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望月マニ也

第13回

望月三起也作品‥‥心に残るセリフ(3)

執筆者:   2009 年 2 月 2 日

望月作品の中で、TAKUYAさんが人生を学んだ「ストーリー」、感銘を受けた「シーン」、印象深かった「セリフ」、その中でも特に心に残ったものを、厳選して紹介していただきました。       (3/3)

     

「短くても長くても同じ一生だナシ、

人に気がねしないで生きたいものだ、ナシ」

   

    

(サムライ教師ボギー・プレイボーイコミック1巻・153P)



  
サムライ教師ボギーこと頼近先生の、まさに生き方を一言で表したセリフです。

作品はみなその作者の分身と私はとらえています。この自由に生き全身全霊で生徒を指導する(困った指導の方が多かった気もしますが…)頼近先生も望月先生の分身なのだと思います。

この作品の発表から27年後の現在まで、サムライ教師・頼近先生のエピゴーネン(模倣)の教師がマンガ作品だけでもたくさん発表されてきました。
特にヒットを飛ばしたGTO(グレイトティーチャー・オニヅカ)を読んだときは、まっ先にこの望月先生の「サムライ教師ボギー」を思い起こした記憶があります。

望月先生の作品は、時代を先取りしたものが多く、この作品がもし15年後に発表されていれば、更なるヒット作品足り得たのでは?と残念でなりません。
当時はちょうどテレビで「金八先生」や「サンキュー先生」などのドラマが放映中で、理想論とキレイゴトのオンパレードでした。80年代の軽薄でゆるい時代背景にボギーは受け入れられなかったのかも知れません。

サムライ教師・頼近先生の指導は、常に誰に対しても対等です。人間と人間のぶつかり合いで指導を進めていきます。その指導の為には自分を通す、誰にも気がねなどしない、誤解されることを恐れない、損得で動かない、そういったメッセージもこのセリフの中には含まれていると思います。
他の望月作品にも見られるように、頼近先生の中にも強い正義漢を感じますし、私の中では最高の学園・教師もの作品なのです。

当時高校生だった私は、この作品が読みたくて掲載されていた「週刊プレイボーイ」を毎週買っていました。なのでこの頃のグラビア・アイドルには詳しいですよ(笑)。
  
サムライ教師ボギー・プレイボーイコミック1巻・153P より
   
   
→望月三起也作品-心に残るセリフ(1)
→望月三起也作品-心に残るセリフ(2)


望月先生のコメント
【望月三起也先生より】

 
ダイコンおろしは、おろして五分後が最高に辛い。
その前は実は甘いって、NHKのガッテン見てて、初めて知りました。

私、昼はここ30数年、ソバ。
それも、ダイコンおろしで食すってパターン続けてます。
ソバが好き、さらには近所にうまい製麺所がありまして、週一回、その週の分を買いに行きます。
天ぷらソバも、ニシンそばも好きですが、やはり、おろしそばがトップでしょう。
辛いほど、ソバが引き立つのですが、それだけに辛みダイコンが、ベスト。
しかし、いつも手に入るわけじゃない。そこで青首ダイコンが多い。
で、これはシリからおろすと辛いと昔から云われてましたが、
目からウロコ、まさか五分という時間が辛さの素とはねぇ。

漫画の中のセリフ、それも決めゼリフは、まさに辛み。
ソバが引き立つか否か、ダイコンおろしにかかってるわけですよ。
主人公が、そのひと言で存在感を増す。
だから、このふき出しひとつで、一日中、手が止まることもしばしば。
コマ割りストップですよ。
それだけに、うまくキメができた時は、辛みの頂点。
鼻がむずがゆくて、頭の先に汗を感じ、眼に涙ですね、ソバでいえば。
ただし、そう思ってるのは当人だけかも、と自信はない。
それが何十年もたって、あのセリフ、このシーンのひと言と、人生にまで影響及ぼしてるのが判って、
やった事はムダじゃなかったと、心からうれしくなります。
そうなんです。活劇シーンの魅力を云われるのもうれしい。
イロっぽさの評価も、もちろんニヤついてしまいますが、
一番は、やはり読者の方の生き方に参考になった時でしょう。
自分で漫画の中で“人”とは、こうあってほしい、と絶えず理想を持って描いているつもりですから、
その思いが伝わらなければカラ振り。
心に響いて、初めてセリフも生きてくるわけ。
同時に自分の理想も主人公に託しているわけです。
理想ですから、本人は実にかけ離れ、だらしない人間。
逆に云えば、主人公のように立派な行動がとれてたら、マンガ家、やってませんわな。
ってわけで、深く読み込んで味わってくださる、こういうファンの方、実に有難い。

これからも、ダイコンの辛み、味わっていただけるよう、一生懸命すりおろしたいと思います。
  


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  • 桃色ジープ :
    望月作品は俺の人生の教科書。

    次郎、飛場、ヒロ&ローニン、マック、頼近、そして望月先生。
    みんな俺の先生。

    皆に恥ずかしくない人生を送りたい。

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