「短くても長くても同じ一生だナシ、
人に気がねしないで生きたいものだ、ナシ」
(サムライ教師ボギー・プレイボーイコミック1巻・153P)
サムライ教師ボギーこと頼近先生の、まさに生き方を一言で表したセリフです。
作品はみなその作者の分身と私はとらえています。この自由に生き全身全霊で生徒を指導する(困った指導の方が多かった気もしますが…)頼近先生も望月先生の分身なのだと思います。
この作品の発表から27年後の現在まで、サムライ教師・頼近先生のエピゴーネン(模倣)の教師がマンガ作品だけでもたくさん発表されてきました。
特にヒットを飛ばしたGTO(グレイトティーチャー・オニヅカ)を読んだときは、まっ先にこの望月先生の「サムライ教師ボギー」を思い起こした記憶があります。
望月先生の作品は、時代を先取りしたものが多く、この作品がもし15年後に発表されていれば、更なるヒット作品足り得たのでは?と残念でなりません。
当時はちょうどテレビで「金八先生」や「サンキュー先生」などのドラマが放映中で、理想論とキレイゴトのオンパレードでした。80年代の軽薄でゆるい時代背景にボギーは受け入れられなかったのかも知れません。
サムライ教師・頼近先生の指導は、常に誰に対しても対等です。人間と人間のぶつかり合いで指導を進めていきます。その指導の為には自分を通す、誰にも気がねなどしない、誤解されることを恐れない、損得で動かない、そういったメッセージもこのセリフの中には含まれていると思います。
他の望月作品にも見られるように、頼近先生の中にも強い正義漢を感じますし、私の中では最高の学園・教師もの作品なのです。
当時高校生だった私は、この作品が読みたくて掲載されていた「週刊プレイボーイ」を毎週買っていました。なのでこの頃のグラビア・アイドルには詳しいですよ(笑)。
→望月三起也作品-心に残るセリフ(1) へ
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ダイコンおろしは、おろして五分後が最高に辛い。
その前は実は甘いって、NHKのガッテン見てて、初めて知りました。
私、昼はここ30数年、ソバ。
それも、ダイコンおろしで食すってパターン続けてます。
ソバが好き、さらには近所にうまい製麺所がありまして、週一回、その週の分を買いに行きます。
天ぷらソバも、ニシンそばも好きですが、やはり、おろしそばがトップでしょう。
辛いほど、ソバが引き立つのですが、それだけに辛みダイコンが、ベスト。
しかし、いつも手に入るわけじゃない。そこで青首ダイコンが多い。
で、これはシリからおろすと辛いと昔から云われてましたが、
目からウロコ、まさか五分という時間が辛さの素とはねぇ。
漫画の中のセリフ、それも決めゼリフは、まさに辛み。
ソバが引き立つか否か、ダイコンおろしにかかってるわけですよ。
主人公が、そのひと言で存在感を増す。
だから、このふき出しひとつで、一日中、手が止まることもしばしば。
コマ割りストップですよ。
それだけに、うまくキメができた時は、辛みの頂点。
鼻がむずがゆくて、頭の先に汗を感じ、眼に涙ですね、ソバでいえば。
ただし、そう思ってるのは当人だけかも、と自信はない。
それが何十年もたって、あのセリフ、このシーンのひと言と、人生にまで影響及ぼしてるのが判って、
やった事はムダじゃなかったと、心からうれしくなります。
そうなんです。活劇シーンの魅力を云われるのもうれしい。
イロっぽさの評価も、もちろんニヤついてしまいますが、
一番は、やはり読者の方の生き方に参考になった時でしょう。
自分で漫画の中で“人”とは、こうあってほしい、と絶えず理想を持って描いているつもりですから、
その思いが伝わらなければカラ振り。
心に響いて、初めてセリフも生きてくるわけ。
同時に自分の理想も主人公に託しているわけです。
理想ですから、本人は実にかけ離れ、だらしない人間。
逆に云えば、主人公のように立派な行動がとれてたら、マンガ家、やってませんわな。
ってわけで、深く読み込んで味わってくださる、こういうファンの方、実に有難い。
これからも、ダイコンの辛み、味わっていただけるよう、一生懸命すりおろしたいと思います。
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2009/02/23 at 11:45 PM
次郎、飛場、ヒロ&ローニン、マック、頼近、そして望月先生。
みんな俺の先生。
皆に恥ずかしくない人生を送りたい。