以前このコーナーでご紹介させていただいた鉄血二代
の終了後「中二時代」に続けて連載されていたのが、これからご紹介する「ゆりっぺ先生大激突」です。
たった4カ月だけの連載で、しかも学習雑誌という限定された空間での作品の為、望月ファンはもちろん、望月先生もほとんどご記憶がない?作品の紹介で大変申し訳ないのですが、私にとっては大変印象が深く一生忘れられない作品の一つなのです。
その理由は、一つ目はなんといっても主人公である、ゆりっぺ先生こと「白浜ゆり子」が何とも色っぽかったことですかね?(苦笑)
顔が「ワイルド7」の「ユキ」似で、スタイル抜群のキャラクター
でした。毎回、中学二年生向けの学習雑誌としてはギリギリの
セクシーシーンのオンパレードで、思春期の純粋な中学生には
ちょいとばかし刺激が強すぎました…、あはは。
そういえば女教師が主人公の望月漫画は他にもいくつかありまし
た。「ヘッド牙」の小梅先生(顔がユキ似)、「騒世記」の夏目真沙子先生(同じくイコ似)など。どれも魅力的な女性ばかりでした。
ゆりっぺ先生はこれらの作品の原型といってもいいでしょう。
ですので私が、望月漫画のファンになった一番の原因は、はっきり言ってこの漫画のせいと言っても過言ではない!(きっぱり!)その後に見た「ワイルド7」に毎回登場する女性が全て色っぽく見えてしまったのは間違いなくこの「ゆりっぺ先生大激突」が起因しています。あはは。
しかも、全4回のうち3話までは見た記憶があるのですが、残念ながら図書館には4話目の所蔵がなく、その後の話がどうなったか不明のまま、もやもやした状態で約38年の歳月が過ぎました…。いつのまにかタイトルもどうだったのか、ほとんど忘れていました。
ところが、2011年8月号のkenさんの作成された作品タイトルリストの中に、掲載雑誌「中二時代」となっている「本作」のタイトルを見て、おお!これだぁ!!と叫んでしまいました。しかも「鉄血二代」のすぐ後の連載開始となっている。そうだったのか!池上彰…じゃなくて、もう間違いない。さっそく図書館に行ったりして探しまくりました。そうしたら、ついに、ついに…ありました!ああっ、ついに探し当てたぞ!!と、心の中で叫びました。
ドキドキしながらページをめくる瞬間は、それはまるで昔の恋人と38年振りに再会したような感覚でした。(ちょっと大げさかな?(苦笑))もういつ死んでもいい!!あっ、映画「ワイルド7」と望月先生の新作「ワイルド7R」を見てからね。そのあと、時がたつのも忘れてしばらく読みふけたのは言うまでもありません。
そして忘れられないもう一つの理由が、第2話「雪空にはためく鯉やぬれパンツ…の巻」で、物語の舞台は5月で鯉のぼりが出てくるのですが、そこでなんと雪が降るというシーンがあったのです。
当時(1972年)はまだ「春夏秋冬」がはっきりとしていた頃で、5月に雪が降るなんていくら漫画的には面白いけど、これはちょっとありえねぇ~と思っていたのですが、数年後に本当に5月に雪が降った事があり、その時すぐにこのシーンを思い出しました。やっぱ望月先生すげぇ~やと。(笑) 以上が私が忘れる事が出来ない理由です。
さて、物語は、大奥共学女学院に舞い込んだ迷える子羊?のゆりっぺ先生が、校長一族と生徒たちに翻弄されながら、毎回巻き起こすドタバタ学園コメディー。不動産屋のうたい文句じゃありませんが、『徒歩0分、日当たりよくて三食付き、ベッド机付きの下宿付き』と、先生募集の広告出されちゃ、就職難の世の中、誰でも甘い口車に乗せられてホイホイと就職しちゃいますよねぇ~。でも、世の中そんなにおいしい話が簡単に転がっているわけがない!甘い話にゃ思わぬ落とし穴が…。(あっ、これ学園コメディですので、怖い罠じゃありません、念の為…。)
落とし穴とは、ゆりっぺ先生を校長の末っ子の末男の嫁さんにしようという策略。さらには、校長の孫が率いる生徒たちの想像を超える悪戯の数々…。
はたして、ゆり子先生は末男のしつこい求婚と生徒たちからの悪戯をうまく交わして正常な学園生活を毎日
過ごせるのか?そして望月漫画お約束のゆりっぺ先生のセクシーシーンも登場します。
ここで登場人物をご紹介します。まずは校長一族【淀野大奥、淀野末男、淀野秀子】から。
末男は大奥共学女学院の数学教師で淀野大奥校長の末っ子。
ゆりっぺ先生を嫁さんに出来ると思い込んで、いつも、ゆりっぺ先生のあとを追いかけ回っている。典型的なマザコンタイプ。淀野大奥は私立大奥共学女学院の校長。顔がニワトリそっくり。ニワトリに間違えられることもしばしば…?定子は淀野大奥の長男の娘。末男は伯父に当たる。学園内では我が物顔で悪戯をやり放題。転校してきたばかりの主長(カンチョー)を早速おもちゃにしてドタバタを起している。ゆりっぺ先生をそそのかして退屈な学校生活をさらに面白くしようとも画策する。
~生徒たち(左より)~
【神田主長】は、共学になった大奥女学院に転校してきた男子生徒。転校初日からひどい目にあってしまう。ニックネームは「カンチョー」(間の字を飛ばして神カンと長チョウだから)と勝手に秀子たちに付けられてしまう。顔が、「ワイルド7」の飛葉にちょっとだけ似ています。
【八瀬】校長直轄の特別工作員学生。いつもは淀野秀子とつるんでいて、いたずらの実行犯。緊急事態発生時には、いつもトランシーバーで校長と連絡を取っている。
【小瀬】2年4組の学級委員長。公家のようなしゃべり方で皆に命令する。なぜか一人だけ特別待遇を受けている。俺の新鮮組に登場した公家になんとなく似ています。
【減野妙子】なぜか目に黒の目線が入っている女子生徒。八瀬の子分。
~その他の登場人物等~
【教育委員】いつもどこからともなく現れる、神出鬼没の謎の人物。葉巻をいつも手放さない。第3話で、なぜか個人で戦車を所有している事が判明!太平洋戦争中に大日本帝国陸軍が使用していた「95式軽戦車」!!戦車で公道を走ったり塀を壊したりと、ハチャメチャぶり。
【ゆり子のお父さん】極度のド近眼でメガネを掛けていないと30cm先の物も見えない。
目が悪い為に、2度も大失敗を起してしまう…。
★おまけのセクシーシーン特集★
大変長らくお待たせいたしました!!今回の目玉、ゆりっぺ先生のセクシーシーンの総集編です。
私は当時これにノックアウトされました…。(苦笑)
さて、本作の主要キャラクターが、別の望月漫画に登場しているのを最近発見しました。
それは朝日ソノラマ発行のサンコミックス「うるとらSHE」第3巻P127の葬式のシーンで、弔問客の中に登場していました。左から減野妙子、八瀬、淀野末男、教育委員、淀野大奥、ゆりっぺ先生の実家で飼っているニワトリです。
せっかく役者が揃ったお話だったので、もう少し続きが読みたかったなぁと思いました。いつの日かまた腹を抱えて読めるコメディ作品を描いて欲しいものです。
データ『旺文社 中二時代』1973年
4月号(32頁)
5月号(32頁)
6月号(32頁)
7月号(32頁)
(全4回連載)
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eddy-s さんのプロフィール
【望月三起也先生より】
ゆりっぺ先生だって? 絵が懐かしいねぇ。
自分でもこのeddy-sさんの探してくれたキャラクターを見て、驚き!!いつの間にかキャラクター、今のようにリアルになっていたんだねぇ。
昔々は本当に漫画らしい漫画だったんですねぇ。
って、まるで一読者のコメントですが、それほど忘れているんです。
なにしろ描いたってことは事実ですが、その後見た(読んだ)って記憶がないもので、中でもニワトリそのものの顔をした校長だとか、目を黒く潰してある生徒だなんて、もの凄い極めつけ、オーバー。
これこそ『漫画』って気がします。
それにしても毎度驚かされます。発掘作品、何十年か経って4話目を見つけたって喜びも判ります。
でも本当その努力、只者じゃないね。
たった4話で終了って私の記憶では、編集者と3話目で揉めて「辞めてやる!!」って宣言、無理やり4話目でオチをつけたっていう有り得ないワガママやった唯一の作品がこれだったという気がします。
絵描きと編集者の間には犯してはいけないルールがあります。
それは絵描き、編集方針に口を出さないということ。編集は絵のほんの一部、コンマ何ミリでも加筆することは出来ない。そういう区分が存在します。
この担当さん、ちょっと色っぽいシーンだからと無断で絵を修正してしまった訳で、
固い編集さんだったんですねぇ。
ちょっと相談してくれたらいいものをね、勝手にやられて、本になってからそれが判ったというのは絵描きにとってどれほどショックか。当然私のとっては「もう、つき合いきれない」って話しになるわけ。
編集長さん、その上の部長さんと私の説得に来てくれたんですけど、私、生まれつき頑固ですから、国境侵された少数民族の怒りって態度になってしまうわけ。
まァ、若かったんですねぇ、
世の中まァまァという大人の話し合い、今ならやってたと思うんですが、当時はあまりにも一本気、そんなこんなでたった4回という珍しい連載となったわけ。
読者のことを考えたら続けなくちゃいけませんよねぇ。
今だから言えますけど・・・・・
ゆりっぺ先生だって? 絵が懐かしいねぇ。
自分でもこのeddy-sさんの探してくれたキャラクターを見て、驚き!!いつの間にかキャラクター、今のようにリアルになっていたんだねぇ。
昔々は本当に漫画らしい漫画だったんですねぇ。
って、まるで一読者のコメントですが、それほど忘れているんです。
なにしろ描いたってことは事実ですが、その後見た(読んだ)って記憶がないもので、中でもニワトリそのものの顔をした校長だとか、目を黒く潰してある生徒だなんて、もの凄い極めつけ、オーバー。
これこそ『漫画』って気がします。
それにしても毎度驚かされます。発掘作品、何十年か経って4話目を見つけたって喜びも判ります。
でも本当その努力、只者じゃないね。
たった4話で終了って私の記憶では、編集者と3話目で揉めて「辞めてやる!!」って宣言、無理やり4話目でオチをつけたっていう有り得ないワガママやった唯一の作品がこれだったという気がします。
絵描きと編集者の間には犯してはいけないルールがあります。
それは絵描き、編集方針に口を出さないということ。編集は絵のほんの一部、コンマ何ミリでも加筆することは出来ない。そういう区分が存在します。
この担当さん、ちょっと色っぽいシーンだからと無断で絵を修正してしまった訳で、
固い編集さんだったんですねぇ。
ちょっと相談してくれたらいいものをね、勝手にやられて、本になってからそれが判ったというのは絵描きにとってどれほどショックか。当然私のとっては「もう、つき合いきれない」って話しになるわけ。
編集長さん、その上の部長さんと私の説得に来てくれたんですけど、私、生まれつき頑固ですから、国境侵された少数民族の怒りって態度になってしまうわけ。
まァ、若かったんですねぇ、
世の中まァまァという大人の話し合い、今ならやってたと思うんですが、当時はあまりにも一本気、そんなこんなでたった4回という珍しい連載となったわけ。
読者のことを考えたら続けなくちゃいけませんよねぇ。
今だから言えますけど・・・・・
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