「町をきれいにするにはドブをさらう人間も必要なんだ。
汚い仕事をするような奴がいなけりゃ世の中はよくならんのだ!!
私の部下はその汚い仕事で栄光もなく消えていく。
それがわかってんのか、あんた。」
(ワイルド7・ヒットコミックス版40巻・137P・草波勝のセリフ)
これは「ワイルド7最終章・魔像の十字路」で理想論を振りかざす法務長官に対し、草波隊長が放った印象深いセリフです。
この最終章では秘熊防衛大臣が乗っ取りを図る自衛隊が暴走し、右傾化していく日本を救うべく、草波隊長以下ワイルドのメンバーが立ち上がる話です。
国家権力の前に次々と殉職するワイルドのメンバーたちが強烈な印象を残し、草波はこのセリフを含め、一見活躍が目立たなくなっていますが、この最終章はまさに草波勝の物語であった、と私は思います。
望月作品からは「人の生き方」を多々学んできましたが、この最終章での草波勝の生き方は当時特に感銘を受けたものです。
既に自衛隊を脅迫と金で自由に操り、国家権力を思うままにできる秘熊大臣には武力では勝てないと悟り、敵を信用させる為に、早々と部下であるワイルド7を全滅させる計画を遂行します。
裏切り者のレッテルを張られる草波。
部下から裏切り者と謗られても耐え、日本を救うべく冷徹に作戦を遂行していったのです。
並みの神経ではもたないでしょう。”耐えること”も人が生きる上でいかに大切なものかを学んだ気がします。
飛葉が”動”なら、草波は”静”。やり方は違えどちらも正義の遂行だったのです。
不惑も半ばを過ぎようとしてますが、わたしはこの”正義”という言葉が好きです。
“正義”の気持ちを無くして生きることはまさに不遜でしょう。
自分を信じ、正しいと思った事を日々の生活で貫いていく。
これは飛葉、草波ほかワイルド7という作品からわたしが学んだことです。
→望月三起也作品-心に残るセリフ(2) へ
→望月三起也作品-心に残るセリフ(3) へ
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望月先生のコメントは 望月三起也作品‥‥心に残るセリフ(3) にて
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