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作品紹介

第78回

三丁目のサラダ27番地

執筆者:   2015 年 10 月 9 日

まだまだあった幻の作品を今回もまたeddy-sさんが発掘。
ポリスギャグの原点にはこんな続きがありました。

27-01これからご紹介いたします『三丁目のサラダ27番地』のお話の前に、第一作目『三丁目のサラダ』について簡単にご説明したいと思います。

舞台となる『三丁目警察署』は、全国でも珍しい私有地内に立地している警察署で、オーナーは隣接する『スナック花園』を経営している通称《サラダ》です。

身長は2m近くあるでしょうか?俗に“アマゾネス”とも呼ばれていたりします。

彼女は決して警察官ではないのですが、時たま三丁目署の面々と行動を共にして悪を懲らしめてご町内の安全を守っている様です。彼女は正に弱気を助け強気を挫く正義のスーパーレディなのです。

27-02今回も舞台は毎度お馴染み『三丁目警察署』兼『スナック花園』。ここのオーナーであるサラダを中心に繰り広げられる下町コメディ。

今回は町内に住んでいる往年の大女優、洗節子(あらせつこ)なる人物があれこれと絡んできて、対応に困った三丁目刑事たちにうまく乗せられて彼女の家を訪問して話を聞いているうちにおもわぬ事件に巻き込まれてしまう。怪我の功名で事件を解決したと大喜びで金一封が出ると信じているのを見て、サラダは一計を案じる。

しかしこれが思わぬ騒動に発展してしまい警察内は大騒動、はてさてどうなります事やら…。さらに新キャラクターも登場!
新恋人?《ゲンちゃん》です。(前の警官の恋人は手柄を立てたので栄転で本庁にでも異動してしまったのかしら?)

27-04以前、この第一作『三丁目のサラダ』の作品紹介をさせていただいた時に、サラダのキャラクターをたった一作で終わらせるにはもったいない、この続編があったらいいのになぁ~と思っていました。

でも、さすが望月先生!! ちゃんと続編を描かれていたのですね!?

これはkenさんのリストにも載っていなかったので、全然知りませんでしたが、ある日知り合いから『三丁目のサラダ』の続編があるよ!と言われた時は、驚きと感動が入り混じった感覚になり、これは是非とも手に入れるぞと決心してから何年も色々と探し回った末にようやく入手できました。

27-06こういうヒューマンコメディは望月先生の“十八番”と言ってもいいと思います。当時ビッグコミックでは『ごくろう3』が連載中で、登場人物の中にはその後の作品の中にも登場する警察官の顔が何人か見えます。

この頃には次回作の『へい、お町!!』『Oh!刑事パイ』の構想を考えられておられたのでしょうか?

27-07今回のお話の一番の目玉は、なんといっても往年の大女優《洗節子》でしょう。

セリフの中に片岡チエゾーセンセ(若い人は知らないかもしれませんが、東映の時代劇・現代劇でスターだった「片岡千恵蔵」さんがモデル?)と坂妻センセ(時代劇で名を覇した坂東妻三郎がモデルか?)と共演したスナップ写真のアルバムや、外国映画のスター話など、映画好きの望月先生の得意の分野のお話が散りばめられています。洗節子という名前も、日本を代表する「アノ」大女優さんから来ているのでしょうね。


27-08今回、サラダの新恋人?と思われるゲンちゃんは『うるとらSHE』の《九郎》似ですし、捜査一課の草波隊長似の係長さんも健在でした。

さらに今回は、サラダの水着姿のサービスカットもあり、単なる読み切りではなくこれは長期連載で続きが見たかったですね。以前にも申しましたが、『ビッグコミック』や、その他雑誌に読み切りで掲載された短編集を単行本かネット配信でもいいので、もう一度通しで全部まとめて読んでみたいです。

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27-09
三丁目のサラダ27番地


1975年 ビッグコミックオリジナル(小学館)7月5日号





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望月先生のコメント

三丁目のサラダ 27番地・・・・・ だって?
よくもまァ、訳の判らないタイトルをつけたもんですねぇ。
ギャグです。シリアスなわけがない。こういうギャグものに自分が向いているとは知らなかったよなァ。
実話・・・・ 実はですねぇ、そういうギャグセンスといい女、描けるなんて本人の気付いていない才能ってものを引き出してくれたのはビッグコミック(小学館)の編集者なんです。
何度もこのエピソードは語ったのですが、知らない人のためにもう一度。

この頃の私、活劇ものでは、まァ、いい線いってると多少の自信はありました。そんなところへビッグコミックからの依頼ですよ。大舞台です。ゴルゴ13に負けない活劇物やってやろうじゃないかと密かに意気込んで打ち合わせに臨みました。

ところが編集さんの希望は3つ。
舞台は団地。
主人公は女性。
それも子持ち。
条件はこの3つで、あとは何をどう描こうがおまかせ・・・・・
冗談じゃない、海水浴に行って、雪が降って来たってくらい。なんでアクションをやらせてくれないの?と、気落ちするやら驚くやら。
意気込んでいるのは編集さん。「新しい道が拓ける。あなたは絶対これでヒットするっ!」って。
そんなことで連載を始めたわけですが、これが二重人格かと思うくらい、次々にギャグが、アイデアが沸いて来るじゃないですか。なんの苦労もない。自分で驚いた。
人は見ているンですねぇ。編集者も一流になると作家の才能を掘り起こすンですねぇ。

ま、そういうわけで、この手の“いい女”ギャグシリーズ、続けたわけですが、内心いつかは活劇物をやらせてくれるだろうと期待していたンですがねぇ。
ゴルゴ13がある間は不要だったようで・・・・ と、変な愚痴みたいになりましたが、こういう読み切りを何年も掛けて本屋を巡り続け、ついに発見! ・・・・という努力には頭が下がります。
eddy-sさんと似てる部分は私も映画好き。学生の頃、観たいモノがあると市内から離れた地方の小さな映画館にまで足を伸ばし、質の悪いスクリーンでも楽しむという、そんなこともありました。
今では信じられないでしょうが、足元をドブネズミが走り回ってたりするんです。当時、映画館ではせんべい等を食べながら観るというのが一般的で、ヘタすりゃせんべいかじる音で画面からの音が聞こえないこともあった訳ですよ。
そのネズミといっしょに観た映画が『日本の一番長い日』 岡本喜八監督作品。
最近リメイク、同タイトル作品が公開されてました。
・・・・さすがにネズミはいないでしょうね。

今回は寄り道、脇道のはなしになってしまったな・・・・・



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  • mononcle :
    オールカラー版の新世紀ワイルド7、本棚には保管せずデスク脇に常備しています。
    マッドマックス怒りのデスロードのBDを観ながら、望月作品をハリウッドが見いだせないことに忸怩たる思いでいます。バイクアクション、ガンアクションでは望月漫画が洋画を凌駕していることは一目瞭然。
    必ずのハリウッド・デビュー実現を信じて疑いません。

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