外にも、まだまだ傑作があります。残念ながら単行本化されない傑作もたくさんあると云う事なのです。出来ればすべての作品を収録した全集を出版して頂ける事をお願いしつつ、改めて素晴らしい作品の数々を提供して頂いた望月先生に感謝したいと思っています。
望月先生、本当にありがとうございました。
〈前編〉 望月先生のコメントのつづき
次、二世部隊ですが、その通りコンバットファン、ヴィック・モローファンだった私、これもマンガの世界でやりたかったもの。
それもまた、外人さんが主役ではウケないと編集部の反対。で、ムサシと同じパターン、日本人を主人公にするには二世部隊を描けばいいわけで、ジンクス破りの一手なのです。
ジンクス破りを何度もやってる私ですが、ワイルド7もその一つ、「悪役が主人公はウケない」「7人もキャラクター出したら読者が感情移入できない」と、これまた編集部大反対。
だったのですよ。それを押し切って連載始めたものですから、実は最初は不安。ウケなくて一年足らずで中止かも、と覚悟はしていましたが、あれほど読者が喜んでくれようとは想像できませんでしたね。
二世部隊に戻って、最前線てタイトル、まるでストレート、今にして思えばよくまぁつけたものだと思います。私、タイトルはこだわるのですが、このくらいシンプルなのもめずらしいと、他人事のようですがネ。
この作品は現地取材したかったなぁ。今は、ノルマンディーまで行ってかなりコアな資料、たとえば第一空挺師団の白いワシのバッヂとか、ホンモノまで集めてあるのです。
そう、第一空挺師団は、映画プライベートライアンで命を救われた兵士の所属していた師団。最初、基地のシーンで老人が襟につけてます。
まぁ、私もコアですが、座談会の方々も本当、よくコアな話題ふってますね。
岡本喜八監督にまでふれて、ジョーカーでの作品は、監督が映画にしようと描きためていたシナリオの一本をマンガの原作として使ったもの。私、原作は嫌いですが、岡本喜八監督の大ファン、その上、岡本監督の自宅で打合せ付きときては、もったいなくて、断れません。打合せというより、ファンと作家のような楽しい一日を過ごせて幸せいっぱいの企画でした。
色っぽいモノシリーズについても皆さん詳しいのにおどろき。
ペンネーム、M・ハスラーは、少年誌の読者向きの本名と変えて、青年誌用として考えてつくりました。
名を変える事で、少年誌で出来ないお色気たっぷりの女の子を思いっきり描ける楽しさがありました。このお色気も、実は、女の子苦手で、それまであまり登場させなかったのですが、自分でいうのもなんですが、意外とこっちにも才能あったようで、好評。故赤塚先生にも、「色気ありすぎ、いかんのダ」といわれたりした思い出があります。
ビッグコミックでは、この路線が喜ばれ、何本か描きましたが、最初のビタミンI(アイ)は苦労しました。
編集部の注文が、すごい。それまで活劇モノ作家として一応通ってきた私にですよ。
「団地に住む、子持ちの女性主人公」
これって、他の人に持ち込む話じゃないの?私にはムリ、そんな地味な話ムリ、断ったのですが、担当者さん、あんたには出来る!!と断言。やってみたら意外とギャグの才能もある事に気がつかされ、さすが編集者、作家より作家を知ってるんだと感心させられました。
三菱マークをガラに使ったってハナシも出てましたが、そこまで見てくれる読者はうれしいねぇ、三菱ファンの私としては。
そもそも三菱との縁ですが、「ザ・キッカー」。これは当時、三菱重工の選手で代表でもあった菊川って選手の、私はファンだったのです。で、サッカーものを、と集英社から依頼された時、一も二もなく、この人を主人公にと、得意の押しかけ取材。会社へ出向き練習場へ潜入、さらには、藤枝市の彼の自宅まで行きトコトン取材し、かなりドキュメントでやりました。
菊川選手が非常に協力的で、同時に取材を通じサッカー部の大半の選手とも仲良くなり、それ以来どっぷり三菱ファンという事は、そのまま今の浦和ファンってわけ。当時の選手の一人が今の浦和の社長ですからネ。
ファミリーを大事にする私は、その頃から三菱車でサッカー道具積んで試合に行きます。
外車は別として、国産車は浮気しません。三菱一筋です。
コアのファンのおかげで、自分の作品なのに懐かしく、思わず長い文になってしまいました。
6人の勇士の方々、これからもよろしく。
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